見出し画像

久しぶりにお絵描きしたよ

久々に絵を描いた。
どのくらい久々かっていうと中学時代の美術の授業以来。落書きレベルじゃなくてちゃんと絵を描こうって思って描くやつ。
美術の成績は3だったね。たぶんロクに授業を聞かずにギターの楽譜ばかり眺めていたのが悪い。

小学5年生の時に市の絵画コンクールで特別賞をとった。描いたのは町に唯一ある交差点の絵。描かれた電柱はのびたうどんみたいに曲がっていて、民家の屋根は溶かしたジャムのようにのっぺりしていて、青いはずの空はまるで下ごしらえを怠った煮物みたいに黒いなにかがまじっていた。
特別賞に選ばれたおよそ十点ほどの作品のなかで誰よりもヘタクソな絵は、「ショーコーカイギショカイトーショー」というプレートとともに仰々しいガラス張りの部屋に閉じ込められていた。

今日は朝から燦々と太陽が照りつけていていい天気だったね。最近隣人が引っ越したおかげで、気兼ねなくベランダで日向ぼっこができる。
外から部屋の中をふと見ると、壁に立てかけられたA3サイズのスケッチブックとネットで買ったアクリル絵の具が目に入った。手に取ると外からの風が気持ちよく入ってくる。久しぶりに絵を描いてみようと思った。
部屋に転がっていたペットボトルと段ボールを切って水入れとパレットの完成。こんなお日柄に相応しい黄緑を勢いよく紙に落とす。

理論など知らない。とにかく描いていく。途中にコーヒーをはさみながら思いのままに描いていく。
音楽を動の集中とするなら、絵は静の集中であると思った。ゾーンの入り方に違いがあってとても探求しがいがある。
何より月曜の昼間っから自分の好きなように表現を楽しむことができる僕の生活は幸福だなぁとマグカップを傾けながら遠く空を眺めた。

描いたのはフロム猫ミーム、ハッピハッピハッピーの猫ちゃんだ。僕は猫ミームがかなり好きである。だって猫かわいいじゃん。かなり気に入ってコンテンツを楽しんでいたが、若いカップルアカウントや謎のインフルエンサーによる絶望的なムービーのせいで、シュプリームのパーカーやアディダスのサンバもびっくりの速度でオワコン化していった。
そんな猫ちゃんを絵で供養するつもりで描いた。毛の色はかわいいから極彩色にしようかと思っていたけど、描いている時にたまたまチョコレートを食べていたので茶色三色にした。一瞬だけど世界中のネットミームを支配した猫ちゃんは地球を食べている。

あとは今年の冬一番悲しかった思い出を描いた。
自分が大切にしていたものがいくつも折れてしまった出来事。成長の糧にしたいと前を見ることにしたが、今はまだその思い出から目を逸らしてしまう。投げ捨てられた想いは、いつかもっと遠いところまで飛んでいけるような翼になるといいな。

結局深夜まで描き続け、6時間ほどかけて完成した。元々すごく飽き性なんだけど、今日のうちに描き切れてよかった。あまり繊細な作業は得意ではないので、大きな紙に描いて正解だったね。
技術的なことは描いていけばそのうち上手くなっていくだろうからあまり心配してないよ。書き出すまでが大変だけどたまにはジャンジャン描こう。

描き終えるとドッと疲れがきたので吸い込まれるようにベッドに潜り込む。今晩はよく眠れそう。猫ちゃんは作業机の上でおやすみ。

絵って楽しいかも!


読んでくれてありがとう!
ハートボタンをタップしてくれるとソルジャーが喜びます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?