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”思いつき”定義集㉟「ま」

【マイノリティ】少数派を意味するので「弱者」を想起するのが一般的。間違いではないが正確でもない。確かに、いわゆる性的マイノリティ(LGBTQ etc.)や障害者、宗教的マイノリティなどは差別や迫害の歴史を持つし、今もその対象であり続けている。
 ただ、宗教的マイノリティによって統治される国家もあるし(かつてのイラク、現在のアサド政権下のシリア)、アメリカのようにマイノリティではあるが甚大な影響力を持つユダヤ・ロビーの存在も見逃せない。
 また、相対的な概念でもあって、例えば手話を駆使する聾者(ろうしゃ;聴覚障害)の会合では手話を使えない人はマイノリティとなり、孤立する恐れもある(これは松井彰彦・東大教授による指摘。『朝日新聞』のコラム欄だったと記憶する)。

【マジ】昭和風に言うと本気と書いてマジ。「マジやべぇ~このパフェ」など軽々しい感じのマジから、「この仕事マジで人生賭けてます」といった謹厳型までグラデーションに富む。言葉の軽重を測るのは意外と難しいもの。その一例となる言葉である。もとより場面によるが、軽々な会話も真剣な決意表明もマジで尊重したい。この「定義集」も“思いつき”ながらそれなりにマジ。グラデーションのどのあたりか。

【麻薬】やってはならないがアルコールと同様に絶対になくならない。「悪ははびこる」というのでは理路に欠ける。ではなぜか。需要と供給からなる市場原理が機能し続けるから。ではなぜ機能し続けるのか。利益を生みだすから(その付加価値はきわめて高い)。市場それ自体に倫理や正論は存在しない。麻薬について言えば売る側は買う側に配慮することはない。人身売買と同様である。
◆注:麻薬には多様な種類があり、法律で禁じられていない国もあれば、医療行為で必要な場合もある。ただし中毒症に陥れば抜け出すのは困難で身体への悪影響も確実、結果的に自分を犠牲に「悪」に加担することにもなる。麻薬になびく人には、いろんな意味での“つらさ”から抜け出すためもあるかもしれないが、思いとどまることの大切さも考えておきたい。

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