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四つ葉の背景作業方法②3D素材の選定とアングル調整

前回は、コマにマスクをかけたりしました。今回は3D素材を選定して、3Dのカメラアングル調整までをおこないます。

前回の記事はこちら

(※一部、前回の最後のほうをこちらの記事に移動しました。)


背景素材の選定

では、背景に使う素材を選定します。私はほぼ、ACONを使用しています。高品質な素材がたくさんあるので、見ているだけでも楽しいです。

今回必要そうな素材は、最初に出てくる「登場人物Aの部屋」と、後半に出てくる「パーティー会場」ですね。

Aはメイドという設定なので、Aの部屋はきらびやかな部屋ではなく、質素な部屋のイメージです。パーティー会場は、華やかな素材がいいでしょう。

配置にも気を付けたほうが良さそうです。
Aは最初、机に突っ伏して寝ているので、机とイスが部屋に欲しいところです。
パーティー会場は、最初にシャンデリアがあるので、シャンデリアがきれいな素材が良いでしょう。また、グラスや食べ物の素材もついでにあるといいかな~と思われます。

探すときは、キーワードをイメージします。
Aの部屋は、「メイド、使用人、侍従、私室、質素、部屋」など。パーティー会場は、「パーティー、宴会、ダンスホール、パーティーホール」など。

素材サイトにキーワードを入れて、イメージに合うものを探してください。

今回は、この二つの素材を使っていきます。

■Aの私室

■パーティー会場

ダウンロードした素材を確認してみましょう。イメージ通りでしょうか?もし、「壁紙の色を変えたい」「ベッドを消したい」など、調整が必要そうだったら、最初にしてしまいましょう。

調整については、こちらの記事もご参照ください。

ACONでの素材探しのコツ

さて、ACONで素材を探すためにワード検索をしても、なかなか思うようにヒットしないことはありませんか?

例えばこちら、「書庫」の検索結果。

検索結果、0件です。「書庫」、本当ならありそうですよね。

ここで、ちょっとしたコツです。
ACONの出品者の多くは、韓国の方です。ですので、Google翻訳で、韓国語に変換してみましょう。

こんな感じで。ハングルはさっぱり分かりませんが、とりあえず検索結果の「서고」を選択してコピー。

で、もう一度ACONに戻って、検索ワードを「서고」にしてみましょう。

おー!55件も出てきた!内容も想定通りでいい感じ!

もちろん、日本語検索や英語検索でも、ヒットする素材はたくさんあります。しかし体感ではありますが、ハングルのほうがヒット率がいい感じです。
ということで、ACONでの検索はハングルをおすすめします!

ACONでの素材購入は、こちらの記事も参考にしてください。

カメラ位置決定のためのスクショを撮る

次は、クリップスタジオに戻ってスクショを撮りまくります。今回、背景を付けるすべてのコマのスクショです。雰囲気背景(心象を表す、キラキラ背景や、お花飛びまくり背景、かけ編みぐねぐね背景ねど)や、同じアングルで背景を使いまわすコマは必要ありません。

スクショについては、パソコンを使って作画作業をしている人でしたら、おそらく自分自身のやり方があるかと思いますが、私の使っているツールをさらっとご紹介します。

私は、「screenpresso」というツールを使っています。

Windowsにデフォルトで入っている「Snipping Tool」と違い、ネーミングや保存先などを考えずに次々とスクショを取れるところがお気に入りです。自動でネーミングして、専用フォルダに入れておいてくれます。
このnoteで使っているスクショも、すべてこれで撮って、これで注釈などを入れています。

ともあれ、スクショを1話分全部撮りきります。準備編で作った、コマ番号がきちんと入るようにスクショを撮りましょう。

もう一つ、ウインドウが半透明になるツールも必要です。

こんな感じで、スクショを半透明に透かしながら、アングルを合わせると楽だからです。これも、半透明で重ねられるならどんなツールでもいいんですが、私はこれを使っています。

カメラアングル決定

ではスケッチアップを開いて、先ほど収集したスクショを重ねてみましょう。

スケッチアップを操作して、スクショと合うようにカメラの位置を決めていきます。

こんな感じでカメラをぐいぐいと操作して、欲しいアングルを探します。

このコマのアングルが決定しました!

開いた本と、手前にあったろうそくは非表示にしました。

線画や着彩のあとに背景を入れる場合は、キャラとビタッと合うように調整します。今回のように机やイスがあると、ちょっと難易度が上がります。

ネームから背景を入れる場合、ネームの等身はデフォルメされていて、リアルっぽくない等身が多いです。実際に描かれる等身はリアル寄りになることが多いので、線画さんが描く等身をイメージしながら配置しています。

背景作成について私が気を付けていること

(ちょっと自分語りになりますが…)

必要要素がコマ内にあるかどうかを、私は大切にしています。背景のことを、読者さんはほとんど意識して見ていません。しかし、何となく無意識で全体をとらえて、状況を把握しているのです。ですので、必要な要素をさりげなく入れなくてはなりません。

このコマの場合、説明したい状況は、「自室で手紙を書いている途中、Aは居眠りをしてしまった。外は夜」です。この場合必要な要素は、

  • 一目でAの自室と分かること

    • Aはメイドなので、質素で控えめな広さの部屋

    • 簡素なベッドが画角に入っていると、狭さや自室感が出て嬉しい

    • 狭いので、壁も近め

  • 外が夜であることが分かるように窓を画角に入れる

    • 窓がいい感じの位置に来るように机を配置する

    • さりげなく窓を画角に入れる。

    • 窓があって外が見えると、画面が華やかになって個人的に好き。

  • 書きかけの手紙が見える形で入るようにする

    • 上からのアングルすぎると、A自身に隠れて手紙が見えなくなりそう

    • カメラを下げすぎると、角度的がキツくなって、手紙と分かる形で入らないかもしれない

    • 上記2点から、いい感じの角度にする

  • Aが目を閉じていることが伝わるアングル(=線画さんはおそらく顔、少なくとも目を入れたいと考えそう)

    • 上からのアングルすぎると、Aの首の角度がめちゃくちゃ不自然に。

    • 少しカメラを下げ気味にして、横からフラットにカメラを構えるといい感じになりそうだけど、手紙のこともあるのでほどほどにしたほうが良さそう。ギリギリ首に負担がかからない角度で、読者さんに顔を見せられる画角にしたい

です。
こんな小さなコマにも、さりげなく情報を入れるように心がけています。

さあ、やっと1コマ分のアングルが決定しました。次回は、スケッチアップから書き出す作業をやります。

次回が長くなりそうなので、今回は短いですがキリのいいこの辺りで。

次の記事はこちら。


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