見出し画像

蜂蜜と遠雷

恩田陸   幻冬舎

本屋大賞など各賞を受けており、マンガや映画化もされている作品なので、ご存知の方も多いと思われます。

ピアノコンクールを舞台にした物語、栄伝亜矢を中心に風間塵などを据え物語が進行していく、母親の死を境にピアノから離れていた亜矢、成り行きで復帰する事になるが、復帰にあたり不安が心を大きく占める。そこに現れたのがパリの予選会で出会う型破りな天才「塵」、彼と出会う事により本来自分が持っていたものとこれから目指すものが鮮明になり、覚醒していくと言うストーリーである。
ピアノの曲を文字で表現し、しかも文字であるにも関わらず曲が聞こえてくるほどに、広がりを感じさせ、曲と同調する形でクライマックスを描いている。
この技術には驚かされた。
個人的には、物語は亜矢がコンクールの優勝候補である幼馴染と偶然出会い、前向きに物事を捉えだす所がクライマックスでその後は、尻すぼみに感じた。
物語の後半にもう少し盛り上がりがあると読んだ後の余韻も強かったのかな?と思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?