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人類の誕生と現代人 Vol.01

今より約40万年ほど前、一部の旧人類に『それ』が起こりました。自我の目覚めです。それまで右脳中心に生きていたと思われる人類、その左脳に急激な進化が起きたということ。

例えるなら旧約聖書に記される『知恵の樹の実』の話。

エデンの園の中央部にあった2本の木のうちの一つ。もう一つは生命の樹。知恵の樹の実を食べると、神と等しき善悪の知識を得るとされる。

知恵の樹 wikipedia

まるでスマホが人知れずアップデートするように、ごく自然な働きによって誕生したはじまりの人々を、ここでは仮に『アベルの一族』と呼びます。

アベルの一族は、黒い肌で手と足が長く精神的に幼さが見受けられました、『心ここにあらず』といった感じだったのです。これは善し悪しを言っているのではありません。ただ自然にそうであったというだけ。

さらに時は流れ、今より約30万年ほど前、別の旧人類に目覚めのアップデートが起こります、その人々を『Dの一族』と呼びます。Dの一族は、もとより高い精神性を有し、黄色(こがねいろ)で透き通った肌、黒く見える髪と黄金色の瞳をした和を尊ぶ『心穏やかな』人々でした。

繰り返しますが、善し悪しを言っているのではなく、ただ自然にはじめからそうだったというだけ。折しも別の経緯で誕生したアベルの一族とDの一族は、やがて長い年月をかけ大陸の東西から互いに移動しついに出会いひとつになってゆきました。

そうして誕生したのが『カインの一族』です。カインの一族は、世界中に広く分布しその地域の風土に合わせて肌や髪や目の色が変容(黒・白)していきます。

アベルの一族とDの一族のハイブリッドであるカインの一族は、心ない人々であり、目に見える物のみを信じる人々でした。
目に見える物、つまり土地、地位、お金、容姿などです。

カインの人々は自然との調和を軽んじ、自然の摂理に反し「産めや殖やせや」で、爆発的に増えやがてアベルの人々と完全に一つになりました。

最終的にDの一族とも一つとなり、すべての一族との混血である我々現代人となっていきます。その後ますます栄え増え続ける人類、愚かにも心なく競い争うことばかり、そしてついにその時がやって来ました。

最後にもう一度繰り返しになりますが、心無い人々というのは一概に良くない人たちというわけではありません。この世界のサイクルの必然として一旦その筋道を辿る必要があるというだけのことだったのです。

おことわり

このお話は、フィクションであり、ファンタジーであることをあらかじめお断りいたします。登場する名称等、実在する名称等とは無関係であることを御理解のほどよろしくお願いいたします。

この度の連載「昴の心臓さざれ石」は、人類の始まり文明の勃興をなぞらえることにより、今の世の成り立ちの経緯を、できうる限り簡潔に表現することを試みたものです。

読むうちに、今の世がいかに分断や競争の世となっているのか、この世界の仕来たりに基づいた流転によるものであることが、紐解かれていきます。

これまで人生が生きづらく苦しいものであったと感じる人ほど、成り立ちや仕組みを理解することによって、実体験から腑に落ちてその心が軽やかとなると信じるものです。

分かればあとは簡単、毎日を楽しく自分らしく生きればよいとなるから。

「踊る阿呆にみる阿呆 同じ阿呆なら踊らにゃ損々♪」

お読みいただいた皆様の一助となれたなら幸いです。

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