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世界1周中(1年間22ヶ国38都市)にフト文章書き始めたらできた処女小説「ヨートピア」1/44

旅中にフト文章を書きたくなって、パソコンでタイプし始めたら止まらなくなって、観光しながら毎日書き続けたら、村上春樹の「風の歌を聴け」と同等の文字数の小説が出来上がりました。ただエッセイや詩のような部分もあるので、この文章が本当に小説なのかもわかっていません。処女作ということもあって荒々しいスピード感の風味がありますが、そこはご勘弁を。それでは不思議な世界の旅へいってらっしゃい!笑


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神さんに寝なさいと言われているのに寝れない夜12時。一人になりたかった私は目を閉じた。大きな星たちが見える。匂いが風になって渦を巻いている。その渦がいろんなものを流してくれている。いいものも悪いものも動かしてくれている。飛行機が頭の上を通る音が、光になって右から左に横切った。そのおかげで天が割れた。そこから空が変な色になっていった。今まで見たことのない色。紫ようのな青白いような色。その周りを漆黒の動く黒が覆い始める。カラスの大群だった。そしてこっちに責めてくるかと思うと、次から次へとカラスがぼたぼたと落ちていく。次々と死んでいくのだ。どーんと大きな地響きまでする爆発のような音がした。取り敢えず逃げて走ってみたら、その音の原因は巨大な津波が高層マンションを倒す音だった。倒れたマンションの爆風はコーラの匂いに変わって鼻毛を刺激する。私が居る場所も高層マンションだから時期にここも危ないから逃げよう。目の前にある酸素をペロッと舐めるとそこから空気がグワーッと割れ、ヒカル道ができた。その中を入っていくと暖かい部屋にたどり着いた。皮膚は暖かく感じているが、心は寒がっている。安全確保のために心を温めようと、女神様を探すことにした。流した涙の水滴が地面に落ちて、そこにたくさんの穴ができた。その穴を覗くとたくさんの女神様が居た。私の好みのぽっちゃり体型の女神様を見つめて目があった。私の酸素と女神の酸素がつながり、水が一滴落ちてきた。目の前の景色が揺れ始めた。焦点が合わなくなった。その一滴のおかげで心は暖かくなったようだ。いつの間にか手に汗を握っていた。手を広げると、そこは海ができていた。指紋にそって滝ができ、水が激しく流れている。地面が削れ、砂が舞っている。魚が飛び跳ね始めた。クジラが砂糖を吹き始めた。甘そうな海水である。ワガママ線が伸びている。アゲマン線が伸びている。生命線が伸びている。どんな地表ができるのか面白くて見届けること、22日。キラキラと宝石がそこらじゅうに光っている地面が出来上がっていた。試しにちょっと人差し指を動かしてみた。大地震が起きた。魚たち大慌て、ポニョたちも崖の上に避難。海の中の流れが激しくなって、海の中に澱んでいたツバが流れて消えていった。綺麗な青色が広がり始めた。中指を少し動かしてみた。アツツ!?指先を火傷した。なんだと思ったら、そこに太陽が生まれた。ずっと燃えている。どうやら止まりそうもないし、海の青さが増したし、魚たちもはしゃぎ始めたからそのままにしておいた。薬指を動かしてみた。もさもさっと草が生えてきた。緑という色を始めてみたという風に魚たちの目が丸くなった。葉っぱたちは踊っている。揺れている。そのお陰でか、音楽が始まった。そのお陰でか、プツプツと葉っぱの表面から酸素が生まれ始めた。みんな歌いながら酸素を出している。魚も一緒に飛び跳ね始めた。海の中をグルグル歩いている。小指を動かしてみた。黄色のバラが咲いた。咲いては海に流されてしまった。黄色のバラの花びらが海をすごい速さで旋回している。その花びらに乗って遊んでいるランちゃん。ランちゃんは海の流れに乗って親指に侵入。親指を動かそうとしているらしく、小さな刃物で親指を突き刺した。痛さの反動で親指がピクッと動いた。その瞬間、グググっと親指の先端の方から土がモリモリと押し寄せてきた。小さな石、砂、土君たちが威勢良く神輿を担いで一番早い一等賞を競争している。結果いっしーが優勝して、手首あたりで王様席に座った。いっしーは頑固でまっすぐなヤロウのようだ、それから微動だにしなくなった。いっしー、すっちー、つっちー、の勢いに負けじとうっミーも勢い良く流れて渦まいた。その攻防が続くこと、2日。ようやくお互い疲れて落ち着いてきた。優勝したいっしーのてっぺんには緑色の髪の毛が生え始めた。緑の髪の毛がいっしーたちにどんどん生えてくる。その侵食の速さたるやすごい早い。あまりに早くて痒くなったので、手のひらをひっくり反してみた。すると手の甲には杖をついてピンクのヒゲを生やしたおじさんがへばりついていた。ぎくっとしたおじさんと目があった。お互い視線での会話が続く。すると、はっぱーが生み出しているプクプクぷっくー君がおじさんに集まっていく。おじさんはぷっくー君を洋服代わりにしていた。ときどき食べていた。害はなさそうだし、おとなしそうだからソットしておいた。すると今度は冷蔵庫がお経を読み始めた。なにやら聞き取れないがぶつぶつ言っている。止まらず動じずにぶつぶつ。お腹の中の物を冷やしているのかな。冷やすのにも温めるのにもお経が必要のようだ。お経に合わせて、菩薩みたいな人が目の前をゆっくりと通り過ぎた。最後にピタッと止まって、プーーーッと大きなオナラをして飛んで行って星になった。あの星は臭そうだ。オナラの爆風でトカゲが飛んできた。トカゲはびっくりしたみたいで目をまん丸に開けている。私と目が合い、意気投合したらしく、自分の尻尾を切って私にプレゼントしてくれた。トカゲの尻尾のように切り捨てる、なんて言葉を思い出した。人間世界では自分の安心安全を守るために部下に汚ない仕事をさせてやばくなったら切り捨てる上司が居るみたいだ。どちらも同じ尻尾。風にのって揺れに揺れている。トカゲがどこかに行ってしまった。足音が聞こえる。左から右へ通り抜ける足音。誰だろうと考えていたら、滝がでてきた。ザーーッと水が上から下に流れている。止まりそうにない。綺麗だし、マイナスイオンが出まくっていて気持ちがいいので放っておいた。トントントン、母さんが台所で野菜を切っているような音と共に、滝がザク、ザク、ザクっと切れた。滝の水がひとつの個体に変化している。アメーバみたいにスライムみたいにムニュムニュしている。中には魚が閉じ込められていた。魚はそれに気付かずに元気に動き回っている。魚の動きに合わせて周りの水も動く。動くに従って水が大きくなっている。静かにゆっくり着実にムニュムニュと大きくなっている。水の中に白色に光る玉が出てきた。魚が作ったのだろう。それがふわふわ揺れている。光る玉と共に、光る影も出てきた。光る影とはおかしなものだが、真っ黒に光っているから光る影。光る影も揺れている。白と黒がぐにゃぐにゃ動いている。溶け合おうとしているのか、でもなかなか解け合うことができないようだ。悪戦苦闘していると、白の中からひょこっと、小さなかたつむりが出てきた。かたつむりがゆっくり黒に入っていく。すると白と黒がひとつになった。ひとつになると虹色がそこから発光し始めた。いろんな色が揺れながら発光している。赤色の光は、火に変わった。優しく不屈に燃えている。不思議と周りは熱くない。緑色の光は、山になった。どんどん木々が生い茂り始める。青色の光は、スリッパになった。誰が履くのだろう。。紫色の光は、鉛筆になった。人間が持てば鉛筆となるが、鉛筆の機能を果たさずに土に還る可能性もあるが。。オレンジ色は、紅葉になった。暖かい紅葉はすぐ枯れた。黄色は笑顔になった。みんな笑っている。なにが楽しいのだろう、、とにかく笑っている。誰かが突然泣き始めた。どうやらスリッパだった。誰にも履いてもらえないから寂しくて泣いている模様だ。そういえばヤドカリのやーすけが新しい宿を探していたのを思い出したので、相談してみると、ぜひ欲しいというので、スリッパとヤドカリを面会させたら意気投合したみたいで、スリッパも大喜びで、スリッパのサイズに合わせてやーすけも大きくなっていった。やーすけはやっぱり宿のサイズによって自分も変わるもんだね、とよく言っていた。大きなトラックを運転するお兄さんの気持ちと態度が大きくなるようなものかもしれない。歌舞伎のデザインをしたトラックが通り過ぎた。チカチカ光って派手な装飾と深いエンジン音。トラックはかゆいかゆいと駄々をこねていた。なにがどこがかゆいのかわからないが、とにかくかゆいらしい。やーすけが調べると、タイヤに菌がついていたみたいだ。この菌は薬で殺すしかないので、薬を投与してあげてしばらくしたらすっかりかゆくなくなった。トラックの薬投与の変貌ぶりを隣で見ていたやーすけも薬を食べてみたくなり、ぺろっと舐めてみたら、オレンジ色に体の色が変色して、どんどん大きくなっていった。やーすけはスリッパの宿を破壊するほどに大きくなってしまった。スリッパは痛がっていたが意気投合したやーすけに破壊されるなら本望だと喜んでもいた。やーすけはスリッパの供養のために、壊れたスリッパに「天地」と書いて食べた。するとやーすけはもっと大きくなっていった。どんどん大きくなるやーすけに困り果てたみんなを察知して、トカゲがどこからともなく戻ってきた。手にはオタマを持っている。トカゲはやーすけの顔の前にオタマを掲げた。やーすけはオタマの鏡に映った自分を見てビックリしている。オタマの丸みのおかげで自分がとっても細く見えている。やーすけは大きくなっていると思っていたが、実はこんなに細かったのかと自覚した途端、シュルシュルと膨張していた体が元どおりの大きさに戻った。また宿探しを開始するやーすけである。やーすけも家探しに疲れたみたいでウトウトを眠くなってきた。目の前がぽわーんとしてくる。まるでこの世が綿菓子でできたかのように柔らかくなっていく。触ってみると柔らかい。舐めてみると確かに甘い。実は空気は綿菓子でできていたようだ。パクパク鯉のように口をパクパクすると甘く美味しい味がする。天然の砂糖というのか、自然からの恵みというのか。この世界は恵みに満ちている。優しさに満ちている。愛に満ちている。。のかもしれないと思わされるほどに甘くて毎度毎度美味しい。全てのイノチがバランスを取り合って総合エネルギーとなって宇宙と繋がり、意味を成し、宇宙最大オーケストラ歌劇団を結成してみんなのイノチが奏でられている。そんなことを空想した。いや空想なんてものはなくてそれが現実なのである。いや現実なんてものもなくてそれが全て事実なのである。そして目を開けると、目の前にはガラスで反射した虹色の光がそこにあった。

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