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株式会社Zebras and Company・Tokyo Zebras Unite共同創業者 / 代表取締役 | 欧州、東南アジア、アメリカ、アフリカ | インパクト投資 | 実務を通しての学んだことや考えたことを書いていきます。note.com/tokyozebrasunite

最近の記事

インパクト投資とマイルストーン投資

マイルストーン投資は投資する際によく使われるが、その性質、特にマイルストーンの置き方について考えてみる。 インパクト投資の場合は、社会成果をマイルストーンに置くことがあると思うが、取り組むビジネスや提供資金の性質によって置くべきマイルストーンを見極める必要がある。 企業投資の場合、事業は複数あることがほとんどで、特定の事業があり使うリソースなどもある程度決まっているプロジェクト投資や助成金とは違ってくる。企業投資はそういった資金では拠出目的としにくい間接経費などの先行投資に

    • シンガポールVCモデル

      コロナの影響で「シンガポールVCモデル」が今後変わっていくだろう。東南アジアのVCはシンガポールに集中している。日本企業でもシンガポールにオフィスを置いているところはいくつかある。シンガポールでは国内市場は少なく大きな市場は国外にあるため、タイ、マレーシア、フィリピン、インドネシアといった近隣の国を飛び回り投資や経営支援を行うというのが代表的なやり方だ。私がフィリピンで投資していた時もそういったVCの人たちと良く会っていた。ただし、コロナによってそういったやり方は少なくともこ

      • 環境を創る

        ある人と社会を変えるには環境を作る力が重要だと言う話をした。環境をつくるって定義が難しいが、一つのことを専門的に極める力ではない。関係者とのコミュニケーション力、相手のモチベーションを向上させる力、共感力、傾聴力といったいろんな要素が絡まって関係者が力を発揮できたり成長する環境を創っていく。 私はこれまで特に早い段階にある組織の組織づくりに関わってきたが、上記は組織づくりに通ずるところがある。個々の集団や強いリーダーが組織を引っ張っていく、ルール形成や組織としてどう力を発揮

        • インパクト投資と投資リターン

          IRRは、複利的な要素が入っているためタイムファクターの影響が大きい。これは投資してから回収までの期間が短ければ短いほど値が大きくなることになる。この前提としては、早く返ってくればお金を再投資に回せ、どんどん投資できるので経済的利益が最大化できるということがある。また、IRRだけみてしまうと、期中でも期末でもキャッシュフローがどのように返ってくるかは(上記のタイムファクター以外は)関係ないし、投資規模も関係ない。 IRRのような指標はプロジェクト全体の経済的利益を比較するの

        インパクト投資とマイルストーン投資

          心の声を聴く

          NYC在住のアーティストYagullのKanaが東京に来ており、昨年のイベント用のビデオ編集をしてくれた友人と一緒にランチをした。 印象に残ったのは、彼女のスランプ時の話。(特にクラシック業界ではよくある話だそうだが)とにかく先生からネガティブによく怒られていたらしい。そして散々練習してきたのに大事な受験の際に頭が真っ白になってピアノが弾けなかったとのことだった。 その後、新たについた先生から言われたのが、「あなたのピアノの音は、間違えないようにひこうとしている音に聞こえ

          心の声を聴く

          人に任せること

          人に任せるって難しい。正月休みに起業家の友人と会っていてそんな話になった。マネージャーと部下の関係でもこの問題はあると思うが、自分の会社となるとなおさらだと思う。人に任せて何かが起こると小さな企業だと会社の生き死にに関わる可能性だってなくはない。けど、一方で、delegationしていかないと、自分ができることだけだと限界がある。 年末からSapiensという本を読んでいるが、人が他の動物と決定的に違うのは抽象的な概念をコミュニケーションすることができ、それによって多くの人

          人に任せること

          合宿・オフサイト

          企業や組織で合宿やオフサイトを行うことがある。オフサイトとは通常の業務から離れた場所で長い時間を取り、日々の仕事より少し大きな目線でいろいろなことを話し合う機会を設けるために行われる。宿泊して1−2日がっつり行うこともあるし、トピックも組織のミッションのようなものから個人の考えまでさまざまがものが取り扱われる。 私が支援していた組織の管理職の方たちとオフサイトをしたことがある。この組織の場合は、組織は赤字になり社員が足りないという状況で、さまざまな業務が増える中日々の業務に

          合宿・オフサイト

          Being a Thinker

          どんな仕事を行うにしても第一歩は思考から始まる。メールを書くにも、契約書を作成するにも、MTGを行うのもまずはそれを行うと頭の中で考える。頭の中で考えたことを行動に移すだけにそのプロセスについて考えることは重要ではないかと思う。 例えば、客観性と主観性。良く客観的分析が重要ということも耳にするが、客観的分析だけではものごとは決まらない。もちろん、客観的にいろいろな要素を分析することは非常に重要なのだが、客観的分析を経た後に主観的に一方の立場をとったり何かを決めたりすることで

          Being a Thinker

          Authenticity

          昨年8月のとある日、スタンフォード大学院卒業生の3人によるソーシャル的な文脈から見たスタンフォードについての説明と、岐阜でNPOの事業継承を行なったという秋元氏を入れてのパネルトークに参加した。 一番記憶に残っているのはパネラーの一人だった立石さんが言われたAuthenticityという言葉。Stanfordの入学試験の一つあるエッセイには「What matters most to you」という設問があるそうだが、この問いかけを常に自分にしていくことで本当の意味でその人ら

          インパクト投資を経済的に成り立たせるためには

          最近考えていること。投資モデルとインパクト投資の関係。投資モデルは、規模の利益が成り立つ市場、大きな資金供給量があって成り立つモデルだなあと思う。これがインパクト投資でも成り立つのか。 今の構造だと経済的に成り立たない:規模が小さく、リターンが低いので従来のmanagement feeモデルが成り立たない。投資は、投資を行う人に依存し、レバレッジさせて一人当たり大きな金額を扱うモデル(知識集約型)。人がレバーとなっていることからいたずらに人を増やせない。インパクト投資を成り

          インパクト投資を経済的に成り立たせるためには

          インパクト投資のジレンマ

          先週、社会的投資を行っている投資先との定例会で今後どのようにインパクト/事業を拡大させていくべきかという話をした。 投資の活動自体は投資担当者など人が行うものであり、投資後の経営支援など一件の投資にかけるリソースが多くなればなるほど人への依存性は高まり”人”がボトルネックとなる。では、人を容易に増やせるかというとかけれる資金の問題であったり、能力を持った人を集めれるかという問題がありなかなか難しい。 一件の投資にかけるリソースをなるべく減らしたくさん数を打ち、その中で一件

          インパクト投資のジレンマ

          インパクト投資とロジックモデル

          インパクト投資の世界にロジックモデルという手法がある。私が大学院時代に学んだKellogg Foundationの資料がよくまとまっており、日本語だと日本財団が出している資料も分かりやすい。ロジックモデルでは組織の活動が影響を与える受益者ごとにInput, Activity, Output, Outcomeといった要素に分け、それらがどのように起こっていくのかをロジカルに捉え表していく。現在の活動や影響だけでなく未来におこるべくことも考えて表す。 インパクト評価という言葉が

          インパクト投資とロジックモデル

          チーム作り

          チーム作りは非常に難しいと思う。創業時の仲間から新たに人が入ってくるようなフェーズになると、必ずしも創業時の思いを100%ともにしている人たちでもなくベクトルを合わせていくのはとても困難で大変なことである。 私がこれまで支援してきた企業や団体でもそれぞれにチーム作りには苦労していた。急拡大したがために古いメンバーと新しいメンバーでの価値観の違いが現れたり、柔軟さをもたせてきたために統一されたルールがなく人によって解釈がかわりさまざまな確執が起きたこともある。また、経営側(特

          チーム作り

          合宿・オフサイト

          企業や組織で合宿やオフサイトを行うことがある。オフサイトとは通常の業務から離れた場所で長い時間を取り、日々の仕事より少し大きな目線でいろいろなことを話し合う機会を設けるために行われる。宿泊して1−2日がっつり行うこともあるし、トピックも組織のミッションのようなものから個人の考えまでさまざまがものが取り扱われる。 私が支援していた組織の管理職の方たちとオフサイトをしたことがある。この組織の場合は、組織は赤字になり社員が足りないという状況で、さまざまな業務が増える中日々の業務に

          合宿・オフサイト

          アーティストと起業家

          アーティストと起業家には共通する面が多くあると思う。特に強いパッションを基に何かを創り上げるという点は似ている。 私はYagullというアーティストを支援している。バークリー音楽院を首席で卒業しピアニストとギタリストのユニットで、二人はhug musicという音楽教室も経営している。彼女たちの持つ想いやビジョンの言語化を一緒に行った。ビジョンやコンセプトを言語化し、相手の持つintentionをクリアにしていく、また、そのために必要な道筋を考えるといったことは起業家支援と通

          アーティストと起業家

          経営支援

          投資後の経営支援のやり方にはいろいろな意見があると思う。スタートアップはリソースが乏しいし、仕組みもあまり整っていないというのが常である。いろいろな営業資料や社内規程を作ったりすることもあれば、組織作り、戦略、採用、といった大きな仕組みづくりの支援をすることもある。ただ、重要なのは真の課題を拾うことだと思う。本当の課題は表面には現れていないことが多い。それをを拾うためには、経営者との対話を重ね様々な課題を整理して本質的な問題がどこにあるかに気づき・気づいてもらうことが必要とな