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人材業界のビジネスモデルと新卒でやりがちな仕事のまとめ

うえて よしのです。
新卒でビズリーチという即戦力採用の会社に入り、その後ワンキャリアという就活クチコミメディアの会社に入ったからか、よく学生さんから「人材業界について教えてください!」と質問を受けます。
特に、人が好きで人の役に立ちたい!→だから自分も今直面している就活の不安を解消したい、という方も多いような気がします。

ざっくりな質問で悩むのですが、私なりに「こういう人は苦しむかも…」というメッセージも含めた、ビジネスモデルと新卒で配属される可能性が高いお仕事のお話を簡単にまとめてみました。
※派遣やアルバイトなどもありますが、正社員採用に限定して主要なものを抜粋して記載します。
※個人的な経験上、一部見方が偏っている可能性があります。

①求人広告(ナビサイト)

求人広告を提供している会社は、基本的には広告枠を企業に販売することで売上を生んでいます。そして求職者との直接的な接点は特にありません

こういった会社に入ると、多くは最初、広告枠の営業からキャリアをスタートすることになります。

仕事内容の大枠はこんな感じ。
電話やメールなどで、商談機会を獲得する

商談を通じて、自社で求人広告を出したい、と言っていただく

求人広告をクライアントと一緒に作成し、掲載する

広告という商材の特性上、短期間で成果を測りやすいというメリットはあります。一方で、採用成功までしっかりと支援しているかどうか(広告を掲載して終わりではないか)、は会社による部分もあるので見極めが必要です。さらに、求職者との接点はないので、人のキャリア形成を支援したい…!という想いにはなかなか応えられないかもしれません。

②人材紹介(エージェント)

人材紹介を提供している会社は、企業に候補者を提案し、候補者に企業を提案し、そのマッチングした年収の○%(多くは30〜40%)、という形で売上を生んでいます。つまり、年収が高ければ高いほど売上が大きくなる構造です。

こういった会社に入ると、多くは最初、企業サイドを担当するRA(リクルーティングアドバイザー)と、候補者サイドを担当するCA(キャリアアドバイザー)のいずれかを担当することとなります(RAとCAを両方担当する場合もあります)。

仕事内容の大枠はこんな感じ。
RA:
電話やメールなどで、商談機会を獲得する

商談を通じて、自社に人材を紹介してほしい、と言っていただく

クライアントが採用したい、と思う人材を紹介する

CA:
自分と面談したい候補者を探す

準備をして面談を実施し、求人を紹介する

候補者の各種選考フローにおけるサポートをする

転職した方や採用できた企業から、直接お礼の言葉をいただけるイメージも強いため、一見「人が好き!」という方にとっては天職な気がします。一方で、よく言われる「ロマンとそろばん」問題もここで起きがちです。

年収が高ければ高いほど売上が高くなる構造です。

と上にも記載しました。これはつまり「年収1,000万だけど合わないかもしれないA社と、年収500万だけどめっちゃ合うB社。どちらを候補者に提案するか」という葛藤に苛まれかねない、ということです。もちろん仕事なので、自分には達成しなくてはならないノルマがあります。年収1,000万のA社を提案し、そこに入社となれば売上目標は達成するが、B社では達成しないかもしれない。そんなときどうしますか?ということですね…。

③スカウト(ダイレクトリクルーティング)

スカウトサービスを提供している会社は、企業と候補者が直接やり取りできるプラットフォームを提供し、そのプラットフォームを利用することや、介して入社が決まった場合に年収の○%、という形で売上を生んでいます。

こういった会社に入ると、多くは最初、企業にプラットフォームを利用していただくための営業か、利用企業に活用してもらうためのCS(カスタマーサクセス)のいずれかを担当することになります。

仕事内容の大枠はこんな感じ。
営業
電話やメールなどで、商談機会を獲得する

商談を通じて、プラットフォームを利用したい、と言っていただく

利用方法を説明して、CSにバトンパス

CS:
クライアントと採用要件のすり合わせ

スカウトの送信促進や改善提案など

各種選考フローのフォローや振り返り

スカウトサービスを扱うと、あくまでも主体は企業になります。企業の採用力を高めるために何ができるのか、にやりがいを感じられる人にはとても良いでしょう。一方で求人広告と同様に、候補者との直接的な接点はありません。

まとめ

つまり何が言いたいかと言うと、「人が好きで、直接的に人の役に立ちたい!」という想いだけで人材業界を選ぶと、もしかしたら期待したほどには楽しくないのかもしれない、ということです。

学生のキャリア支援をしたい!と思って新卒の人材紹介会社を選んでも、配属されるのは企業サイドかもしれない。学生サイドに配属されても、ロマンとそろばん問題にぶつかる。これのせいで辞めてしまう方ももちろんいらっしゃいます

一方で、捉えようによっては、人材業界は人のキャリアや、人を通じた企業成長を間接的に支援ができるので、人が好きで「直接的」にこだわらない人には楽しいのかもしれません。

これは人材業界以外でも同じことですが、しっかりと、入社後どんな仕事をするのか、その仕事をする覚悟はあるのか、は考えておけると良いのかなと思います。

おまけ

では「人が好き!役に立ちたい!」という方には、どんな仕事がオススメなのだろう、と個人的に考えてみました。

・カウンセラー
・人事
・ハイクラス向けのエージェント
などいくつか出てきたのですが、よく考えたら人と話すことが少なく、役に立たない仕事のほうが思いつかなかったので、だいたいどの仕事をしても捉えようによってはオススメになるなぁ、というなんの役にも立たない結論に至りました。

というわけで、「人が好き、役に立ちたい」以外の軸も見つけられると、絞りやすくなるのかなと思いました。

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