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子供のおつきあい➖誕生会編

さて、最初のTeaを生きのびると、ほどなく誕生会に呼ばれたり呼んだりが始まる。

イギリスにおける誕生日は、当の本人にとってはクリスマスぐらいの大イベントである。日本だと「高学年だし、誕生会しなくても良いよね」なんていうのがありだけれど、こちらではない。まず、ない。

自宅に数人から10人以下ぐらいの小さな会であろうが、公民館や、市営プールを借り切ってクラス全員呼んでしまう会であろうが、(うちの子供はどちらも経験済み)決めるのは親と子供だけれど、とりあえず、誕生会パス、というのは結構ありえない、寂しいことだ、というのは心に留めておいて良いと思う。

もちろん、自分の子供の誕生日の前に人に呼ばれたら、呼び返さすべき、であろう。基本的には。

お呼ばれされる分には良い。プレゼントを持っていかないわけにいかないので、気づくと結構想定外の出費が待っているけれど、しばらくいるとだんだん慣れてきてプレゼントになりそうなものが安く売っていると一つ二つ予備に買っておくクセがつく。(5−10ポンド前後を見込むべし)包装紙、リボン、誕生日カードも常備してある。

問題は、こちらがお招きする場合だ。

パーティバッグの準備も始め、日本の親だと気づかない点があるかもしれないのでとりあえずスタンダードな子供のパーティの特徴をあげておこう。

もちろん、地域、階級による違いはあり得る。


招待状を出す

招待状は大概子供が学校で手渡す・・・が、我が家の子供のように、リュックの底にぐしゃぐしゃになった招待状が2週間近く生息していることがあったり、で確実な手段ではない。

相手のご両親の携帯番号を知っているのであればテクストというのも有り。だいたい3週間前ぐらいにはお知らせを出す。もちろんRSVP (お返事ください)の締め切りを伝えるのを忘れずに。


スタンダードは昼食ないしは夕食プラスなにか。

スタンダードはお昼ご飯、ないしは夕ご飯を食べてもらって遊んでもらう、という形。地域によって違いもあるかもしれないけれどお茶だけ、ということはあまりないと思う。

ここで問題になるのは前にも言ったイギリスの子供の偏食。

先日来た誕生日の招待状はこんな感じだった。

「◯月◯日◯時から、△△プールで誕生会をします。終わりの時間は◯◯時。水着とゴーグルを持ってきてね!食べ物は下から選んでください。

サンドイッチ 1.ハム 2.チーズ 3.いちごジャム

ポテトチップス 1. ソルト&ヴィネガー 2.チーズ&オニオン 3.プローンカクテル

飲み物 ⒈オレンジスカッシュ 2.ブラックカラントスカッシュ

万が一の時の親御さんの電話番号も教えてください。」

日本人だとハムと、チーズとレタスを挟んだサンドイッチを作りたくなってしまうが、そこはぐっとがまんして、ハムだけ、チーズだけ、レタスだけ、というのが良いと思う。混ぜちゃった日には「ハムがダメ」な子供と「レタスがダメ」な子供が両方とも食べられなくなってしまう・・・・。

ちなみに、このラインナップ、アレルギーが問題になりそうな卵だとか、ピーナッツバターは最初から入っていないのが誕生パーティ慣れしているお母さんらしい。

実際に行ったら、もちろん、大皿に果物や、ちょっとしたソーセージ等並べてあって「食べたかったらどうぞ」という形にはなっていたけれど、なるほど、これなら、「何も食べられなかった」という子供はいなかっただろう。


エンターテイメント

ここ数年はもうエンタメを自分でやる気力がない!ということで、我が家はLaser Quest (暗い室内で、レーザーガンでお互いを撃ち合ういわゆる「レーザー鬼ごっこ」)丸投げしている。一人頭9ポンド前後で、8人が最低人数だから、これだけで70ポンドを超える出費である。しかし、家庭によってはプールを丸ごと借り切ったり(250ポンド前後)教会のホールを借り切ってプロのエンターテイナーを呼んだり(・・・想像がつかないが、おそらく300−500前後?)と結構な大枚をはたいている。

もちろん、ある程度の年齢になるとPizza expressでご飯を食べておしまい、(それでも一人頭10ポンド前後)なんていうのもオプションだ。レストランで食事、の場合はそこまで神経質にエンタメを用意することはないのだが、家でパーティを開くとなるとしっかり娯楽を用意してあげなくてはならない。

始めてこちらに来た年には、そこまでお金がなかったので自宅でパーティを開いた。Wiiをセットして、とにかく子供達に好きに遊ばせたのだけれど、どの子も特に行儀が悪かったわけではないのに、パーティが終わった時点では家の中はぐっちゃぐちゃで、「これ、・・・わたしには向いていないかも」と痛感した。まあ、1歳児を抱えていて手いっぱいだったというのもあるのだけれど。

というわけで、ちょっと出費を覚悟して外に投げちゃったほうが、色々と楽ではある。近所のソフトプレイエリア等、子供の好きそうなところには大概パーティープランがあるから見ておいても良いかもしれない。


プレゼントをもらったら

プレゼントをもらったら、すかさずくれた子供の名前を包装紙のどこかに書いて、子供には開けさせない

とりあえず、開けることを許すと子供は開けるし、みると他の子供も欲しくなる。触っているうちに壊れたりもする。

そしてそれよりも大きな問題は誰が何をくれたかわからなくなることだ。

誕生日にもらったプレゼントには後ほどきちんとThank you noteを書かなくてはならない。「◯◯さん、テリー・プラチェットの本、ありがとう!」と書けなくては礼を失することになるのだ。ここでプレゼントを間違えて書いてしまうような失態は避けたい。

けれど、子供は、開けてしまったプレゼントが誰から来たのかなど大抵記憶していないし、親の方も大人数をさばくのに必死で誰が何をくれたのか覚えていられない。

一番確実なのは、包みに名前を書いて子供の視界から遠ざけておくこと、だ。その場で開けて喜べないのは、ちょっと味気ないけれど。


ケーキ

スタンダードは生クリームを使わない、アイシングで飾られたケーキだ。というのも、ケーキのタイミングが食事の後だからで、小さい子達だとケーキまで入らずに「お持ち帰り」することにしばしばなるからだ。Marks & Spencerがミドルクラスだったら鉄板のチョイスだけれど、もちろん大手スーパーには様々なチョイスが揃っている。(そしてどれも信じられないくらい甘い)


お持ち帰りバッグ− Party Bag

日本人の親だと多分、ここが抜けるんじゃないかと思う。

誕生日パーティに来てくれた子供達に小さな袋に安いおもちゃやお菓子を詰めて渡す、というしきたりがあるのだ。食べきれなかったバースデーケーキも、ビニール袋に入れられてこの袋に入ったりする。

本当に小さな100円かそこらのおもちゃをいっぱい、なのだが、この「いっぱい」が曲者で、下手をしたらふと気づくと一人頭4−5ポンド軽く行く。10人呼べば50ポンド。バカにならない。できるだけ3ポンドぐらいで抑えたいところだけれど、これが結構難しい。(というわけで、我が家の場合は日本から持ってきた100均の消しゴムがここに入る)

もらう側としても、これは大して嬉しくないしきたりで、すぐ壊れる安っぽいプラスチックのおもちゃがどんどん溜まっていく。

耐えかねて、昨年はパーティバッグの代わりに布製の筆箱に消しゴムとお菓子を詰めて渡したのだが、お母さんたちの評判が良かった割に子供の評判がすこぶる悪かった。(「みんなにお弁当みたいっていわれた」)

しかし、次に呼ばれたパーティでは、上の子は新品の靴下にお菓子が詰まったものをもらって帰ってきたのである程度の年齢になったらちょっとスタンダードからずれても良いんじゃないかしら、と個人的には思っている。


パーティが始まる前と終わった後

自宅でパーティを開くのであれば、念のためお隣さんには一言声をかけておいたほうがいいと思う。子供の声は結構耳障りだ。壊れるもの、危ないものをどかすのも忘れずに。

パーティが終わった後にはThank you noteを書かせる。これも店にいっぱいカードが売っているが、free printableで検索すれば山のように出てくるから、カラープリンターがあるのならば、お金を払うことはない。パーティの写真をいくつか入れて自作しても良い。

特に日本から来たばかりだと自分でThank you noteが書けない可能性もあるので、自作カードは子供にやさしい。とりあえずサインすれば良いところまで親が作ってあげるようかも。 



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