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「すずめの戸締まり」とりあえずの観賞メモ(ネタバレしかない)

取り急ぎ思ったことを書き連ねます。備忘用のメモ。勘違いもある気がする。すみません。

  • 緊急地震速報みたいな効果音が最高。こういう現実にあるものを模したものが出てくるの好き。

  • なぜ注意喚起をしてまで地震をテーマにして緊急地震速報を出してきたかというと、東日本大震災を取り上げることを始めとして、すずめの戸締まりの世界は完全に観客側の世界と地続きのものとして描こうとした結果なんだろうという気がしている。

  • というのが、劇中では宮崎で震度6弱の地震が起きる以外の目立った災害が起きないんですよね。(正直、日本が滅ぶストーリーも想定してた。)

  • つまるところ、現実とほぼ変わるところはなくて(彗星が落ちたり23区が水没したりしない)、変わるのは閉じ師の人たちや鈴芽など常世とつながる人たちの見る世界だけ。普通の人たち(観客も含め)には、これまでの「君の名は。」や「天気の子」より現実の延長線上にあるものとして受け止められる。それがどういう効果をもたらすかは改めて考えないといけないのですが。

  • 「天気の子」は「君の名は。」とセットの二部作だと思ってたけど、「すずめの戸締まり」も含めた三部作になった、気がする。

  • 草太の声。椅子が「ンなんだっ! これはっ!」って話し方をしてるというギャップの面白さもあるんだろうと思いました。

  • 序盤のタイトルドーン(閉まってる!)、金曜ロードショーでのチラ見せではここまでやってたけど、見たときは(チラ見せ用に入れたアイキャッチなんだな)と思ってたので、本編で出てきてびっくりした。

  • ずっと「君の名は。」と「天気の子」のセルフオマージュしてる。音楽はまんま引用してるし、シーンでも、君の名は。の電車のシートに座ってるシーン、天気の子では甲板に顔を出すシーン、空から落ちてくるシーン、クジラ(→ミミズ)、たぶんほかにもあったはず。手癖というにはあまりに。

  • それというのは、「君の名は。」と「天気の子」でやってきたことへの様々な反応に対する返答だから、ということなのではという気がしていますが、それにしては若干釈然としない部分(後述)があるのでそこは引き続き検討。

  • あと神木隆之介さん演じる芹沢さん、手首に組紐してたよね……?

  • 鈴芽と千果の距離感。新海監督はもともと百合をやりたかったらしいという話があるけど、その名残なんだろうと思ってる。

  • 千果の旅館、ルミのスナックにお客さんがやたらと来ていたり、おばの環さんの豹変ぶりは、神様であるところ(?)の草太(ダイジンから引き継いだ?)やサダイジンが人に与える影響ゆえなんだろうけど、飲み込めそうで飲み込めない。ほかの人が招き猫と言っていてなるほどと思ったけど草太は猫じゃない。実は猫になるのか?

  • 戸や扉を閉める、鍵をかけるという日常の行為のたびに「すずめの戸締まり」を思い出させることになる(→現実への侵食度合いが高い)の、「天気の子」の雨天をキーにしているのと同様に浸染してきて怖い。劇場版スタァライトの電車モチーフにした件を思い出す。ずっとスタァライトの話。

  • 東京タワーと中央線は出てきます。(→11/25追記)すみません、丸ノ内線の誤りでした。でも言いたかったことは合っていた。

  • 伊藤彩沙さんが出ています。何の役かわかってない。(→11/25追記)たぶん神戸で車の中から遊園地に電気が点いているのを見つけて「あれ、なんで……」って言っている役では……関西弁の役は確かに適役……

  • ずっとジブリに接近してるの何なんだろう。冒頭のSNSの耳すま(耳をすませば)しかり、芹沢さんのルージュの伝言しかり。終盤の常世で、サダイジンが鈴芽と草太を連れて行くのはネコバスだったんだろうと思ってる。「すずめ、すき」はポニョじゃんとはCMの時から思ってた。(「星を追う子ども」でその文脈が色々あったからか、と思うのはさすがに意地が悪すぎるか。)

  • 日本中を動き回る割に何となく話がこじんまりとしてる気がしてて、ひとつは扉を締めるという行為の繰り返しという側面があるけど(それは「君の名は。」の入れ替わりも、「天気の子」の晴れにするのもそう)、今までやってた音楽による推進を控えめにしてたのが大きいのかもしれない。RADWIMPSの歌唱曲はエンディングだけ。「秒速5センチメートル」で言われてたミュージックビデオとの指摘は完全に受け得なくなった。

  • 後戸で「風化」を提示した先に東日本大震災から12年という展開が待ってるの、あまりにまっすぐすぎる。

  • 防潮堤がクローズアップされるの、ほかの廃墟でも乱暴に置かれた「立入禁止」のバリケードと並んで、きちんと後始末をせずにとにかく蓋をしようとする不誠実さの現れ、って捉えると、主張が強すぎる気はするけど、やや腑に落ちはする。

  • 鈴芽の日記のシーン、3月7日の日常的な内容から始まって11日に当たるページから黒塗りが続くのとか、その背景で流れる当時の音声らしき声とか、見ていてかなりショックを受けてしまって「自分はそんな引きずり方をしてたのか」というところにびっくりしてる。

  • (11/12 22:20 追記)それでも鈴芽が海沿いの街に住んでるの、色んな事情もあってなんだろうけど色々と思うところが出てくる。

  • 東日本大震災のことはかなり展開してからしっかり提示してきたけど、冒頭の常世のシーンで建物に乗った漁船を出すことで予見(予感?)させてたんだと思ってて、そんなに唐突な感はなかった。ただ東日本大震災そのものをこんなにはっきりと出してくると思わなかった。というかこんなに地続きだと思わなかった。(「君の名は。」も劇中に出てくる報道等から東日本大震災があった世界であることは示されてるんですが、それとは次元が違う。)

  • (11/12 22:20 追記)「いってきます」と「いってらっしゃい」を散々展開した上で「おかえり」で締めるの結局好き。シン・ウルトラマンじゃん。

  • 環さんと芹沢さん、なんかちょっと空気感。

  • 芹沢さんと草太さん、空気感。

  • 誰かが誰かを思って、思われて、その関係性の中で人は生きていることの現れなんでしょうけど空気感。

  • とにもかくにも、ダイジンがよくわかっていない。「天気の子」の先で、ダイジンが再び要石となる展開になると思っていなかった。だからといってさすがに日本が滅びるのはやりすぎな気がするけど、なぜこうなったのかはまだ腑に落ちていない。

  • 猫だからとすぐに無警戒になる人間の愚かさは存分に描かれてる。そのおかげでダイジンの居場所が掴めるので意義もありますが。

寝不足だったのをなんとか乗り越えたつもりだったけど、やっぱりだめだったのかもしれない。ちゃんと休んでから行ったらまた違うかも。また行くと思う。
映画館に行くハードルがすっかり低くなってしまってる。

おしまい。

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