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鶴見中尉(ゴールデンカムイ)が言っていた『戦争』で大活躍する人々

私の好きな漫画のひとつに『ゴールデンカムイ』という作品があります。

もうすぐ最終話を迎えるということで、ファン界隈では一層盛り上がりをみせているようです。

昨年、北海道に初めて旅をした時、私は北海道の歴史についてまったく無知であることを知りました。(ゴールデンカムイもその頃は未読でした)

アイヌ、イヌイットー ロシア、中国、カナダ...etc
オホーツク海を囲んだ雪の大陸の先住民達の暮らしや、侵略と開拓の歴史について
ふんわーりとした認識しか無かったので

アイヌ民族資料館などを観光した際に、現地の年配男性が力を込めて丁寧に説明をしてくれる姿を見て、知的好奇心を刺激され、
その後に手始めにゴールデンカムイを読み始めたという、そんな安直さで。

この作品は明治時代末期の北海道や樺太島、極東ロシアを舞台にした作品で、アイヌの人々についても多く描かれている、面白くて勉強になる素晴らしい作品なのですが

その登場人物の一人である、鶴見中尉の言葉に私はとても衝撃を受けて
いまこの時代に実際に起こっていることと重ねて想うことがあり、この文章を書いています。

鶴見中尉は、自らの目標を達成するべく、軍人として多くの忠実な部下を従えている人物なのですが、エピソードの一つの中にこんな言葉がありました。
(なんとなくのうろ覚えなので、ニュアンスすみません)

普通なら人を殺す、ということに対して抵抗感を示す人間も、一線を越える時がある
その動機はつまり『愛』である、と。
ただ、そうしたものを必要とせず、躊躇いなく人を殺せる人間もいる、
そうゆう類の人間が「軍」には必要である、と。

そんな感じのことを言ってました。
実際に鶴見中尉の元には、人間らしい意志や苦悩、動機を持って軍に従属している者もいれば、
所謂サイコパスと言われるような、人の痛みや苦しみを感じることなく、命令されれば嬉々として暴力を行う人物が多数登場しています。

強い憎しみ、恨み、そうしたもの(愛に起因するもの)は強い衝動を生み、殺人の動機となり得るだろうと思います。悲しいことですが。
そして、恐ろしい事ですが、嬉々として暴力を行う性質の人間の場合

それが正当化される環境、機会、時代、さえあれば(つまりは戦争です)
ここぞといわんばかりに、「大活躍」します。

多くの人間が人を殺す罪悪感で精神を病み、PTSDや自傷行為、戦意喪失などに陥る中で、
かえって暴力と殺人を正当化できて、かつ実績として「評価」され「能力」を買われ、駆り出され、すすんで殺戮を行うひとの類。

そうゆう人々に理由を与えて、許容してしまう状況というのが恐ろしい。
流されたり、逃げたりしていては弱く、
強い意志を持って、その状況を拒否していかなければ、それは防げないのだろうと感じました。
(今も恐ろしいことが現実に起きている)

地球上の多くの人間が、傷ついて、日々心を病んでいます。

同じ暴力で対抗しようという簡単な話ではなくて、
強い連帯、知恵、正義
(この言葉は最近、悪い意味に揶揄されることが多いですが私はそれは好きではなくて。本来その言葉には、迷い間違う人間が生きていく上で、ずっと模索し探求し続ける為の大切な規範の意味が込められていると思います)
を持って、現実を見極めつつ対処していかないと。

つまり歴史や人間について、学ばねばならないと思います。
そうした『流れ』に向かわない為の政治、社会を創ることに対して、経験と教訓を活かしていくことの重要性を。

サイコパスを見つけたら、排除しよう、なんて話ではないですよ。
誰かがいってました。目が見えないひと、耳が聴こえないひとがいるように、人の感情が理解できないひと、痛みを感じないひともいるのだと。
色んな人がいるのだから。

サイコパスという現象に対して、正直心象的にはかなりの抵抗感がありますが、人間には皆、基本的人権がありますし、どんな人であれ、人は人を裁くことは出来ないと考えますので。

ただ、理不尽な殺戮、残虐非道な暴力と闘い、それを止める、それを起こさせない、それを許さない環境を創ることは力を合わせれば努力できることだと思います。

誰が、何が正しいということよりも、理解と対処こそが重要と、私はそう思います。勉強が大切と。

世の中はどこへ向かっていくでしょうか。
いつか世界は答えを用意してくれているのでしょうか。

ゴールデンカムイ、ぜひ皆さま読んでみてくださいね。
北海道には良い思い出がいっぱい。
お寿司も最高でした。歴史にも想いを馳せながらまたいつか訪ねてみたいと思います。

平和な時代を生きた、今は平和な国の私達だから、
平和がいかに素晴らしいかを訴えることが出来ます。それを知っている私達だから。


#ゴールデンカムイ
#戦争
#サイコパス
#軍人
#共産主義

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