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私がVENTURE FOR JAPANへ向かう理由

今回は僕がアスヘノキボウから向かうVENTURE FOR JAPANについて書きたいと思います。

VENTURE FOR JAPANとは何か

「VENTURE FOR JAPAN(以下VFJ)」は、「将来起業したい!」「自分の力で食っていける人になりたい!」と考えている、主に新卒・第二新卒が地方の素晴らしい中小企業やベンチャー企業に2年間の期間限定で就職をするという新しい働き方を提供しています。(業種としては人材紹介業と研修業です)

最近の記事① NewsPicks
“逆境の東北”で勃興する「ビジネスリーダー」の新たな生み出し方

最近の記事② 3.rd DOOR
新卒→経営者の最短距離。わずか2年で「起業家を育成」する地域プログラムとは

前回のnoteでも掲載しましたが、まだの方はぜひ読んで頂けると嬉しいです。

このようなVFJの事業説明をすると、「なぜ2年間の期間限定なの?」ということを聞かれます。理由はVFJにて就職する若者にとっては、2年間という期間が決まっているからこそ、①限られた期間で圧倒的な成長を目指すため普通の就職以上に成長幅が大きくなること、②地方への心理的な移動ハードルも下がり動きやすくなると言うことの2点が主な理由です。採用する企業にとっては、2年間という期間が決まっているため、良い意味で緊張感を持って本気でVFJ経由の社員や他の社員と事業に取り組むことができることが主な理由です。つまり、VFJ就職者も採用する企業も期間を決めずに仕事をするよりも良い意味で緊張感があり、両者が求めることを短期間で達成できるため、2年間と置いています。

その他にも「VFJで就職する人たちは2年後はどうするの?」という声があると思いますが、2年後は自分で考えて、自分でキャリア選択をして道を切り開くということを大切にしています。

これまでの参加者では、起業した人もいれば、そのまま入社した企業に残って自分が立ち上げた新規事業のさらなる拡大を目指す人などがいます。

さらに他にも「募集する企業側は2年間の就職で満足するの?」という疑問の声もあると思いますが、VFJを導入される企業さんは以下のようなことを考えている企業さんです。

VFJにて人材募集される企業様の声
持たない経営のイメージ

「優秀な人材が2年でいなくなるなんて・・・」と言うネガティブな反応をされる企業さんはVFJでは募集はされません。

そもそもなぜ、僕がVENTURE FOR JAPANを立ち上げたのか?
そのお話もさせて頂ければと思います。

僕がVFJを立ち上げた背景は三点あります。
(三点もあって、すみません。。。)


VFJ立ち上げ背景① 成長意欲の高い大学生や若者たちの「就職活動」への違和感

女川町で11年間、復興に携わらせて頂くなかで、たくさんの大学生や若者の皆さんがボランティアやインターン等で女川の復興に関わってくれました。

そんな学生さんたちとお話をするとキャリアの話になることがよくありました。

就活の話になると、学生さんの顔が曇るんです。。

彼らはこんな話をします。

・「就活が世の中の常識になっているからだと思うが、3年生になったら「とりあえず就職活動」と言う感じで思考停止したまま動いている周囲に違和感」

・「親や大学は大企業や公務員が良いと言うけど、自分は大きい会社が良い、安定が良いということが理解できない。社会の常識と自分の考えにギャップがある。」

・「広告だから仕方がないとは思うが、就活サイトを見ると大企業が多い。サイト内の企業情報は自社のことを良く伝えようとしていることがわかる。ありのままのフラットな情報が欲しいし、自分は手触り感を持って働きたいので中小規模の会社を検討している。中小企業の情報も欲しい。」

などなど・・・

強く言いたいのですが、これは僕は就活関係者や大手企業さんやそこに勤める方々へ喧嘩を売りたいわけでも批判をしたいわけでもなく、あくまで前述の思考の学生さんに私がお会いしたときにお聞きした話を書いただけです。

世の中の常識や親や大学の声、就活サイト、同級生や先輩など、就活を取り巻く現状に、フィットしないと言う学生さんのお話をたくさんお聞きしました。

僕の方から「就活が嫌なら起業したら?」と聞くと、「まだ力がないから新卒で起業は難しい」という答えも返ってきました。

それで思ったんです。

新卒のキャリア選択には「一般的な就活」か「起業」かどちらかの選択肢しかないと。

せっかく「将来起業したい!」「分の力で食っていきたい!」という成長意欲があるのに、このような「就活」と「起業」の狭間で悩んでいる若者たちの力になりたい。

自分の中からそのように湧き上がってきました。

VFJ立ち上げ背景② 地方企業の経営人材不足

国内GDPの約60〜70%を支えているのは地方。

「日本を復興するためには地方企業の活性化」が必要不可欠。

僕は冨山さんの著書「なぜローカル経済から日本は蘇るのか」を読んでそのように感じていました。

なぜローカル経済から日本は甦るのか GとLの経済成長戦略 (PHP新書)   著者 冨山和彦氏

私も女川や東北で活動をしていて、事業成長している素晴らしい企業と経営者に数多く出会いました。

そのような企業さんのお話をお伺いする度に、

・「この企業さんは世界を変えるかも!」
・「この企業さんは社会課題を解決する!」

など、私自身も胸が熱くなりながら話を聞きました。

ただ、そんな素晴らしい企業の経営者の皆様が悩みとして口を揃えて話すのは、経営人材不足。

例えば、ある女川の水産加工会社の専務とこんな会話がありました。

専務「こまっちゃん、良い人材いない?」

小松「急にどうしたんですか?」

専務「おかげさまで震災から会社が再建して、海外輸出も広がって事業が伸びているんだよね。今の事業を拡大するアイデアもあるし、新規事業のアイデアもあるし、取り組みたいことが頭にたくさんあるんだよね。だけど、俺も忙しくて、手が回らなくて実行ができなくて・・・。俺の直下で動いてくれる人材がいてくれると良いんだけど・・・」

小松「経営人材ってことですね。最近、ある大手企業の部長職経験者(50代)を紹介するという話を頂きまして、良さそうであればご紹介しましょうか?」

専務「・・・。まあ、良いんだけど、自分達は新しいことを創造している。「俺のやり方はこうだ!」と押しつけたり、考え方が凝り固まっている人だと厳しいな。過去に上手くいかなったケースもあるので、どうなのかな。。。事業を創造してくので、柔軟な人が良いなあ」

小松「なるほど。思い切って新卒とか。うちもインターンやボランティアで学生さんと接点がありますが、めちゃくちゃ優秀で素敵な子達が多いです。発想が柔軟だし、ものすごく勉強しているし、ITリテラシーも高い。人当たりも柔らかい素直な学生さんが多い印象です。」

専務「新卒や若手社会人の皆さんだと、直下で一緒にやっていく時に自分も気づきや学びをもらえそうだし、良い意味で染まっていないので、柔軟に動いてくれそうだよね。若い方に新規事業を担ってもらうのはありだなあ・・・」

小松「そうですね。貴社にとっても良いですが、新卒・第二新卒で新規事業など経営に関わることができるのは若者の皆さんにとっても良いですよね。大きな成長機会になる。さらに地域にとっても、そのような若者が来るということは地域のとってインパクトがあるから良いですね。地域企業も若者も地域も良し!って感じですね。」

専務「そうだね。こまっちゃん、この件で何かを進める時、すぐに教えてね」

小松「承知致しました。連絡致しますね!」

この話をしたときに、僕の頭の中で「起業や自分で食っていける人を目指す新卒・20代の若者とイケてる地方企業を繋ぐ新しい就職の世界観」は出来上がりました。

そしてワクワクしていた記憶があります。

VFJ立ち上げ背景③ まちづくり(地域活性化)には地元企業経営者の存在は必要不可欠

私がいた女川の復興まちづくりの中心には、行政の皆さんや地域団体の皆さん、地元学生の皆さん、地元企業の経営者さん、外部の企業や団他の皆さんなど様々な方がおりました。

その中でものすごいパワーを発揮したのは、地元企業の経営者さんたちでした。

地域社会を背負って事業をやるという覚悟とすごく大きな地域愛は、復興過程でものすごく大きなエネルギーを発していました。

彼らは事業を通して経済的なインパクトで地域に貢献していますが、さらに経営者自ら、復興まちづくりに積極的に参加して地域に貢献し、社会的なインパクトも地域にもたらしてきました。

経営者がここまでインパクトを起こせたのは、企業経営がしっかりされているからこそ。

僕は、「まちづくり(地域活性化)には事業成長する地元企業が必要不可欠である」と強く感じました。

会社が成長しているからこそ、経営者は経済的にも社会的にも地域へ貢献できる。

私は11年間、「地域企業」のサポートも様々させて頂いてきましたが、もっと深く
地域企業へ貢献したいと改めて思いました。

以上の3点が立ち上げた背景です。

VENTURE FOR JAPANの立ち上げと今日まで

この①〜③のことを考えたときに思い浮かんだのが、ETIC.さんとJapan Societyさんの日米リーダー交流で一度訪問をしたことがあるVENTURE FOR AMERICA(以下VFA)でした。

すぐに過去のメモやウェブサイトを確認して、「VFAのプログラムをどのように日本版にアレンジしたら良いか・・・」と悶々と考えて始めていた2016年12月、僕は経営共創基盤様のオフィスにいました。

上記にてご紹介した本の著者である冨山和彦さんと二人でお話をさせて頂いているときに、VENTURE FOR JAPANの想いや構想のお話をしました。

冨山さんからは「それは絶対にやったほうが良い!日本社会の未来ためにこの事業が必要だよ!」と背中を押して頂きました。

それから2017年の日本財団さんのソーシャルイノベーター支援制度に応募し、ソーシャルイノベーターの一人として選んで頂きました(賞は受賞できませんでしたが・・・)。

ソーシャルイノベーションフォーラムにてアスヘノキボウメンバーと

その後、2018年に女川町商工会さんにサポートを頂きながら、金融機関さんからご融資を頂いて事業を立ち上げ、今日まで事業を進めてきました。

この間、たくさんの素晴らしい経営者や企業様が僕の想いに共感してくださり、温かく支えてくださいました。

POOLさんにはアイデア段階の頃からお話をお聞き頂いてロゴやコピー、ウェブサイトの制作を行なって頂き、小城さんやETIC.の皆さんや正樹さんには事業の相談を乗って頂き、小泉さんには発信のアドバイスを頂き、津田さんには大学の授業に呼んで頂いたり、廣川さんには大学をご紹介頂いたり・・・。

↑サポーターの皆様のご紹介

↑メルカリ/鹿島アントラーズFCの小泉文明さんとの対談記事

↑経営共創基盤の冨山和彦さんのVFJに関する記事

この他にもサポーターの皆さんには、研修やイベントでご登壇、noteにてインタビューにご協力を頂きました。

20代の皆さんに伝えたい
「自分の力で道を切り開き、生きること」〜私の20代を振り返る〜

株式会社 経営共創基盤 共同経営者
IGPIグループ会長 冨山和彦さん

「“日本式企業”の仕組みは溶けてなくなる。問われるのは個人の武器」

慶應義塾大学 環境情報学部教授
ヤフー株式会社 CSO 安宅和人さん
未来が欲しいなら名刺で生きるな、somebodyになるべし」

ジャーナリスト/  メディア・アクティビスト
津田大介さん
『どんな仕事も初回は断らない。自分に課した辛いルールが広げた仕事の幅』

オイシックス・ラ・大地株式会社
 代表取締役社長 髙島宏平さん 
20代で極限まで頑張る経験、最悪の事態を乗り越える経験が、その後の人生を左右する」


20代のみんなへ伝えたい「自分の道を切り拓く、20代の働き方」

The Breakthrough Company GO
代表取締役 PR/CreativeDirector 三浦崇宏さん
Business Producer 大長敬典さん

株式会社タイミー
代表取締役 小川嶺さん

株式会社ボーダレス・ジャパン
代表取締役副社長 鈴木雅剛さん

NPO法人クロスフィールズ
代表理事 小沼大地さん

株式会社メルカリ 取締役 会長
株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シー 代表取締役社長
小泉文明さん

改めて皆様の記事を読みましたが、本当に良い記事です・・・。
20代に限らず、多くの挑戦者に読んで頂きたいです。

さらにVENTURE FOR AMERICAのファウンダーであるAndrew Yang氏や2代目の代表であったAmy Nelson氏にはたくさんのアドバイスをもらいました。

Andrew Yang氏と
VFAのAmy Nelson氏とJapan SocietyのBettyさん、宮本さんと

Japan Societyにいらっしゃった日本代表の川島さんやBettyさん、宮本さんにもNY出張時にたくさんサポート頂きました。

ここに書き上げた方以外にもたくさんの方々にお世話になりました。
もう感謝のしかありません・・・。

たくさんの温かいご支援のもとVFJは立ち上がり、今日まで事業が行われてきているのです。

2018年の事業スタート後、2019年は参加者が2名、2020年も参加者は2名、2021年は参加者が5名、2022年は参加者が12名と少しずつですが、VFJ経由の就職者が増えてきています。

事業開始最初は、事業的にもかなり厳しい状況でしたが、PDCAを回しまくって、今は少しつずエントリー学生さんと募集企業さんの数が増えてきました。

さて、、、やっとここで今回のタイトルの話。。。

VFJを4年行なってきて、しんどいことだらけでしたが、僕はこの事業で日本の未来をより良くできると確信しました。

若者が経営経験ができるチャンスを日本中に作ることで、若者、企業、地域が成長すると私は信じています。卒業生もポテンシャルを解放した面白い若者たちが出てきています。

今年の7月で僕も40歳。
40代の10年をどこに使うか。

「僕はVENTURE FOR JAPANに使いたい。」

そう思って、この事業にフルコミットすることにしました。

次回は株式会社VENTURE FOR JAPANの目指す世界と事業に関してお伝えできればと思っております。

今回も読んで頂き、ありがとうございました。

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