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”思いつき”定義集㉝「へ」

【平和】基本の「キ」は国家間戦争のない状態。概念として平和を規定するには古すぎるが、これさえ実現していないのが現今。これを消極的平和として積極的平和を唱えたのがヨハン・ガルトゥング。つまり、人びとが安全安心を得られない状況――貧困、差別、抑圧を克服してこその平和。首肯せざるを得ない。
 戦争のない豊かな社会に生まれても、例えばDVに脅かされている、あるいは引き込まざるを得ないほど痛みつけられた人にとって、戦争は埒外であれ生死の境界に置かれているかもしれない。少なくとも飢餓と貧困にあえぐ人びとがいる限り積極的平和はありえない。
◆推し文献:古いが今なお重要な文献として、ヨハン・ガルトゥング『構造的暴力と平和』(中央大学出版部、1991年)。最上敏樹『国境なき平和に』(みすず書房、2006年)。日本平和学会編『平和を考えるための100冊+α』(法律文化社、2014年)。専門的な分析にはSIPRI(ストックホルム国際平和研究所)のHPが役立つ。

【へぼ(ヘボ)】不器用でどんくさいこと。「ヘボかましやがって」と怒鳴られることもあるかもしれないが、全力で愛嬌を発揮すべし。ヘボばかりしていると、ちょっとしたことで評価が上がることもある。いや、思わぬところで大活躍することも。アインシュタインも、語弊を承知で言えば「パッとしない」子ども時代だったではないか。社会には必要な人材なのである。
◆注:いくつか別の意味もあれば使い方も一様ではない。

【偏屈】「人並み」から逸脱した“歪んだ”思考と態度の持ち主。たんなる頑固者が多いかもしれないが、ポジティヴに表現すれば「人並み」では収まりたくない野心家かもしれない。確かに「人並み」には「みんなと同じ」に満足して多数派へ靡く(なびく)だけの、個性や異論を排除する風潮を助長する危険性もある。どこかひねくれている人もいてこその多様性である。それを受容できる寛容さも。
◆注:リスキーシフトには要注意!


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