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”思いつき”定義集㊵「よ」

【要領】人の素行をめぐって使われる場合、意味合いには両面がある。要領の良い人と悪い人。それぞれに両義的でもある。
 例えば「要領よく(きっちり)仕事をこなすが評価されない人」もいれば「要領よく出世するが仕事はさほどではない人」もいる。前者は尊敬されるかもしれないが後者はやっかみの種となる(その逆もある)。また「どんくさくて要領の悪いヤツだが憎めない」というパターンもあれば「要領の悪いヤツ!」と詰られる人もいる。実際はもっと複雑怪奇だろうが、要領よく生きるべきかどうかの心持ちは大切に留めておきたい。個人的には「要領は悪いが真摯である人」を信用する。

【よそ者】外人、異教徒、外様など、類称がある。総じて好ましからざる人物を表現する「仲間内」の表現。今なお健在で「村八分」が死語になる日は遠い。
 例えば、メディアでは「田舎暮らし」「地方移住」を推奨する向きもあるが、その成功例だけが宣伝されている可能性もある。それらが移住者にとってプラスになっていれば申し分ない。そうした暮らしを満喫すべき。
 ただ、よそ者を排除したがる人もいる。見聞としては男の老人で教師経験者が多い。こんな実例がある。
 ――「オレは○○小学校の校長だった××だ」(心中では「だから?」)。
 ――「(だから)あんたは町内会に入って仕事するのが当たり前やろ」(「意味不明やな? お前がボス気取りの町内会に入れって? そりゃ無理やろ!」)
 望むべくもないが不愉快をまき散らしている自覚は欲しい。が、かつての教え子たちはもっとかわいそうか。
 あるいは、地方特有の“再生”をめぐる自治会の会合でのこと。(意見を求められたのに)「あんた、よそ者やろ。何がわかるんや」。なので何も言えない――よそ者なので。といったこともある。
 「老害」は排除の言動によって顕在化する。


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