血便が出て大腸内視鏡検査を受けた話【後編】

さて、大腸内視鏡検査に向けて下剤生活が始まった。

事前に調べた感じだと、検査の前日もしくは前々日から指定した食事や下剤を服用というところが多かったが、受診した病院では1週間前からプルゼニドという下剤を服用することに。

プルゼニドは、大腸内の細菌の作用で腸のぜん動運動を亢進させる物質になり、大腸粘膜を刺激して腸の動きを促進し、排便を促す効果ある。

要は排泄物が腸の中を通り抜けるスピードが速くなるよという効果である。

これを平日の仕事の日から飲むもんだから、まーつらい。最初に2錠服用した翌日は腹痛とともにトイレに駆け込んで、職場でも何度かトイレに駆け込み、とにかく大変だった。

大腸内視鏡検査で何が1番つらかったと聞かれれば、この1週間の下剤生活であると答えるだろう。

医療の専門知識がないので信憑性はないが、1週間前からプルゼニドを服用することで腸の動きが活発になる

腸内に留まる時間が減るので水分がいつもより吸収されない

便が柔らかくなる

実際に全部出しきるときに少し楽になる

というような効果があるのかもしれない。


そんな下剤生活を1週間行い、検査前日には決められた検査食を3食摂取し、プルゼニドは4錠服用した。

1週間の下剤生活で慣れたのか、検査当日の朝は腹痛などなかった。


〜検査当日〜

まず、朝起きたら水以外の摂取は禁止。朝7時にガスモチンを1錠飲み、8時半に病院に行く。

病院についたら大腸内視鏡検査を受ける数人が奥の部屋に呼ばれ、1日の流れについて説明を受ける。当然だが20代や30代の人はいなかった。また、検査は無理に入れてもらった感じなので、通常は専用トイレがあるのだが、あぶれてしまった自分は検尿用トイレを専用トイレとしてあてがってもらった。

まずは「ニフプラス」という腸管洗浄液、まあつまりは下剤を、10分おきにコップ1杯、合計2リットル飲む。10分のインターバルは腸を刺激するため、ひたすら院内を散歩する。ソシャゲがあって良かったと思う。FGO二部三章は解毒剤を探しに行くストーリーなのだが、解毒剤を手に入れたい主人公と下剤を服用してトイレに何度も駆け込む自分の差にちょっと、うん。なんでもない。


ニフプラスの味は、ポカリスエットを薄めたような味だった。部活時代に何度も飲んだ味だったので、10分に1回のペースも特に辛くはなく、順調に飲んでいく。

検査を受ける人たちで誰が1番最初にOKが出るか競って(勝手に競ってる気分になって)「排便ダービー」と名付けたのは良かったと思う、うん。


トイレに5回くらい行った頃から固形物が出なくなる。いつも固形物が出る穴から液体が出るというのはなんとも不思議な気分であった。普段は使わないウォッシュレットを使い、肛門へのダメージを抑えていく。

2リットル飲みきったあとの排便を看護師さんにチェックしてもらうのだが、「色がまだ濃いですね〜。ニフプラス1リットル追加します」と、あっけらかんと言うのだ。

まあまだいけるだろうと思っていたけど、2.5リットルを超えたあたりから徐々に辛くなってくる。それでも自分のことを、飲んだものをそのまま出す機械だと思って粛々とニフプラスを飲んではトイレに行った。

3リットル飲む頃にはOKが出て、晴れて下剤とオサラバとなる。

排便ダービーはもちろん1番。圧倒的大差をつけて優勝である。

しかし無理に検査をねじ込んでもらった身。検査順は最後であることは変わらず、午後3時からの予定と言われる。このとき正午。3時間の時間を持て余す。ソシャゲがあって、良かった。

3時間後、自分の番になり検査室に呼ばれる。大腸内視鏡検査を受けるときは専用のパンツがある。糸を引っ張るとおしりの部分が開くという寸法だ。汚れるといけないので、上は支給されたTシャツ、下は専用パンツのみという姿に着替え検査室に入る。

まずは左側を下にして寝転がる。先生がやってきたかと思ったら、おしりに冷たいものが塗られた。これは内視鏡が入りやすくするためのジェルだろうか、それとも麻酔のようなものだろうか。

「じゃあ、行きますね〜」という先生の声とともに、おしりの穴に不思議な感覚が走る。

カメラの映像を映したモニターがあり、それを一緒に見ながら内視鏡が奥へ奥へと進んでいくのを感じる。

大腸の中は蠕動運動が行われている。内視鏡が置くまで進んでいく様子は、まるでシューティングゲームのイベントのように門が開門しその奥にプレイヤーが進んでいくようだったのを覚えている。毛細血管が色鮮やかで、皮膚と全然違うな〜と思ったり。

内視鏡がどの辺を通っているのかなんとなく感じながらモニターを見ていた。途中、先生の指示に従い、仰向け、右向きと体勢を変えていく。

小腸まで到達すると、今度は腸の動きを抑制する注射をしたのち、逆走していく。素人目では異常は特に見当たらない。最後、直腸まで戻ってきたときに、ごく小さな炎症があった。非常に綺麗な腸なので、血便の理由はこの小さな炎症のせいでしょうとのこと。なんら心配することはないと言われた。ずっと痔持ちだと思っていたが、痔もないとのこと。拍子抜けとはまさにこのことである。

検査が終わって腸内の写真を見ながら所見を聞き、大腸に関しては何事もない健康体だということが判明して、ほっと一安心。昨日までの精神状態が嘘のよう。

内視鏡を入れられているときは、ほとんど苦しくなかった。先生曰く、空気を入れて腸内を見やすくしようとすると苦しくなるとのこと。入念に腸の中を洗浄すれば空気を入れる必要は少ないので、つらくないんだそう。なるほどプルゼニドとガスモチン、ニフプラスを大量に服用したかいがあったというものだ。

待合室で会計を待っているとき、異常に喉が乾いていることに気づいた。なんだ、何事もないとはいえ、やっぱり緊張してたんだ。こんなに喉が乾くなんてどれだけのプレッシャーだったんだ。

そう思いながら説明のときにもらった紙に目を落とす。


『検査中に使用した大腸の運動を止める注射は、喉が渇いた感じ、動悸、眩しい感じ等になることがありますが、1時間ほどで元に戻ります』


……最後まで拍子抜けの検査だった。

ちなみに、次の大腸の検査は40歳くらいになってからで大丈夫とのこと。大腸癌は進行が遅いらしい。ついでに聞いてみた胃カメラは、20代30代でも2年に1回くらいは受けたほうがいいんじゃないかということでした。


本当に、こういう検査は健康なときにやるのが1番。なにか症状が出てから検査を予約すると、処罰を待つ罪人のように、精神に悪い。余計なことも考えるし日常のこともおぼつかなくなる。

これを見た人が、1人でも定期的な検査を受けることになりますよう……。

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よた

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