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思い出に紐づく曲に触れてボロボロ泣いた4月21日

2024年4月21日
高校時代から好きなアーティスト、KOTOKOの20周年ライブに行ってきた。

場所は東京の立川。
同じく学生時代からKOTOKOが好きな友人と一緒に行ってきた。

数日前から楽しみでたまらなかったライブ。
しっかりと予習をして本番を迎えた。

そしてライブが始まった。

(・ω・) おっ、いよいよ始まるぞ
♪~ (メロディの音)
・・・
(´;ω;`)ブワッ

会場で一番最初に泣いたかもしれない

開始1秒で私は泣いた。
メロディを聞いた瞬間に高校・大学時代の思い出が頭を駆け巡ったのだ。

開始直後から私の心は満杯の浴槽みたいだった。
そこにお湯を入れると溢れ続けるに決まっている。
その後も私はボロボロ泣いた。

受験勉強やレポート作成でいつも聞いていた曲たち

KOTOKOは以前から様々なアニメやゲームソングを歌っていたアーティスト。
有名どころで言うと『灼眼のシャナ』や『ハヤテのごとく!』など。
最近だったら超てんちゃんの『INTERNET OVERDOSE』が流行っていた。

古参の人にとっては美少女ゲームソングの女王というイメージも強いと思う。
前述のINTERNET OVERDOSEもゲーム作者がKOTOKOの大ファンで主題歌を依頼したとか。
それくらい「2000年代の美少女ゲームソングといえばKOTOKO」だった。

私自身は高校時代、息抜きのネットサーフィンからKOTOKOを知った。
そして北海道で土曜18時に放送されていたKOTOKOのラジオ(KOTOKOノコト)を毎週聞くようになった。

それからはズブズブと沼にハマった。
iPodがなかった当時、MDに曲を入れてひたすら聴いていた。
周りにオタクが居なかった高校時代、1人でひたすら聴いていた。

その後、大学に入ったら幸いなことに(残念なことに?)オタク軍団と出会ってしまった。
当たり前のように彼らはKOTOKOを知っていた。
私は大量にCDを借りた。

そしてヒイヒイ言いながらレポート作成をしているとき、いつもKOTOKOを聴いていた。
暗くて狭くて寒い京都の学生マンションでひたすら聴いていた。

ディープなオタクの共通言語がKOTOKOだった

私が学部生だった頃、オタクであることを公言しにくかった。
電車男やアキバ系が流行った直後で「オタクといえば電車男」というイメージだった。

そしてコソコソと隠れながら日々を過ごしていた。
オタクだとバレないように。

相手がオタクだと分かったとしても「どれほど詳しいのか」を探っていた。
深夜アニメは分かるか、ラノベを読んでいるか、いつからハマったのか・・・

そんな時代において私の周りでは「KOTOKOの美少女ゲームソングを知っている人=信頼できるオタク」だった。
そして私はそんな奴らといつも遊んでいた。

カラオケに行ってアニソン、ゲーソン縛りでオールする。
宅飲みでアニソンを流しながら深夜までろくでもないことをして遊ぶ。
深夜の京都を自転車で駆け抜けてラーメンを食べる、食べた後にひたすらオタクトークをする。

そんな男くさい、脂っこい、まるで華がない思い出。
「もう一度同じことをしたいか」というと「もっと青春したい!」と言いたくなるような思い出。

だけどその思い出が悪いものとも言い切れない。
ディープなオタクと過ごした華の無い思い出たち。
そこにKOTOKOの曲が結びついていた。

音楽は思い出と強烈に結びついている

学部時代、私は生産性がまるで無いことばかりをしていた。
体力に任せてただただ深夜まで起きて遊んでいた。

バイトもしていない、恋愛も全くしていない。
ただただオタク仲間とKOTOKOを聴いていたり歌ったりしていただけだ。

当時遊んでいた奴らも今はそれぞれの人生を歩んでいる。
グーグルやヤフーに勤めているやつ、起業してもはや何しているかわからないやつ、海外に出向しているやつもいる。
そして私も転職して大企業のマネージャー候補になった。

仮に今の自分の精神状態で大学生に戻ったとしても「楽しい!」とは思えないかもしれない。
だけどそんな思い出も悪くはない。
むしろ思い出だからこそ勝手に美化される。

そしてKOTOKOの曲は大学時代の私の思い出と強烈に結びついている。
だからこそライブで曲を聞くだけで感情が高ぶってしまうのだ。
2時間半のライブ、私の頭の中では学生時代の下宿や友人との宅飲みの思い出が駆け巡っていた。

ライブは本当に良かった。
心の毒気が抜けた。

そして何より良かったのは「昔は良かったなぁ」と自分が言わなくなったことだ。
大学生の頃は面白かったけど、今は今で悪くない(しんどいけど)。
今も良い、だけどあの頃もまた別の良さがあった、と思える状況であるのはありがたい。

気がつけば受験から15年以上経っていた。
大学時代も10年以上前のことだ。
こうやって思い出はどんどん蓄積されていくのだろう。

はたして「30代の頃の思い出の曲」は何になっているのだろう。
そのころも「あの頃は良かったけど、今は今で良いものだ」と言えるようになりたい。

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