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ケアマネの仕事って? その4

ケアマネの仕事って?その1を書いて1週間近く経ってしまいました。
ケアマネの一日の業務を振り返ってみようと書き出したのに、文章を書く能力があまりにも低すぎて困ってしまいます…。

さて、その1とその2で利用者様宅を2件訪問し、その3で認定調査について書きました。その4ではサービス担当者会議について書きたいと思います。

サービス担当者会議って何?

そもそもサービス担当者会議が何なのか一般の方にはわかりにくいと思います。リンク張っておきましたので詳しく調べたい方は見てください。(株式会社マイナビ 介護のみらいラボより)

サービス担当者会議はひとことで言えば、利用者様にかかわる全員が集まって、情報共有をしたり、問題提起をしたり、ケアプランを立てる際の参考にするための会議です。在宅介護のかなめであるケアマネが司会を務め、根回しから時間配分などをコントロールして短時間でより効果的な会議にすることが求められます。地域によって、「サ坦」(さたん)と言ったり「担会」(たんかい)と言ったりするようです。私の地域では担会でしたね。

利用者Aさんのケースを検討する

今回は利用者Aさん(女性78歳 要介護2)宅にお邪魔して行います。利用者様宅で行うことが一番多いかと思います。
今回の担当者会議はAさんがデイサービスから帰ってくる時間を見計らって行います。
16時開催予定ですがケアマネは早めに訪問し、まだデイサービスから帰ってきていない間に、ご家族に最近の様子を伺ったり、困っている点に変わりがないかな確認しておきます。大体少し早めに各事業所の方も来てくださることが多いので、名刺交換をしたり、雑談したり、Aさんの情報共有をしておきます。16:05になってデイサービスの相談員の方と一緒に帰ってこられました。

今回の参加者は、Aさん、Aさんの長男の妻、デイサービスの相談員、ヘルパーのサービス担当責任者(業界ではサ責ということが多いです)、訪問看護ステーション所属の理学療法士(業界ではPTと言います)、福祉用具専門員です。
主治医は忙しいため参加できないので、事前に文書において暫定のケアプランを提案して意見を求め、その意見を会議の場で共有します。

サービス担当者会議(以下、坦会)を行うタイミング

は以下の通り

  1. ケアプランの作成時

  2. ケアプランの変更時

  3. 何らかのトラブル発生時

  4. 介護認定の更新時

時間は決まっていませんが、皆さん忙しいのでどれだけ長くても1時間以内には終わるように設定します。内容にもよりますが無駄に長い会議になるとケアマネの評価が下がります。

参加者はみな、Aさんのことをよく知っており、ついついいろんなことを話したくなりますが、そこはぐっとこらえてもらって必要最低限の話だけをしなければなりません。

担当者会議あるある

担当者会議あるあるとしては、ついつい話が脱線(もちろんAさんのことですが)して、気が付いたら1時間以上経っているなんてこともあるので注意が必要です。参加者が多くなるにつれ、この傾向があります。ケアマネは時短できる工夫をしておかないと忙しい参加者の時間を総合計して数十分とか時には1時間2時間を奪うことになります。

あと、あるあるなのは、4人を超える当たりからテーブルで話すことができなくなり、床に座ることになるのですが、一つの部屋に入りきらないとか、頑張って最初に正座をしていて後で足が痺れて立てないなんてことになります。私は、後のことを考えて最初からシレっとさりげなく断って胡坐をかかせてもらいます。一つの部屋に入れなくなると会話のまとまりも少しなくなってしまいます。

内容によってはどうしても利用者様本人がいない状況の方がより突っ込んだ話ができる場合もあるので、その場合も家族や参加者の同意を得ながら、本人不在で行うこともあります。原則的には、ご本人の意見を確認したり希望を聞きながら行います。

パーキンソン病のケースについて話し合い、プラン内容を変更する

Aさんの場合、一人暮らし、パーキンソン病の中期で、自宅内での転倒リスクが増えてきていること、お薬があまり効かないときは日常生活に支障が出てきており排泄も間に合わなかったり失敗することなどあります。

また薬の副作用か現実と夢が混ざることがあるようで、実際にはないことを現実に起こったことのように言われることが出てきました。そのことでお嫁様と少し言い合いになってしまっているようです。

今回はAさんの要介護度1だったところを区分変更(介護度の見直し)をして1ランク上の要介護度2に変更になりました。区分支給限度額(介護保険はひと月単位の点数制で、介護度によって上限がちがう。要介護度5が最もたくさん単位を使用できる)が少し増えることもあり、ケアプランの見直しを行うことにした、それに伴う担会です。

自宅での見守りを増やす必要性が出てきたため、近所に住む長男家族には毎週末(土日)と平日の夜間の安否確認をお願いすることになりました。

ヘルパーも週2回生活援助だったのが3回に、デイサービスは2回のまま(月曜日、木曜日)で入浴も継続して入れてもらいます。訪問看護ステーションによるリハビリは変更なく週に一回。PTの先生から、本人に向けてのリハビリの説明とデイサービス職員にもデイサービス中、本人主体でリハビリ(歩行訓練)を行う際に見守りと付き添いをして貰うよう指導をお願いする。

失禁回数が増えているので、ご本人了解の元、以後はリハビリパンツを使用することとなる。ゴミ出しは今まで何とかご本人が行っていたが、今後は転倒による骨折を避けるため、ご家族にしていただくこととなる。

福祉用具に関しては歩行器をタイヤが付いているタイプから四本足のしっかり着地した際に固定できるタイプへと変更する。デモ機(お試し用)を持ってきてもらっているのでAさんに試してもらい、少し重いが何とか持ち上げたり下したりが出来そうなので、そちらに変更することとなる。

ベッドのある部屋からトイレまでにごく小さい段差があり危険であるので、早急に住宅改修をしてもらい段差解消してもらうことになる。トイレ内にレンタル用の手すりを一本増やすかという意見も出たが、断裁解消の工事と同じタイミングでトイレ内にも手すりをつけてもらうことになる。玄関の上がり框(かまち)の段差も固定式の踏み台を設置してもらい、前に付けておいた手すりを使用して安全に上り下りしてもらうようにした。

今後の課題として、年末年始ヘルパーが入れなくなる際や、息子さん家族の負担が増えることを考えたら、年末年始だけショートステイを利用した方が良いか、本人と長男家族で検討してもらうこととなる。もし利用するのであれば今後のことも考えて、ショートステイ先をいくつか検討したのち、一泊か二泊をお試し利用しておいた方が良いのではと提案する。

そんなこんなを話しているともうすぐで1時間が過ぎようとしている!

大慌てで話を締めくくるよう持って行き、最後にAさんとお嫁さんの感想を伺う。大まかにはお任せしますということになり、各自に課せられたAさんの課題を持ち帰ることになる。

と、まぁ、こんな感じでサービス担当者会議が終わります。

ケアマネージャーは慣れているとは言え、司会で緊張していることもあり、いつもより少し疲れてしまいます。

事務所に帰って、作成していたケアプランをパソコンで手直ししたり、会議の記録を入力したりします。あっという間に1時間ぐらいが済んでしまいます。

気が付いたら就業時間貞二の18時は5分すぎている。残業しようか迷うが敢えて今日は早めに帰って自宅でゆっくり疲れを取った方が良いと思い、半ば強引に切り上げて帰ります。

記録物が多いケアマネージャーの仕事はかなりパソコンを触ることが多いです。文字入力が遅いと結構時間をロスすることになるので個人的にはブラインドタッチで文字入力できる程度は必要かと思います。(実際には出来ない方多いですが)


今回ここでは詳しく書ききれませんでしたがケアマネージャーの仕事としての大変さは他にも有ります。
新規の相談を受けた時だったり、介護保険のレセプト業務(国保連といわれるところに請求して、各事業所と自事業所にお金が入ってくるようにすること)が面倒だったりするので、「ケアマネの仕事って?その1~4」ですべて書ききれたわけではありません。

でも何となくイメージしてもらえたのではないでしょうか。

ケアマネの仕事がストレス溜まるかと尋ねられたら、私個人的には純粋なケアマネ業務にはそれほどストレスは溜まらないと思いながら仕事をしていました。

ただ会社組織として、データを出せとか、法人としてこういう風にしろと言われることが面倒でしたね。

長い長い記事に最後までお付き合いくださりありがとうございます。
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ケアマネ業務のこと書いてたらケアマネージャーの仕事も悪くないかな…なんて一瞬思ったりもしましたけど、やっぱりもういいです。十分やったかな?

制度がコロコロ変わるから定期的にお勉強しないといけないし、5年おきに研修受けるのにお金と時間をそこそこ使わないといけないのが面倒だったりします。

読者の方がケアマネージャーが必要になった際に、相性的に合うケアマネージャーに出会えることが1番だと思います。良いケアマネと出会えるといいですね。

それでは、また。


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