【連載】「こころの処方箋」を読む~7 日本人としての自覚が国際性を高める
自分がどこに根を下ろすのか。それはとても大切な問いである。
幼い頃は、自分の家が、自分の学校が自分の根を下ろす場所だと疑いもしなかった。
しかし、いったん思春期を迎えると、どうもそれが怪しいことがわかってきた。自分にあったはずの根は、まだ宙にぷかぷかと浮かんでいるようなもので、全く地に足ついてなどいなかったのだ。
そうして、根を下ろす場所を探し続けている。
私は山形県出身で、三十五歳までを山形の地で過ごした。
しかし、どこか根無し草の感がずっと強かった。
言葉の問題