見出し画像

老人ホームにとうとうコロナがやってきたよ(初日編)①

なるべくネガティブにならないように頑張って伝えたいと思います。
#この記事だけで2800文字あります

▼音声で聞きたい方はこちら

この記事を投稿した時は老人ホーム内でのコロナは終息が見えています。
#トンネルの出口は明るそうだ

【経緯】
2月2日
15:00 入居者Aさんが38度の熱がでた。個室隔離開始。

2月3日
9:00 後方病院へ報告。抗原検査実施の指示。
10:00 入居者Aさんの抗原検査実施し「陽性」判定。老人ホーム内(24名:3ユニット)全て隔離。
11:00 保健所報告。保健所は感染拡大により施設に来れず。対応は施設の判断に任せる(感染経路特定のため職員全員検査。悪く捉えると犯人探し。でもこれやらないと現状把握できない)。
14:00~18:00 入居者24名、職員19名全員抗原検査実施。入居者24名は「陰性」。職員18名「陰性」。職員1名(Bさん)「陽性」無症状。

2月4日 保健所から職員Bさん宛に医療機関でPCR検査実施するよう連絡あり。

2月5日 職員BさんのPCR検査結果「陽性」

2月4日~8日 入居者3名発熱。3名全て抗原検査「陰性」

2月6日 職員Cさん鼻声。出勤したがすぐに帰宅。保健所連絡し翌日に医療機関へ相談するよう指示あった

2月7日 職員Cさんが医療機関でPCR検査実施

2月8日 職員Cさん「陽性」

2月10日〜12日 職員B. Cさん以外の職員のPCR検査検体採取。PCR検査は役所からスクーリング検査用としていたものを使用。

2月12日 検体を郵送

2月13日 職員B.Cさん以外の職員全員PCR検査「陰性」


抗原検査は8分ほどで結果がわかります。
※抗原検査キットは2021年に役所から無料提供してもらったものを使用

検査室としていた部屋から職員Bさんの「うそ!まじで!ああー」と大きな声が聞こえました。この時、僕は検査室近くで施設長と今後について打ち合わせ中でしたが、「ああ、陽性だったんだな」と感づきました。
※職員Bさんは遊びにいく、飲み歩きにいくタイプではありません。感染経路は不明です。

全ての職員の検査が終わっても職員Bさんは検査室から出てこず。検査を担当していた看護師さんから「どうしましょう。かなりショックらしくて」

検査室に入ると部屋の奥でうずくまっている職員Bさん。

※注意:僕は中学、高校とハンドボール部でゴリゴリの体育会系です。職員Bさんは男性です。
#1つでも年が上なら神様

職員Bさん「ごめんなさい。陽性でした。ごめんなさい」と泣き崩れている。
僕「まあ、仕方ないよ」
職員Bさん「本当にごめんなさい」
僕「まあ、立って」
職員Bさん 立ち上がれず
僕「ほら、立てー!」首根っこを捕まえて立ち上がらせる
職員Bさん 泣きながらなんとか立ち上がる「すみません」繰り返す
僕「これはな、事故みたいなもんなんだ!自分が信号を無視して起こした事故じゃなくて、赤信号で止まっていたところを後ろから追突された事故だ。ルール守っても事故は起きるんだ!泣いてたってしょうがないだろ!あとはなんとかしてやる!任せておけ!ゆっくり休んでおけ!今までお前は頑張ってたから休日というボーナスをやる!ほら見ろ!みんななんて言ってる?」
職員さん達「Bさんは悪くないよ。誰にでも起こること。あとは私達に任せてゆっくり休んで」
職員Bさん「ごめんなさい」
僕「なんとか車運転して帰れるな?」
職員Bさん「はい」

短気な僕ですが、あまり大きな声で、ましてや怒ることなんてほぼない僕がここまで大きな声で言ったのはかなり珍しいのでみんな驚いていただろうなあ。
#きっとパワハラで訴えられます
#誰か雇ってください

職員Bさんを怒鳴りつけて帰したところで、決めてことは2つ。

①やってはいけないことは何か。それをやらない。
②僕が一番忙しくなると決める。そして誰よりも考えて行動する。

職員Bさんを起点に誰がどこで何を(接触していた)していたかを「行動履歴ノート(毎日誰にどんなケアを何分したか記載)」で確認。

入居者Aさんは○ユニット。職員Bさんは△ユニット。

1/31.2/1に職員Bさんは入居者Aさんの朝食食事介助をしていた。
※ユニットケアの基本は職員の固定

正攻法は「陽性者と濃厚接触者となった人だけ検査を行う」かなと思いますが、職員Bさんは「無症状」。
他の職員も「無症状」なのかもしれない⁈
結果「全員抗原検査」しました。
2/3時点での【事実】をまずは把握した方がいいと施設長、看護師、僕で判断しました。

2/3時点の抗原検査で漏れてしまうのは入居者Aさんと職員Bさんと2/3直前で接触していた人です。
※オミクロン株の潜伏期間は3日〜5日間
こればっかりは症状が出た度に検査するしかありません。

施設全体のゾーニング(テープで非清潔区域と清潔区域を分ける)
赤:非清潔区域(ウイルスがそこにいるよ)
橙:中間区域(感染対策防備を脱着する)
緑:清潔区域(ウイルスはそこにはいないよ)

【装備】
○ユニット(非清潔区域)職員:キャップ、プラスチック手袋、ガウン、フェイスシールド、二重マスク
入居者Aさん:部屋に入る前に新しい装備装着。ケア終わり部屋から出る時に部屋の中にあるゴミ箱に装備を捨てる。部屋から出でたら部屋の外の置いてある綺麗な装備を装着

△□ユニット(清潔区域)職員:プラスチック手袋、ガウン、フェイスシールド、二重マスク

職員Bさん以外が陽性になった時に入居者さんにうつさないようと入居者さんから職員さんがうつされないようにするため、全職員装備すると決めました。

次は○ユニットに入る職員を固定するために勤務変更。休みで予定あった人もいたでしょう。
みんなの協力のおかげで「なんとか」ユニット固定できました。

日中1ユニットに職員1人しかいなくて休憩をとりにくいでしょう。
他ユニットが2人いて羨ましく見えることもあるでしょう(隣の芝はめちゃんこ青く見える)。

この時点での目標を【○ユニットで感染を抑え込む】としました。

みんなには「細かくルールは決めきれません。迷ったらこの目標を達成するためには⁇と考えて行動してください」と伝えました。
僕への報告は事後でもOKです。
みんなの行動を支持しますと伝えました。

「新形コロナウイルス発生届」入居者Aさん、職員Bさん分を記入し後方病院へFAX。

入居者のご家族(身元引受人)は非清潔区域の家族にだけ連絡すると決めました。
入居者全員のご家族に電話をするが一番丁寧かと思います。ただ、電話出なかった時のコールバック応対や必要以上に心配して説明する時間を費やしすぎてしまうと「やらなければならない」ことができなくなってしまいます。

建物修理を依頼していた業者、定期的に往診してくれている歯医者、定期受診先の医療機関、職員のワクチン接種(3回目)のスケジュール調整などなどなど。思いつく先へ事情説明の電話をしまくりました。
#みんな優しくて
#大変だけどがんばってねと励ましてくれた
#泣くー

ダーっと書いたので読みにくくなってごめんなさい。

次回へ続きます


この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?