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札幌の銭湯には島唄が流れている

今日は成田空港から新千歳空港へ飛びました。着陸時にちょうど日没する頃合いでした。毎日毎日起きてる現象であるはずなのに、どうして日没というものはこんなに心奪われるのでしょうか。飛行中はずっと窓の外を眺めていて、たぶん途中ちょっとうとうとして、あっという間に到着しました。

途中、猪苗代湖が見えました。ついこの間行った場所を俯瞰して見ることで「地図と同じ形なんだなあ」という気付きを得ました。googleマップのことは信用しているけれど、やはり実際に目にすると感慨深いものです。

飛行機から降りる瞬間、東京より明らかに空気が冷えているのを感じました。上着は全て預け荷物に入れてシャツ一枚だったので、少し焦りつつ荷物を受け取りました。

空港のレンタカーのカウンターで受付をして、営業所までバスで向かいます。出張に来たであろうサラリーマンが2人と、観光に来たであろう同世代くらいのカップルが1組同乗していました。どちらも和気藹々と会話していて、僕は変わらず窓の外を眺めていました。

本格的な移動は明日からにしようと考え、今夜は札幌市街を目指しました。途中で銭湯に寄ると、THE BOOMの「島唄」が流れていました。タイトルに語弊があるのは認めます。札幌のすべての銭湯で島唄が流れているわけではないはずです。けれど、少し蒸し暑い脱衣場でこの歌が流れていると、俺は沖縄にいるのではないかとすら思えて脳が混乱してきました。

外に出てひんやりとした空気に触れて、自分の居場所を思い出しました。

今回の旅は、北に行くか南に行くかでずいぶん悩みました。与那国島に行ってみたかった。でも、寒い方が少し「締まる」気がして北にしました。10月~11月ごろの冬に入るギリギリの北海道の空気は僕にとってとても心地よいのです。

しかし、場所の持つ力や空気感が如実に反映された創作物は強いなと思います。いつか「マンチェスター・バイ・ザ・シー」のような映画を作りたいです。

宿に荷物を置いて、セイコーマートで買ったサッポロビールを飲みながら歩きました。札幌の中心部からは外れていて、比較的静かな場所です。この近くに僕が知っている人はいないし、僕を知っている人もいません。
「ひとりだ」と声に出してみました。ちょっと可笑しくなって、でも寒くて宿に戻りました。

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