キムキボムが_鶏_だからこそ_SHINeeはこんなにも輝く_のコピー

Romanticを深掘りしたら、地球のマントルに達した話。

こんばんは。noteは常体で書くべきなのか、敬体で書くべきなのか悩んでいるよっしーです。答えは出ていないので、多分毎回変わると思います!気にしないでください!

さて今回は、Runaway Channelでも特集した『너 아니면 안되는 걸(Romantic)』について深く深く掘り下げるnoteを書いていきたいと思います。皆さんが想像されてるより数倍は深く潜るつもりです。地球のマントル到達する勢いです(嘘)でも、そのくらい、濃くて重い記事になると思うので、どうかお時間ある時に読んでいただければと思います。(※高確率で、途中で飽きます。)(※本当に長いです)

ここでは、Runaway Channelで(時間的に)触れられなかった部分を中心に言及していこうと思うのですが、『Romantic』ってどんな曲だっけ~?曲のテーマはどんなことだっけ~?とあやふやな方は、動画をご覧いただいてからのほうが、こちらのnoteも楽しめるかと思います!

それでは、皆さん是非『너 아니면 안되는 걸(Romantic)』を聴きながら読んでください~!

1.ジョンヒョンはどこに立っているのか?

ではさっそく、曲の内容を掘り下げていきたいと思います。冒頭のミノのラップが終わった後、ジョンのAメロが始まります。

ジョンヒョン [0:23~]
내 마음이 가는대로 난 아무생각 없이 걷고 있지
心が赴くままに僕は、あてもなく歩いているよ
니 모습을 닮은 누군가를 찾는 건지 난, 그냥 그 자리에 서있어
君の姿に似た誰かを探しているのだろうか、僕は、ただそこに立っているよ

訳を見てもらえると分かるのですが、まず最初に、ジョンは歩いているんですね。(もちろんジョンというか、歌の中の主人公が、なんですけど…)「僕の心が赴くままに」「あてもなく」歩いているんです。彼女と別れた後に、とくに何かを考えるわけではなく、ぼーっと歩いているのでしょう。

そして、次の歌詞を見てみると、「君の姿に似た誰かを探しているのだろうか、僕は、ただそこに立っているよ」と言っているので、ふらふらと歩きながら別れた彼女の面影を探して、どこかに立ち尽くしている姿が浮かびます。

彼女と別れた後の虚しさが溢れたこの歌詞を、まだ幼いジョンヒョンが少し擦れたような声で歌うことによって、よりリアルに聴こえる気がします。

そんな寂しいパートなのですが…この部分、歌詞をよく見てみると、何か違和感ありませんか?ジョンの歌声に聴き入っていると、あまり考えが回らずに見落としがちなのですが…

「僕は、ただそこに立っているよ」の「そこ」って、一体どこなのでしょう?

もし、1行目の歌詞を素直に受け入れるとしたら、ジョンは主観的に「僕は、心が赴くままに歩いている」と語っています。実際に自分が歩きながら、そう歌っているように聞こえます。でも、だとすると、「そこ」って変じゃないですか?普通「ここ」って言いません?「僕は、“ここ”に立っているよ」の方が自然ではないですか?

私は、訳す際に「そこ」と訳しましたが、この「그 자리(くじゃり)」は直訳すると「その場所」と言う意味です。ちなみに、「この場所」は「이 자리(い じゃり)」と表すことができます。

歌詞と言うものはいわばリズムゲームで、厳密な文法や辻褄よりも、“ハマるか、ハマらないか”が優先される場合が多いと思いますが…この場合「그 자리(くじゃり)」じゃなくて「이 자리(い じゃり)」でも語数は変わらないんです。まぁ、もしかしたらその前の「그냥(くにゃん)」と重ねて「그(く)」を使いたかったのかもしれませんが、この部分があえて「その場所」という歌詞になっているのには、何か意味があるのではないかと思います。

そこで、「그(その)」という冠形詞と「이(この)」という冠形詞を今一度、韓国語の国語辞典で調べてみることにしました。そしたら、以下のように出てきました。(参照:NAVER韓国語辞典

그(く)
①聞き手の近くにあるか、聞き手が考えている対象を指すときに使う言葉
②既にこれまでに述べた対象を指すときに使う言葉
③確実ではなかったり、明言したくない事を指すときに使う言葉
이(い)
①話し手の近くにあるか、話し手が考えている対象を指すときに使う言葉
②直前に述べた対象を指すときに使う言葉

このジョンパートを考察するうえで注目すべきは、①の意味の違いかなと思います。「그(く)」聞き手の近くにあるものに対して使い、「이(い)」話し手の近くにあるものに対して使うみたいですね。

つまり、僕が立っている「그 자리(その場所)」とは、僕自身の近くではなく、この歌を贈る相手である彼女の近くに存在しているということです。もしかしたら、僕(の心)は今でも彼女の隣にいるという意味なのかもしれません。でも、彼女の隣に実際の僕はいないから、「その場所」「そこ」という“自分から遠ざけた”表現になっているのではないでしょうか。

あくまで私の考察ですが…、「この(ここ)」と「その(そこ)」の違いを考えてみると、よりこのパートの深さが増す気がします。


2.“금방이라도”をどう訳すか問題

きーくん[0:38]
쓸쓸한 내 어깨를 금방이라도 니가 두드리고 숨은 것만 같은데
寂しい僕の肩を、たった今、君が叩いて隠れたような気がするのに

ジョンのパートに引き続き、こちらのきーくんのパートでも韓国語のワードチョイスに「ん???」となる箇所があります。それが「금방이라도(くんばんいらど)」という部分なのですが、「금방이라도(くんばんいらど)」を直訳すると「今にも」となります。「금방이라도」を使った例文を探してみても、「今にも泣きそう」とか「今にも雨が降りそう」とか、ほとんどは「금방이라도 ~ㄹ 것 같다(今にも~しそう)」という未来のことを表す形で使われていることが多いです。

でも、ここでは、その「금방이라도(今にも)」が明らかに過去形と一緒に使われています。「(僕の肩を)君が叩いて隠れたような気がするのに」という部分です。この部分を「금방이라도(今にも)」と合わせて訳すと、「(僕の肩を)今にも、君が叩いて隠れたような気がするのに」となってしまい、なんか噛み合わないんですよね。

「금방이라도(今にも)」という、すぐ目の前の未来を表す副詞と、「숨은 것만 같은데(隠れたような気がするのに)」という過去の動詞があることによって、時制が一致しないからだと思います。

ここがもしも、「숨을 것만 같은데(隠れるような気がするのに)」という未来に起こりうる事柄を表す表現だったとしたら、「(僕の肩を)今にも、君が叩いて隠れるような気がするのに」という意味になり、文法的に綺麗な文章になるのに、ここは絶対にあえて過去形を選んでいます。

未来でも過去でも語数というか、リズムは変わらないので、作詞の技術的な理由で過去形にしているわけではなく、「隠れたような気がする」という意味にしたくて「숨은 것만 같은데(すむん ごんまん がとぅんで)」という言葉を選んでいるはずです。

だとすると、「금방이라도(くんばんいらど)」を「今にも」と捉えるより、「たった今」と意訳するほうが良いのではないかと思い、私は上記のように訳しました。

きーくんのこのパートは、寂しそうな僕の肩を“たった今”君が叩いて“隠れた”ような気がしてならないという、君が今でも僕の隣にいるという錯覚を起こしている部分なんですね。「今にも叩いて隠れそうなのに」という予想(願望)ではなく、「たった今叩いて隠れた気がするのに」という、感覚を伴う錯覚なので、いかに僕が彼女のことを深く想ってしまっているかが分かる部分だと思います。


3.彼女が“いない”のではなく、僕には“見えていない”だけ

きーくん [0:45]
왜 없는 건 지, 못 보는 건 지, 아니 눈이 멀었는지 (Oh, No!)
なんでいないのか、見逃しているのか、それとも目が見えなくなったのだろうか

引き続き、きーくんパートの後半部分についてですが、前半の「今彼女が僕の肩を叩いて隠れたような気がするのに」という歌詞に「なんでいないの?」「(僕が)見逃しているの?」「それとも、僕の目が見えなくなったの?」と続く部分です。

この部分で一番辛いことは何かって、“彼女がいない”原因を、あくまでも自分のせいにしようとしていることです。「見逃している」とか「目が見えなくなった」とか、自分の中の何かが足りなくて、身体的に異常があって、“彼女のことが見えないのかも”と考えているところ。

本当は、彼女は、いないんですよ。そこに、彼女はいないんです。

肩を叩いて隠れたというのも錯覚なんです。なのに、この僕は、「彼女がいない」という事実を認めるのではなく、「見えない」と思い込もうとしてるんです。この主人公がどれだけ傷を負っているかが、ひしひしと伝わってきます…。


4.烙印のように刻まれた君

テミン[0:53]
또 다른 사랑을 할 수도 있다고 난 믿었었는데
また別の恋ができるだろうって、僕は信じていたのに
가슴 안에 너는 낙인처럼 지울 수가 없어 어떡해?
胸の中の君は、烙印のようで消すことができないんだ、どうしよう?
テミン[2:09]
너 같은 사랑을 만날 수 있다고 난 믿었었는데
君のような愛に出会えるだろうって、僕は信じていたのに
가슴 안에 너는 낙인처럼 아파 죽겠는 걸 어떡해?
胸の中の君は、烙印のようで苦しくて死にそうなんだ、どうしよう?

この1番2番共通でテミンが歌っている部分については、動画の方で魂込めて語っているので…(笑)是非そちらをチェックしてください。とにかく、当時中学生のテミンがこんな切ないパートを歌っているなんて…どんな人生だよ…という感じです。

まぁ、やはりこのテミンのパートで印象的なのが「烙印」という単語ですよね。烙印って、火で熱した金属の印を押し当ててしるしをつける行為や、そのしるし自体のことを指すのですが、それほど心の中に君が深く刻まれてるってことですよね。もちろん消すこともできないし、忘れるなんてできないし、それが苦しくて、もがいた末の「어떡해(おっとっけ)」「どうしよう」「どうすればいいの?」なんです。私はこの先、これ以上に悲痛な「어떡해(おっとっけ)」を聴くことがあるでしょうか(いや、ない)。

…と言いつつも、やはりまだ幼いからか、このパートにテミンが上手く感情移入しきれていない感じはありますよね。もちろんそれはしょうがないことだし、幼さと歌詞のギャップというのもこの曲の魅力の一つだと思います。もしも今後、この曲をステージで披露する機会があったら、テミンの感情の入り方なんかにも注目したいと思います。きっと当時とは違った魅力があるはずです。

あと、これも動画内で言及していますが、2番の歌詞を見てもらうと分かるんですけど、「君のような愛に出会えるだろう」という部分、「君のような“愛”」なんですよね。「君のような人」ではなく、“사랑(愛)”なんです。だから、この僕は、君という人間が恋しいのと同時に、君と一緒に築いてきた“愛”も恋しんでいるんですよね。どんだけ深い曲なんだろう…。


5.“今になってやっと”気づいて“しまった”僕

サビ(みんな)[1:08]
너 아니면 안되는 걸 이제야 알아버린 내가 너무 비참해
君でなければ駄目なんだと、今になってやっと気づいた僕はとても惨めだ

サビについても、動画内で語っているのですが、動画を撮ってから「あれ?ここってこういう解釈もできるよね?」と気づいたので、書き留めたいと思います。

もちろんこの「너 아니면 안되는 걸(のあにみょん あんどぇぬんごる)」から始まる文についてなんですが、簡単に言うと、「君じゃなきゃ駄目って今更気づいた僕はなんて馬鹿なんだ」という意味です。なんですが、よく文を分析すると、この文の中で強調されている要素が2つあることに気づきました。

1つは、「이제야(いじぇや)」という部分。これは「이제야(今になってやっと)」という意味で、「이제(今)」という単語に「야(~こそ、~してはじめて)」という助詞が付いて、「今になってやっと、今になってはじめて」という意味になったものです。遠回しに、“今まで気づかなかった僕”がどんなに惨めかということを強調している表現になっています。

2つ目は、「알아버린(あらぼりん)」という部分。ここは、「알아버린(気づいてしまった)」という意味になるのですが、大まかに分析すると「알다(知る、気づく)」という動詞に「-버리다(~してしまう)」という補助動詞がついて、「알아버린(気づいてしまった)」という意味をつくっています。つまり、ただ「気づく」のではなく、「気づいてしまった」なんですよね。

もちろんここの「~してしまった」が、1つ目の「今になってやっと」をより強調する役割を果たしているとも取れますが、私は「(今までは気づかないでいたのに、今になって)気づいて“しまった”」という、“気づいた”という行為自体への“後悔”なのかなとも思えました。気づかなければよかったのに、今更気づいて“しまった”。だからこそ辛くて、そんな僕が惨めで…。

曲のタイトルも含まれているこのサビの1文に、君を失ってしまった僕の後悔と憤りが詰まっているような気がして、とても切なくなります。


6.ここでも“愛”なんです

オニュ[1:16](2番はきーくん)
사진 속엔 아직도 내가 너의 사랑인 것 같은데
写真の中では未だに、僕が君の愛であるかのようなのに

サビの全員パートに続くオニュパートです(動画では寸子がバグってます)が、ここでは自分のことを“君の愛”と表現しています。テミンのパートでも“愛”という表現がありましたが、やはりここでも、君の“恋人”とかではなく、“愛”なんですよね~。いつの写真なのか、どんな写真なのかはわかりませんが、きっと2人は幸せそうに笑っていて、お互いに愛を感じているような、そんな写真なのでしょう。

一番最初のジョンヒョンのパートで「その場所に立っている」という表現がありましたが、きっとこの主人公はずっと、写真の中のような、君が僕の愛で、僕が君の愛だった時から抜け出せないでいるのかもしれませんね。もしくは、君がいないことを認めるのが嫌で、抜け出したくないのかもしれない…。


7. 君の全てを“持っていた”僕

オニュ[1:38]
수없이 많은 날을 그렇게 너의 모든 것을 가졌던 나
数えきれないほど多くの日々をそうやって、君の全てを手に入れた僕

1番サビあけた後のオニュパートですが、まずここで言及したいのが、「너의 모든 것을 가졌던 나(のえ もどぅん ごする かじょっとん な)」という部分。ここは、訳すと「君の全てを手に入れた僕」という意味になりますが、そのうち「가졌던(かじょっとん)」という部分は直訳すると「持っていた」となります。

ここで使われている「-던(~していた)」という語尾は、過去を回想したりするときに使われるものです。しかも、それが今は「가졌다(持っていた、手に入れた)」という過去形と共に用いられていることにより、回想は回想でも、その時のことを既に“点”として捉えているイメージになります。つまり、「手に入れた」「持っていた」のは過去のある点においてで、“今は持っていない”ということを遠回しに語っているのです。

なので、「너의 모든 것을 가졌던 나(のえ もどぅん ごする かじょっとん な)」は、「君の全てを手に入れた(でも今は何も持っていない)僕」という過去と今の対比としてとらえることができます。


8.“君”からも“僕”を見つけることができなくなった

オニュ[1:45]
이젠 왜? (Baby, why?) 네게선 (Tell me, why?)
今はなぜ?(Baby, why?) 君からは(Tell me, why?)
날 찾을 수가 없게 된 걸까?
僕を見つけることができなくなったのだろう?

引き続きオニュパートについてですが、ここで気づいたのが、前半は僕が君のことを探していたじゃないですか。ジョンが「君の姿に似た誰か」を探していたり、きーくんが「肩を叩いて隠れた君」を探していたり…前半はどちらかというと“僕のそばにはもう君がいない”ということが軸としてあったのかなと思います。

でも、ここでは、「なんで今は“君からは” 僕を見つけることができなくなったのだろう?」って言っているんです。僕の隣に君がいない、僕には君が見えないだけではなく、“君の中から僕がいなくなった”と言っているんです。上手く説明できないんですけど、僕の心情や、僕の周りでの出来事だけではなく、あえて“君”にフォーカスすることによって、よりこの恋が終わったんだということがはっきりと感じられるのかなと思います。


9.“完璧な人”

きーくん[1:53]
난, 너무 두려워 우리의 추억이 깊게 배어 있는 곳에
僕はね、すごく怖いんだ、僕たちの思い出が深く馴染んだ場所で
완벽한 사람을 만난 널 보게 될까봐
完璧な人に出会った君を見ることになるかもしれないって

このパートについては動画で思う存分語っているので、かなり省きますが…やっぱりすごく切ないのは、彼女が自分と別れてから付き合った男性のことを「完璧な人」と言っていることです。ここで「完璧」という単語が出てくるということは、同時に、自分は「完璧ではなかった」「未熟だった」と思っているということなんだと思います。

デビュー曲の『Replay』を筆頭に、この『Romantic』が収録されているアルバムは、全体的に「幼い僕」と「大人な彼女」だったり、「未熟な僕」と「美しい彼女」だったり、とにかく彼女にとって自分は“足りない”男なんだということをテーマにした曲が印象的です。何故こんな悲しくて大人なバラードをあの年のSHINeeに歌わせたんだ?と突っ込みたくもなりますが、逆に、全員が若くしてデビューしたからこそ消化できたコンセプトなのかもしれません。


10.愛に疲れ切っている僕

ジョンヒョン[2:55]
난 지쳐버렸나 봐 홀로 남겨진 사랑에
僕は疲れてしまったみたいだ、一人残された愛に
너의 빈자리만 난 찾고 헤매는데
君の空席ばかり、僕は探して彷徨っているのに

2番サビが終わった後のジョンヒョンのパートです。ここは歌詞よりもまず、歌うときの単語の切り方が面白いです。2行目の「너의 빈자리만(のえ びんじゃりまん)」という部分を、「너의 빈/자리만(のえびん/じゃりまん)」と歌っていて、「빈자리(びんじゃり)」という一つの単語を区切って歌っているんです。「빈자리(びんじゃり)」は「空席」という意味なので、無理やり日本語で表現すると、「君の空/席だけ/僕は探して/彷徨っているのに」という切り方をしていることになります。

私は、この独特な単語の区切り方がすごく好きなんですけど、なんか本当に、心から”疲れている”みたいじゃないですか?「君の空/席だけ」という普通ではあまりしない区切り方をすることによって、一人残された愛に疲れ切って君の空席を探して彷徨っている僕が、息切れしているみたいに聴こえるなぁって。もう限界なんだよって言ってるみたい。

しかも、この後にすぐ「제발 좀 나를 봐(お願いだから僕を見てよ)」って懇願するんですよ。「お願いだから」ってやばいですよね。切実な感じがひしひしと伝わってくる部分です。しかもそれをジョンに歌わせているところが、また憎いですね。


11.僕の中には、僕より君の方が多い

ジョンヒョン[3:07]
제발 좀 나를 봐 널 닮은 나를 봐
お願いだから僕を見てよ、君に似た僕を見てよ
내겐 정말 이런 시련들이 힘들어
僕にとっては本当にこんな試練が辛いんだ
オニュ&ジョンヒョン[3:23]
기다림보다 힘든 건 니 습관들까지 모두 닮아 버린거야
待つことより辛いことは、君の習慣まで似てしまったことなんだ
내 속엔 나보다 니가 더 많은걸
僕の中には、僕より君の方が多いんだよ

動画でも語っていますが、私はこの曲の中で、ヒョニュパートの最後「내 속엔 나보다 니가 더 많은걸(ね そげん なぼだ にが と まぬんごる)」という部分が一番好きです。日本語に訳すと「僕の中には、僕より君の方が多いんだよ」という意味なんですけど、ここに辿り着くまでの流れが本当に切ないんです。

前の部分で「널 닮은 나(君に似た僕)」「니 습관들까지 모두 닮아 버린거야(君の習慣まで似てしまった)」といった歌詞が出てきて、とにかく、“君に似てしまった僕”を強調しているんです。習慣まで似てしまうって、どれだけ長く濃い時間を一緒に過ごしていたのでしょう。

君と一緒に過ごす中で、君に似てしまった僕。その結果が、「僕の中には、僕より君の方が多くなってしまった」ということなんですよね。君といた日々から抜け出せない僕の苦しみが、このフレーズに集約されている気がして、それがすごく印象的です。


12.僕はどうすればよいのだろう

ミノ[4:29]
잊을 수 없는 너의 그 사랑이,
忘れられない君のその愛が、
마지막 눈물이 나의 온 가슴을 찢어놓고,
最後の涙が、僕の胸を引き裂いて
절대 치유되지 않는 상처만 남겨. 내 초라한 모습만 남겨
絶対に癒えることのない傷だけ残して、僕のやつれた姿だけ残して
정말 비참해, 나는 어떡해... 나는 이제 정말 어떡해?
本当に惨めだ、僕はどうすれば…僕はもう本当にどうしよう?

最後のミノのラップパートです。歌詞の中の「절대 치유되지 않는 상처만(絶対に癒えることのない傷)」は、テミンパートで出てきた「烙印」という言葉を思い出させるし、「초라한 모습(やつれた姿)」というのも、ジョンパートの「一人残された愛に疲れた僕」を想起させますね。

また、この曲は、サビのコーラスをバックにこのラップパートが流れて、最後ジョンヒョンの「Still, I have ROMANTIC in my heart」でフェードアウトしていく形で終わるんですけど、その終わり方もなんていうか、悲しい演出じゃないですか。

だって、僕は最後まで「どうしよう」って言っているんですよ。君のことが忘れられなくて、辛くて、「どうすればいいの」って。でも何も答えが出ないままフェードアウトしていくんです。なんかまるで、この苦しみはずっと続いていくんだと言っているみたいですよね。


13.”ROMANTIC”とは?

Still, I have ROMANTIC in my heart 돌아가고 싶은걸(戻りたいよ)

一通りこの『Romantic』という曲について考察してきましたが、最後に、曲中に何度も出てくるフレーズ「Still, I have ROMANTIC in my heart」について考えてみたいと思います。

まず、この曲の英語タイトルにもなっている「Romantic」っていったい何なんだという話です。

romanticという英単語を聞いたときに、ほとんどの人は形容詞的な意味を思い浮かべると思います。辞書に載っているものを引用すると、「恋愛感情を示す、情熱的な、ロマンチックな、うっとりとなる、夢のような、空想的な、非現実的な」らへんが大まかな意味かなと思いますが、歌詞の中で「Still, I have ROMANTIC in my heart」と使われているので、ここでのromanticは名詞なんですよね。そこで名詞としての意味を見てみると、「恋愛感情を示す人、情熱的な人、夢想家、ロマンチスト、非現実的な人」などが出てきます。

辞書に出てくるものだけではしっくりこなかったので、英語でも調べてみたら以下のように記載しているサイトがありました。

1.someone who has a strong belief in love and likes to do things that show their love
2.someone who believes that things are better or more exciting than they really are

ということは、やはり名詞のromanticが持つ意味は、先ほど出てきた「恋愛感情を示す人、情熱的な人、夢想家、ロマンチスト、非現実的な人」で間違ってはなさそうです。

でも、この辞書的な意味に加えて考えなければいけないのが、romanticという単語が歌詞の中では「Still, I have ROMANTIC in my heart」と、大文字で書かれていることです。ここだけ敢えて大文字になっているということは、作詞家の先生がこの「ROMANTIC」という単語に特別な意味を込めたということじゃないですか。一般的なromanticではなく、この歌の中だけの「ROMANTIC」なんです。

さて、以上のことを踏まえて、この「Still, I have ROMANTIC in my heart」はどのような日本語で表すのが正解なのでしょうか…?

「まだ僕は君に恋をしている」「まだ僕は君という夢を見ている」「僕の心の中にはまだ君への想いがある」など…なにか良い案がある方はコメントください(笑)

ちなみに動画では、「ROMANTIC」と大文字になっているのをよいことに、「まだ僕の心には君が残っているんだ」とかなり意訳をしています。結局この曲の中での「ROMANTIC」は、「君を愛する僕」や「あの頃に戻れると夢を見る僕」、「君への想い」や「君との思い出」など...いろんな捉え方があっていいんじゃないかなぁと思います。もしかしたら、「君が残した傷」や「胸の中の烙印」もある意味では「ROMANTIC」に含まれているかもしれません。

とにかく、「Still, I have ROMANTIC in my heart」なんですよね!(最後が雑)


14.ようこそ深層世界へ(あとがき)

はい、まず、ここまでたどり着いてくださった方すべてに、お礼をして回りたいです。軽い気持ちで書き始めたはずが、こんな訳のわからない論文のような何かになるとは...最後まで読み進めてくださった皆様に感謝いたします。

ここまで書いておいてなんですが、あくまでもこれは私個人の考察です。作詞家のユ・ヨンジン先生がどんな意図で言葉選びをしているかは分かりません。SHINee本人がどんな解釈でこの歌を歌っているかは分かりません。もしかしたら、ネイティブの人からすると少しずれているかもしれません。あくまで、私個人が感じたことであり、深く解釈を重ねた結果です。

でも、正直、正解なんてないと思うし、人によって色んな受け取り方があって良いと思っています。それが言葉という、歌詞というものだと思うし。

ただ私は、もしも私のこの長ったらしい文章が、『너 아니면 안되는 걸(Romantic)』という曲を今までより少し深く理解するきっかけになれば、嬉しいなと思っています。

私は、“言葉=心”だと思っているので、日本語訳という表面的なものだけではなく、その奥にある心の部分を、少しでも多くの方が考えるきっかけを作れればいいなと、生意気にも考えています。

...なーーんて、超絶偉そうなこと言ってますけど、これはただの「オタクをある方向に拗らせるとどうなるか」の一例です(笑)怖いですね(笑)自分でも1つの楽曲にこんなにも深く潜れるものだとは思っていませんでした(笑)でも、こういう深層世界も楽しいですよっていう話です。

何回も言いますけど、これは全て私の解釈なので、もし「私はこう思う~!」とかあれば是非是非教えてください!みんなで考えましょう♡

改めて、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!『너 아니면 안되는 걸(Romantic)』たくさん聴いてくださいね~!!(誰)


いつか、だいすきなSHINeeに恩返しができるように、たくさんの想いと言葉をためています💎