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人に与え続けて成功する人とただ疲弊してしまう人。GIVE & TAKEを読んだ感想。

私は周りの人に尽くすのが好きだ。
人が喜ぶ姿や「あなたのおかげで何とかなった」と言われると嬉しい。
「目の前の人に自分は何を与えられるだろう」と考えることが多いし、自分ができることを増やすためにスキルを上げてきた。

ただ、人に尽くす理由はこれだけではない。
正直に言うと「頼まれごとを断ったときの相手の反応が怖い」から引き受けることもある。

人に尽くした結果、後から自分に返ってくることもあれば、そうじゃないときもある。
「情けは人の為ならず」というけれど、たまに「骨折り損のくたびれ儲け」になることもある。
特に、断りきれずに引き受けたときに結果が返ってこないことが多い。

一体この違いはなんだろう。
その疑問が解消されたのが『GIVE & TAKE』という本だった。


他者志向の成功するギバーと自己犠牲的な最も成功しないギバー

「周りの人のためになることをしなさい」
「人のために動くことは無条件で良いことだ」
子どものころから道徳の時間などでそう教わってきた。

ただ、実際は献身的に動きすぎて疲れ切ってしまう人がたくさんいる。
一体なぜそうなってしまうのか。

筆者は他者に与える人=GIVERには2種類居ると述べている。
一つ目は「他者志向のギバー」で最も成功する人。
もう一つは「自己犠牲的なギバー」で最もうまくいかない人。

成功する「他者志向のギバー」の特徴は「人に与えながらも、自分の利益追求にもこだわっている」こと。
私は「自分のため」と「相手のため」のどちらかしかないと思っていた。
だけど、実際は自分と相手の両方にとって嬉しいところがあるはず。

自分にも利益があるか、客観的に見つめ直すことも時には必要だ。
さもなければ、ズルズルと人から奪う人=TAKERに使われ続けて最後には燃え尽きてしまう。
私が「断りきれずに引き受けた」ときは往々にしてTAKERに使われていたようだ。

相手の行動こそがその人の価値観を反映している

事実をもとに相手の行動を客観的に見てみる

成功するためには周りの人がGIVERなのか、TAKERなのか、はたまたその中間のMATCHERなのか見極めるのが重要だ。
この本では色々なGIVERやTAKERの実例を取り上げている。

それらを読んで私が感じたのは「行動こそがその人の価値観を表している」ということだ。
意外だったが人の性格や話し方、態度とGIVERかどうかには相関がないらしい。
確かにぶっきらぼうだけど思いやりに溢れた人もいるし、優しそうだけど何もしてくれない人もいる。

重要なのはその人の行動だ。
実際に相手のために動いているか、それとも利己的な行動をしているか。
それを見極めるために私は日記に「自分が人にしたこと、されたこと」を書くようにしている。

頭の中だけで考えていると、どうしても自分に甘くなってしまう。
「自分は人のためにずっと行動している!」と根拠なく思うし、人からしてもらったことを忘れてしまう。
日記をつけると、意外と自分は自己中心的な行動をしているし、周りの人は自分のために動いていることに気づく。

日記をもとに客観的に考えるとGIVERやTAKERの目星がついてくる。
そして以前はただ何となく引き受けていた頼まれごとも峻別できるようになってきた。

身体や心を壊したら人に与えるどころではない。
人により多く与えるため、周りの人を観察しながら自分の利益も考えつつ行動しようと思える本だった。

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