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柔軟剤の香り

うちの父は、柔軟剤を使っていなかった。

最近でこそ、柔軟剤を導入しているようだが、ずっと使っていなかったらしい。我が家では小さいころから家事は主に父親がやっていたのだが、おそらく私が幼いころから柔軟剤は使っていなかったのだろう。


田中(2015)によると、柔軟剤の歴史は意外に古く、1960年代には登場して
いたらしい。

しかし、香りに注目されてきたのは2000年以降のことのようである。確かに、子どもの頃はあまり柔軟剤を意識したことはなかった。

私が一人暮らしを始めたのが2007年のことで、そのころには柔軟剤はドラッグストアで当たり前に売られていたし、さまざまな香りがあったと思う。ちょうどそのころ生まれたのが、「フレア フレグランス」(花王)、「レノア ハピネス」(P&G)、「ソフラン アロマリッチ」(ライオン)といった商品で、まさに柔軟剤=香りの時代の到来である。


そんな中で、私自身はなるべく香りの少ない柔軟剤を用いていた。それは、接客業だったからである。生徒は香りに敏感で、強すぎる香りに気分がわるくなる生徒も少なくない。当然、多くの人と毎日交流する空間にあっては、さまざまな香りが混じりあうことのデメリットも大きかったのだ。

父親も、柔軟剤の香りが嫌だったようである。私自身もそれほど得意ではないというか、不快な柔軟剤の香りは気になってしまうこともあるので、共感できるところはあった。


一方で、いつもゴワゴワのタオルを使っているのはちょっとどうかなと思ったので、無香料の柔軟剤をプレゼントしたこともある。

結局今はどうしているのかわからないけれど、確かにもうちょっと、無香料の柔軟剤があってもよいと思う。


柔軟剤はけっこうな博打である。実際洗濯してみるまでは、本当の香りはわからない。

こうして柔軟剤のことを話題にしているのも、今来ているシャツの匂いが気になっているからである。少し前に購入した柔軟剤の匂いがちょっと不快だったので、すぐに柔軟剤を変えた。しかし、そのときに洗濯したシャツがまだ残っていたのだ。そのまま洗い直すのもくやしいので、ジムに行ってから着替えようと思う。そのためには、ジムに行かなければ。

ちなみに、パートナーは柔軟剤を使わないらしい。どうしてなのか、いまだに聞いていない。


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