犬舌オンナの熱々ごはん

私は熱々の食べ物が大好きだ。そして熱いのが何よりのご馳走だと思っている。例えば同じお料理でも、ものすごく味がいいけど熱くないものと、味は普通だけど熱々のものなら、なんの迷いもなく後者を選ぶ。熱々をハフハフしながら食べるのが大好きなのだ。それをビールで鎮火するのはもう至福の時だ。そして翌日上顎が火傷で水ぶくれになっていることはしょっちゅうで、むしろそのくらい熱くないと満足しない。だから熱々を期待して出て来たお料理がぬるかった時ほどテンションが下がることはない。

先日3日連続でそんな目に遭ってしまい、我が身の不幸を嘆く絶望的な気分になった。

1日目は某有名うどんチェーン店でわかめうどんを頼んだら、熱々でない(個人の感想による)お出汁に冷たいワカメを投入されて更に温度が下がり、一口食べてちょっとなぁ〜と落胆。結果、午後の仕事やる気ゼロ。
2日目は久々に大好きなラザニアと赤ワインを頼み「よし、口の中火傷上等!」の意気込みでウキウキと口に入れたら、周りこそ熱いものの真ん中はぬるくて超ガッカリ。気合いを入れておしゃれしたのにデートをドタキャンされたような気分だった。
3日目に至っては雨で肌寒かったので、こういう日こそ熱々だ!とフカヒレあんかけご飯を頼んだら、これがまさかの人肌。「オーマイガー!人肌は日本酒だけでいいんだよ〜!」っと叫んでテーブルをひっくり返したかったが、テンションがだだ下がりして文句すら言えなかった。

そんな私だから当然自分で作る時も熱々で食卓に出すのをトッププライオリティとしている。私の持論は「とりあえず熱ければ美味しい」なのだ。きっとプロの料理人の皆様も出来たてを熱いうちに食べて欲しいと思われているに違いない。しかし世の中には「犬舌」の私とは真逆の「猫舌」なる人種の方々も多く、熱々のうちに箸をつけない場面にも多々出くわす。昔は結構イライラして、相手の口を無理矢理こじ開け熱々を流し込みたくなったものだが、さすがに歳を取りそこは流せるようになった。なるほど、年齢を重ねるのも悪いことばかりじゃないですね。

熱々が好きなだけあって、オーブンで焼き上げたグラタンとかドリアは大好物だ。それにお豆腐。湯豆腐も好きだし、麻婆豆腐、それにスンドゥブも。石焼きビビンパをジュージューかき混ぜて食べるのも最高だ。あとはあんかけ。熱々が半永久的に持続する素晴らしい食べ物だ。あれを発明した人は熱々好きだったに違いない。横浜のソウルフード、サンマー麺や五目そばを食べたら、翌日口の中の火傷確定。でもやめられない。

仕事から帰って家でササっと作る時は熱々のスープ物が多い。今年ロスティメパルというオランダ製の厚手のタッパーを買い、これが大当たりだった。ポットで分量のお湯を沸かし、顆粒のスープの素を溶かして前の日の残りの千切りキャベツにハムの千切りを入れてグツグツするまでレンジでチン。レシピとすら呼べない手抜きの極みだが、意外とシンプルで飽きが来ない。熱々にしてもタッパーだからちゃんと手で持てるし、見た目もスタイリッシュなのでそのまま食卓に出せる。前の日のお鍋が残った時は蓋をして保存容器として使い、そのままチンして食べれるのも、忙しい夜には助かっている。

これから寒くなって来ると熱々が更に嬉しい。汗をかくと代謝も上がるし、気分も上がる。当然お酒も美味しい。今夜は冷えて来たから、ダチョウ倶楽部さんばりの熱々おでんに日本酒、にしようかな。

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