はじめに

　jubeatの譜面を作り続けて10年が経ちました。途中PCが壊れて1年の空白期間がありましたが、復旧した過去5年間では66曲で譜面を作っていたみたいです。通算すると250譜面ぐらいでしょうか、結構頑張りました。
　自己紹介がてら作った譜面数を載せてみましたが、このうち満足いく出来栄えの譜面は50個ぐらいです。人様に自信を持って見せられる、となるとその半分以下でしょうか。つまり、良い譜面を作るのは当然それだけ難しいということです。
　今回、その良い譜面を作るためにどんなことを意識しているのか、個人的な所感を述べていきたいと思います。jubeatしか分からないのが残念ですが、皆さんの参考になれば幸いです。

1.『良い譜面とは』

　一口に良い譜面と言っても、その価値観は人それぞれ異なります。したがって、まずは自分の考える『良い譜面とは』について答えを出すことが重要です。
　いわゆる「抽象から具体へ」という考え方を用いるなら、
・（〇〇：knit,Qubellなど作品や時期）の頃のような□□な譜面
・（△△：曲名）のような☆☆な譜面
・（××：製作者）さんが作るような◇◇な譜面
など、大まかな譜面のカテゴリとその譜面に対する自分の解釈をしっかりと持つことが大事だと考えております。要は公式の譜面をしっかり研究しようということです。私の場合、
・ripples APPEND,saucer fulfillのような爽快感のある譜面
・キルトのような斜め配置の綺麗な譜面
・RAGさんが作るような採譜がしっかりした譜面
などがあります。作りたい譜面像と照らし合わせて、たくさんの『良い譜面とは』を見出していきましょう。

2.楽曲や移植元の譜面をリスペクトする

　他機種の楽曲で譜面を作る場合、必ず元となる譜面が存在します。そしてbeatmania IIDXであればTextage様のように、譜面データを公開してくれるサイトもあります。音取りに関しては、こういったサイトを必ず見ましょう。12分と16分の取り違えなどが無くなります。音の取り方だけに留まらず鍵盤の配置、譜面を捌く時の手の動かし方などjubeatに落とし込める要素は沢山あります。
　版権曲でも同じです。歌詞ネタ、MVやアニメ映像などを再現すると芸術性が上がるかな～と考えております。

3.手を動かす

　そのままです。机beatで構わないので必ず手を動かしましょう。出張に無理がないか、16分のゴリ押しに無理はないか、手の動きは自然か、HOLDの終点絡みで無理押しが発生していないか、HOLDの指の流れは自然か等々…
全て手を動かさなければ分からないことです。
　私が譜面を作る際のコンセプトに「研究の余地を作る」というものがあるのですが、ターゲット層となるプレイヤーが辿り着ける運指というのを意識しています。誰かが必ずゴールに辿り着けること、ゴールまでの距離が近すぎず遠すぎないことを守ったうえで、高難度の配置を決めています。逆に自分が思いつく配置ならば、ランカーの皆さんは辿り着けるぐらいの気持ちでもいいかも知れません。

4.譜面のメリハリをつける

　普通に譜面を作っていれば強弱は自然とついてくるものだと思いますが、弱くするところはとことん少ノーツにした方が見栄えが良くなりますし、難所が引き立ちます。曲調的に弱い部分なのにサビと同じ配置を使ったり、ブレイク地帯も延々と混フレにしたり、意地の悪い同時押しであわよくばミスさせようとするスケベな譜面を見ると結構ゲンナリします。
　また、同じフレーズを複数回使う曲の場合、1回目よりも2回目、3回目の方が盛り上がる≒密度が濃い譜面にするのが望ましいです。譜面パターンの増やし方含め、HOLDがない方のToo Late Snow［EXT］が良い例なので、是非参考にしましょう。濃い配置を先に作って、そこから引き算したものを1回目にするといい感じです。
　しかしイントロアウトロが難しい譜面だと配置を変えない方が良い場合も多く、そこは塩梅の難しいところです…

5.自分の思いつかない配置をする

　運指を思いつかない、譜面を思いつかないという2つについてのお話です。
　自分の思いつく配置だけでは、自分しか楽しめない譜面が量産されてしまうと考えています。押せる押せないに関わらず閃きに任せて配置する、別な曲の配置を流用する、○○さんならどううするかという視点で譜面を作るなどなど、今の自分の中に留まらない発想が大事です。

終わりに

　結構マニアックなことを書きましたが、全て個人の感想なので、皆さんのご意見・ご感想と照らし合わせて、良い譜面を究めていけたらと考えています。引き続きマニアックな話を続けていきますが、そのうち「譜面の作り方」みたいな手引書も作っていけたらと思います。
　最後に、私の考える1番いい譜面を書いて終わろうと思います。お読み頂きありがとうございました。

マホロバケーション / ももいろクローバーZ