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「私は大丈夫だよ!」は本当に大丈夫?【303】

 職場が仕事に一時的に大量に抱え込んでしまったり、育児と仕事の両立でいっぱいいっぱいになることは誰にでもあります。
 本人は、いつの間にか増えてしまったタスクの重さに気づくことができないことがあります。本人は現状把握ができないままで、客観的に良くない状況に見えても、本人が不安な気持ちを無意識に隠してしまい、本気で大丈夫だと思っていることがあります。

 そういった心理状況を「躁的防衛(そうてきぼうえい)」といいます。
 臨床心理学では、受け入れがたい状況に対する不安を軽減するための無意識の心理メカニズムとして、「躁的防衛」という無理やり不安をおさえこむ心理的な作用があります。

 客観的にはかなり危険な状況であっても、この作用によって本人は本気で大丈夫だと思い込んでいることがあります。

 本人は大丈夫だと言うので、周りが気づきにくい場合があります。本人から「今いっぱいいっぱいだから助けてくれる?」というような助けを求めてくることはありません。なぜなら、本人は無意識に不安やストレスを抑え込んでいて、本気で大丈夫だと思っているからです。

 それでは、こんな状況で周りの人たちができるサポートはどんなことなのでしょうか。
 それは、本人に「解決策を提案して改善を促す」のではなく、「本人と一緒に、今の現状を把握することから始める」と良いとされています。

 忙しい状況だからこそ、一度立ち止まって現状を落ち着いて把握することが必要なのですね。

<参考URL>
・「テンションが高すぎる人は注意!ハイテンションに潜む躁的防衛」(All About 健康・医療)
https://allabout.co.jp/gm/gc/464778/

・「防衛機制のいろいろ」17枚目(川崎市福祉人材バンク)
https://kawasaki-jinzaibank.jp/images/mamechishiki1-18.pdf

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