FTMゲイはLGBTのTが解決してもGになる

この記事を備忘録的に書いていて、思いの外、心のモヤモヤが書けなかったなーと考えていた。

面接の時、モヤモヤしたことを思い出した。トランスジェンダーと言い切れないことがきつかったんだ。

↑の記事でも面接官に「私はトランスジェンダーっぽい人なので…」と伝えている。トランスジェンダーには見えないもんなーと自分で思っているからだ。もちろん、一つには、外見が完全な女性であることは大きい。けれど、もう一つ大きな障壁は、男性と結婚していることだ。

いわゆる女性から男性に移行したトランスジェンダーって、恋愛対象が女性で、戸籍変更をして、女性と結婚したいと思ってる生き物ってイメージないだろうか?
トランスジェンダーを説明する中で「ええ、男が好きなのに、男になりたいの??手術とか男性ホルモン入れてもないのに??ええ?それって、女性じゃん。大丈夫、君は女性だよ、オレ(私)が保証する☆」的なことも言われたこともある。乾いた笑いをするしかないのだが。

トランスジェンダーとは言えないと、私自身もずっと思っていた。それもあって、トランスジェンダーと明言することができない。

そして、そこが、私が性別を移行できない最大の理由でもあるんだな、と、気がついてしまった。

完全な男性として生きることもできたとしよう。けれど、そうなったら、私は今度はゲイになってしまう。これは偏見だと思うのだが、私の中で、トランスジェンダーは、まだマシなのだ。だって、戸籍を変える権利が与えられ、法的、社会的にその存在がまだ容認されている。

しかし、ゲイは?わざわざ社会的に容認されている性同一性障害者ではなく、個人の趣味嗜好と思われているゲイになるということは、バッシングの対象となりえるのではないか?と。私は、それを恐れている。

自分を男性だと思ってきたが、たぶん、自分をゲイだとはずっと否定し続けてきた気がする。ゲイだと思われるくらいなら、女でいい、と。

先日、NHKで、元女性の夫と妻が、夫の親友のゲイ男性から精子提供を受け、子供をもうけ、子育てをするドキュメンタリー番組「カラフルファミリー」が放送された。

その中で夫が「ゲイの男性から精子提供がよかった。自分はストレートの男性には嫉妬しまうから」という趣旨の話をしているのを見て、
ああ、私は、ゲイ男性に嫉妬をしているんだと気がついた。

もちろん、ゲイよりも私のほうが恵まれている部分もある。社会的に容認されて、男性と恋愛も結婚もできる。けれど、ゲイたちは、私はどんなに望んでもかなわない男として、男を愛することができることに、強烈な劣等感を持っている。そして、何よりも、「オレはゲイとは違う」という、強烈なゲイフォビアを持っていたように思う。

性自認を自覚する中で、性自認のずれをずっと拒絶し続けてきたのは、自分の中に眠る強烈なゲイフォビアのせいだったと今思い至っている。

もし、社会的にゲイが容認されていたら。もしゲイが結婚して子供を持つことができたら。私は自分の性自認に蓋をすることなく、もっとストレートに生きれたかもしれない。

私が勝ち取るべきは、同性婚など、同性愛者の権利向上なのかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?