見出し画像

出世する人 しない人

はじめに

親方になって7年が経つ。
雇われ時代から育成係をしていたこともあり、指導する立場はもう10年以上やっている。
その中で出世する人と、しない人には徹底的な違いがある。
今日はそんなお話を書く。

昇給表について

弊社には昇給表なるものが存在する。
このスキルをこれくらいできるようになったら給料いくらアップしますよ!的なやつです。
詳しい話は施工管理チャンネルさんのYouTubeでもお話ししているのでそこを参照。

昇給項目は8項目あり、それを1つ取るごとに日当で1000円昇給する。
これは目指す方向の目線を絞ることを目的にしている。
評価基準は0〜5の6段階で評価し、4以上で昇給する。
項目の中には職人のスキルと、コミュニケーションのスキルの大きく分けて2つの項目に別れている。
職人気質でただただ技術の向上を目指す人は職人スキルを
人と話すのが好きな外交的な人にはコミュニケーションのスキルを
それぞれ先に取るように促します。

なるべくその人が向いていそうな項目を先に取らせます。
得意じゃないことは仲間に補ってもらいながら仕事を進めよう!というのが僕の考えです。

正直親方の立場からするとこんなものはない方がいい。
従業員がスキルを覚えてどんどん昇給してしまうと、常用で仕事をしている場合は会社の取り分が無くなるからだ。
勿論請けだけをやるなら別。

昇給のポイントなんて気づかせないようにし、働かせるだけ働かせて常用でも稼げるぜ!ってすることは簡単だ。
安い給料のまま昇給させないで飼い殺しみたいなことをするのも親方次第ということ。

ただ僕の思想には合わない。
目標があり、そこを目指して努力をすればステップアップできるし、昇給もする。という世界観の方が僕には合っている。
ほとんどの人が、何をどれくらい頑張ったらいいのか分からない。
なんとなく大人になり、なんとなく働いている人も沢山いるのだ。
その中で、道筋(導線)をある程度作ってくれた方が進みやすい人も少なくない。
その導線を作るのも人を育てる上では大切なことだと僕は思う。

トレードオフの考え

トレードオフとは「両立できない関係性」を示す言葉。
言い換えると、一方を尊重すればもう一方が成り立たない状態のことだ。
つまり、2つ以上の欲求を同時に満たせない、精神的なジレンマを抱えた状況のことを指す。

何かを得るためには何かを差し出さなければならない。

スキルを上げるには時間がかかる。
簡単にはスキルは上がらない。
かといって時間外に練習しろとは言えない。
そこには対価が必要だ。
8時からの仕事は8時に間に合ってればいい。
早く来いとは言えない。
現場には車でしか行けないから事務所に7時に集合だ。
早く集合の場合は前残業にするか、早上がりだ。
ここには雇用されてる人を守る労働基準法がある。
これはこれで良い法律。ブラック企業を減らせる。

ただ、それを丸っと全て守ろうとすると、出世をブーストすることは不可能だ。

雇われ時代に

僕は職人として働き出した頃、入社時から独立志望であった。
5年で独立しようと考えていたが結局、約10年ほど在籍していた。

同期には6、7人いたが入社3ヶ月で3人になった。
僕は同期と張り合うつもりはなかったので、ただただ独立できそうなことに時間を使うようにした。

現場で使わなくなった保温材を持ち帰り、切り方の練習をしたり、国家資格を受けるときには毎週日曜日に板金屋さんの工場に練習に行ったりもした。
親方達が集まる飲み会や旅行にも毎回同席させてもらった。
〇〇保温のヨッシーです!よろしくお願いします!
と名前だけでも覚えてもらおうと、毎回親方についていった。
要するに親方の鞄持ちをしていた。

親方から同席しろ。もっと練習しろ。
と言われたことは一度もない。
自分が独立してから困らない動きを自分で考えてやっていただけだ。
その道中ではアンガーマネジメント、心理学、コミュニュケーション能力向上の書籍を読んだり、セミナーにも参加した。
自己投資は裏切らない。

ここで親方からこの内容をやれ!と言われていればそこには対価が発生しなくてはならない。
ここが今回の大サビで、会社から言われたのか、自発的なのかによって変わってくる。
このポイントが経営者が悩ましいポイントである。
本当はもっとこうしたほうがいいのに…
ということに対価が発生しないといけないことがしばしばある。

権利ばかり主張してくる

自分は特分何もしないのに権利ばかり主張してくる者もいる。

・ここの現場は遠いから出張費を出せ。(通勤1時間20分)
・昇給表の項目を練習するから残業手当をつけろ
・2現場行ったから2現場分よこせ(弊社は日当月給制)
・朝礼前にKY用紙を書かされたから前残業払え
・運転させられたから残業代払え
・夕方のzoom会議は残業だ
・資格を取るから帰ってから勉強するので残業代はらえ
などなど

分かる。分かるよ。
それを全て労働基準に当てはめると、そうなんだろう。
それが正しいだろう。
ただこの権利ばかりを主張してくる人に対してはめんどくさい奴だなと感じるのも事実。
もうこの子は言われたことだけやってくれればいいや。
となる。
そこに出世はないのだ。
もちろんスキルが上がらないので昇給もないのだ。
そういった権利ばかりを主張してくる人が、何も積み上げずにただただ経験年数だけ経過した人を多く見てきた。

その人達がやる行動は一つで、『周りの人の足を引っ張る』です。
新しく入ってきた人に対して、

『それやって何になるの?』
『残業代もらえないからやらない方がいいよ』
『やるだけ無駄だよ』
といった具合だ。

頑張る人にネガキャンをし続けることによって自分を正当化しようとする。
何も積み上がっていないペラペラな人間の出来上がりだ。
なんのスキルも上がらずに経験年数だけ経った事をキャリアとは言わない。

上を目指すなら

労働基準法の残業規制などは従業員を守る法律で、我々経営者には該当しない。
経営者や役員には残業代は払われない。
無限に働けます。

本当に上を目指すなら、人が使ってない時間を使わなければならない。
勿論、親方からは言えないし、言わない。
ただ、伸びてる子達はみんな、言われてないことに時間をかけている。

金メダルを取るアスリートが、練習時間内しか練習しないわけではない。
時間外でも体調管理、睡眠管理様々なことに勉強したり、取り組んでいる。
でもアスリートは金メダルを取るために、No. 1になる為に、人がやっていない時間でもそれに取り組むのだ。
ここはトレードオフだ。
何かを得る為には何かを差し出さなければならない。

もし、バリバリの職人さんになりたいのであれば
もし、会社でもっと上に登り詰めたいのであれば
もし、給料を多くもらいたいのであれば

必ずどこかで勤務時間外で時間を作らなければならない。

・一緒に仕事をしたい人に会いに行く
・時間が取れない先方さんと夜にzoom
・仲のいい会社さんとのイベント

どれも勤務時間外なのだ。

もちろん会社の中では出世などには興味がなく、何となく毎日仕事できれば良いなと思っている人もいる。
その人達は勤務時間内だけしっかり働いてもらえれば何の問題もない。

でも、出世したいんです。
昇給をブーストさせたいんです。
と言ってる人には、悪いけど勤務時間内だけでそれを叶えるのは難しいと答えている。
ただ、会社からやれとは言えない。
ここはトレードオフだ。

労働基準で守られている従業員は時間外で働くのは対価が必要なことは分かる。
ただ、結果を出している人、成功している人、上に登って行った人が勤務時間外に時間を使っていることも事実。

『労働時間内で働く』と『人よりも結果を出したい』は
大きなジレンマを抱えている。

難しい問題だ。
そんな僕は今日はうちのエースの現場だったが休みをもらって書類の整理と動画の撮影、工具の買い出しに、社用車の洗車だ。
朝5時から稼働している。前残業つけて欲しいよ!

でも安心して!経営者には労働基準は該当しないから、ノー残業!
無限に働け!このタコが!って感じです。

今回はスキルアップと、時間外労働はトレードオフだ。
についてのお話でした。

本日もご安全に!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?