見出し画像

【百年ニュース】1920(大正9)6月24日(木)ルーマニア皇太子カロル親王に大勲位菊花大綬章が贈進される。皇太子裕仁親王が病気の大正天皇の代わり贈呈。皇太子は4月14日の英国大使信任状捧呈式以降代理公務が増えていった。菊花大綬章は最高位である菊花章頸飾に次ぐ勲章。

画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

「24日木曜日午前9時30分御出門、御参内になる。10時30分、鳳凰ノ間にお出ましになり、ルーマニア国皇太子カロル親王と御対面になる。

まずカロル親王より使命の言上をお聞きになり、ついでルーマニア国皇帝より天皇へ御贈進の親書並びにカロル第一世勲章及び頸飾、皇太子へ御贈進の同勲章の大綬章を受領され、答辞を述べられる。

終わってカロル親王は御休所の西一ノ間に、皇太子は葡萄ノ間に退出する。

ついでカロル親王は再び鳳凰ノ間に参進し、皇后に御対面になり、ルーマニア国皇后より御贈進のレジナ・マリア勲章を捧呈する。

次に皇太子はルーマニア国勲章御佩用にて西一ノ間にお出ましになり、カロル親王を桐ノ間に誘導され、同所にお待ち受けの皇后と暫時御三方にて御談話になる。

ついで親王より随員の紹介を受けられた後、親王の退出を御車寄階上まで見送られ、続いて東宮御所へ御帰還になる。

午後2時10分御出門、カロル親王を御答訪のため霞関離宮に行啓される。

カロル親王に答訪の辞を述べられ、天皇より親王へ御贈進の大勲位菊花大綬章を呈される。

2時45分離宮を御出門、御帰還になる。

なお今回のルーマニア国皇帝からの勲章御贈進に対しては、天皇・皇太子より同国皇帝へ、皇后よりは同国皇后へ、それぞれ礼電の御発送あり。

午後6時10分御出門、カロル親王と晩餐を御会食のため御参内になる。親王の参内を御車寄階上で出迎えられ、千種ノ間に御誘導になる。

千種ノ間入り口でお待ち受けの皇后と御一緒に室内へ入られ、貞愛親王・載仁親王・依仁親王・同妃周子・博義王妃朝子・武王・邦彦王・同妃兜子・守正王・同妃伊都子・鳩彦王・同妃允子内親王・成久王・同妃房子内親王・王世子李垠・同妃方子女王を御紹介になる。

それより豊明殿にお出ましになり、皇后・カロル親王及び皇族・王族と晩餐を御会食になる。

ルーマニア国皇太子随員、在本邦オランダ国特命全権公使・同夫人、大勲位元帥海軍大将伯爵東郷平八郎・内閣総理大臣原敬以下諸員が陪食する。

終わって皇后・カロル親王と共に正殿に移られ、一同と舞楽を御覧になる。

終了後東溜ノ間において御夜食を召され、千種ノ間において御対話になる。

10時16分、カロル親王退出につき、御車寄階上よりお見送りになり、続いて宮城を御退出になる。(昭和天皇実録)」

皇太子裕仁親王4


よろしければサポートをお願いします。100円、500円、1,000円、任意のなかからお選び頂けます。いただいたお金は全額、100年前の研究のための書籍購入に使わせていただきます。サポートはnoteにユーザー登録していない方でも可能です。ありがとうございます。