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”思いつき”定義集Ⅱ㉕「に」

【二律背反(アンチノミー)】哲学・倫理学などによる説明もあるが、要するに「私は彼を愛しているがゆえにこそ憎む。彼も私を同じく愛しているくせに憎しみを隠し切れない。」それゆえに二人は結ばれたり結ばれなかったり――「ええ~?」という不思議。

【人相】人相で人を評価できるという人もいるが(経験的にも演繹的にも)それは嘘。そもそも人の経験や生き方、人柄などを外見で判断できると言う方が厚顔甚だしい。
 人は笑顔を絶やさずとも腹黒い策謀に心を配ることができる(例:一部の政治家)。暗澹たる表情を浮かべつつ笑いを堪えることもできる(例:異性へ媚びる人の一部)。嫌な人の人相は悪く、好ましい人の人相は良く見えるだけのこと。プーチンの人相は如何?

【忍耐】人間の属性のように思われている。確かに、肉体的苦痛・精神的苦痛・その両方、さまざまな例を想定することができるし免れるのは難しい。例えば、説教を垂れて有頂天になっている上司や教師の前で、うな垂れている振りをする時間(「いつ終わるんじゃ!」)。病院嫌いの人がやむを得ずワクチン接種に向かう時(「はぁ~」)。夫婦喧嘩に明け暮れる家庭の子どもの心情(「勘弁してくれや」)。などなど無限にあり得る話。
 ただ忍耐の経験が人を成長させるかは不明のまま。
◆推し文献:忍耐について想起されたのは、大野更沙『困ってる人』(ポプラ社、2011年)。わたしには耐えられないかも。

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