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【連載中】河合隼雄「こころの処方箋」を読む

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河合隼雄の「こころの処方箋」を読んでいきます。
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記事一覧

【連載】「こころの処方箋」を読む~13 マジメも休み休み言え

いわば「ユーモア」についての話である。ユーモアを持つには、ユーモアのある表現をするには、…

【連載】「こころの処方箋」を読む~12 100点以外はダメなときがある

人生には「ここぞ」というときがあって、その時に100点を取ることが大切だということ。そして…

【連載】「こころの処方箋」を読む~11 己を殺して他人を殺す

これは、私にとってはぞっとする話である。 ここ数年、私はずいぶんと勝手気ままに生きている…

【連載】「こころの処方箋」を読む~10 イライラは見とおしのなさを示す

自分もずいぶんとイライラしてしまう性格なので、この指摘はしみる。 ここでの「見とおし」と…

【連載】「こころの処方箋」を読む~9 灯台に近づきすぎると難破する

このエッセイでは、「理想」につぶされた男の話が出てくる。現代にもまた、このような男は少な…

【連載】「こころの処方箋」を読む~8 心のなかの自然破壊を防ごう

「心のなかの自然破壊」とは、実に言い得て妙である。 教育とは、開発に近い。自然のままにあ…

【連載】「こころの処方箋」を読む~7 日本人としての自覚が国際性を高める

自分がどこに根を下ろすのか。それはとても大切な問いである。 幼い頃は、自分の家が、自分の学校が自分の根を下ろす場所だと疑いもしなかった。 しかし、いったん思春期を迎えると、どうもそれが怪しいことがわかってきた。自分にあったはずの根は、まだ宙にぷかぷかと浮かんでいるようなもので、全く地に足ついてなどいなかったのだ。 そうして、根を下ろす場所を探し続けている。 私は山形県出身で、三十五歳までを山形の地で過ごした。 しかし、どこか根無し草の感がずっと強かった。 言葉の問題

【連載】「こころの処方箋」を読む~6 言いはじめたのなら話し合いを続けよう

自分の意見を伝えることの大切さが説かれる時代である。それは河合の時代から続いている。 妻…

【連載】「こころの処方箋」を読む~5 「理解ある親」をもつ子はたまらない

ここで大切なのは、「理解ある親」とかっこ書きになっていることである。 河合はこの文章で、…

【連載】「こころの処方箋」を読む~4 絵に描いた餅は餅より高価なことがある

「絵に描いた餅」という言葉がある。基本的にはこれはネガティブな言葉である。目の前に実在し…

【連載】「こころの処方箋」を読む~3 100%正しい忠告はまず役に立たない

酒飲みに「酒をやめろ」と言うことほど無茶なことはない。 酒を飲みすぎることが自分にとって…

【連載】「こころの処方箋」を読む~2 ふたつよいことさてないものよ 

「ふたつよいことさてないものよ」は、河合隼雄を代表する言葉といってもいいだろう。河合はど…

【新連載】「こころの処方箋」を読む~1 人の心などわかるはずがない

「人の心などわかるはずがない」 これは私の教員人生の中でも、特に共感したことであり、同時…