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【百年ニュース】1921(大正10)4月6日(水) 枢密院が勲記への大正天皇の自筆署名の負担軽減を決定。従来は三等以上のところ二等以上に変更。勲記とは勲章とともに受賞者に授与する証書で国璽押印のほか,上位者には天皇が署名する。近年有勲者が増加し天皇への業務負荷が増大,宮内省が問題視していた。

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枢密院会議に出席す。陛下ご親署,近年あまりに多数につき,勲記これまで三等以上ご親署のところ,二等以上に改正の件,公式令改正可決その他2件決議したり。午後腰越別荘に赴く。

原奎一郎編『原敬日記 第五巻 首相時代』福村出版,1981年,370頁

実は現代においても、天皇陛下の御署名と御押印は大きな負担になっていると認識されています。

2017(平成29)年4月21日に公表された「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議最終報告」によれば、天皇の国事行為のひとつである御署名と御押印は、昭和天皇が83歳だった1983(昭和58)年で1,034件、前天皇、明仁上皇が57歳だった1991(平成3)に1,105件、83歳だった2015(平成27)には1,009件ありました。現在も年間1,000件以上あるものと思われます。

地方訪問中や静養中でも書類が届けられ、御署名と御押印されるため、基本的に完全な休日はほとんどないのが実態です。明仁上皇陛下が周囲に「生前退位」の意向を示した背景にはこのような多忙を極める日常がありました。

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