見出し画像

俺と師匠の情熱seitai life Osaka編 7

熱狂と恍惚感をまといながらのセミナーは終わり俺のいつもの日常に戻ってきた。

シャワーを浴びて少し仮眠をとり、情熱を整理する。

予約票をみながらクライアントとの会話や施術をイメージする。常連さんから電話がきたが予約枠がない。シドー先生が言ってたように入れてみるか。無理矢理予約を突っ込んだ。5人連続ぶっ通しだ。インターバルは0分。そして夜に2枠、もう一件電話が鳴れば突っ込む。

4人目の新規のクライアント。15分待たせた。嫁さんが不安そうな顔で呼びにくる。ここでエジー先生のアドバイスが活きる。

「ヨシナリ君の言葉で本心から治してあげたいと伝えてごらん。こちらの気持ちがどれだけクライアントに伝わるか、伝えられるかだけだよ」

丁寧に対応し、言葉がけをして施術。だいぶ楽になったらしい。提案した3日後の次回予約も取れた。今日はどうなってるんだ?

その日から何が変わったのかはよくわからないが予約がどんどん埋まっていく。金土日はほぼ予約が取れない状態になり、常連さんは慌てて電話をかけてきて、さらに予約が埋まる。あれだけ悩んでいた集客は何だったのかと思うほど…。

今の俺には売上もマーケティングもどうでもいい。とにかく毎日ぶっ倒れるまで働きたい。

理由がある。去年の11月、椎名林檎のLiveを先生と観に行ってから予約が埋まり出した。体力の無さと忙しさへの不慣れから気持ちが負けてラクしたいと思ってしまった。またいつもの様に逃げたんだろうな…。覚悟が足りなかった。

実は今回の大阪に行った理由は、先生に俺の今まで逃げてきた人生と、ラクをしてなんとか生き延びようとするズルい癖を見透かされ、叱咤と激を飛ばしてもらったのだ。もう後はねぇぞ。どうすんだ?とナイフで崖っぷちに追い込まれた様な気分だった。

そこで俺は逆上し、頭に血が上った。ベロベロに酔っ払って先生に訳のわからないメールまで送った。自分の肯定して納得してきた人生が完全に揺らいでしまった。

さぁどうする!?

上等だ…。やるに決まってるよな?俺も先生達の所へ絶対いってやる!そうなりたくて、あれだけ嫌だった東京にも行ったんだ!

そんな自問自答を1か月ほど繰り返しての大阪だった。劣等感?学歴?経験不足?そんなことはどうだっていい。

俺「小木曽ヨシナリ」の生き様を整体に叩き込んでクライアントを癒していくだけ。幸い俺と同じ様な人生経験をしている人は少ない。クズと呼ばれる人間も沢山見てきた。人よりツライ思いも沢山している。全部俺の血となり骨となり俺は今生きている。それだけで十分だ!

会話、即断力、身のこなし。先生方のように真似は出来ない。今俺が出来ることは狂った情熱をどうコントロールするかだ。種火に変えてしっかり育ててみよう。そしてもう一度胸を張って3人の先生に会いに行く。

近年では秋が短く感じる。あっという間に過ぎてしまう秋。高く感じる秋の空に俺も高く翔ぶ。数ミリでも、ちぎれた羽でも常に昨日より高く!

高く感じた空が少し低く観えるまで。

おわり

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?