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『プレイングマネージャー』はおいしいとこどりできるポジション。

僕が現場をやっていたときに、最終的に目指していたポジションは『プレイングマネージャー』でした。これよりも上のポジションにいってしまうと現場から離れることになってしまうので現場が大好きだった僕としてはプレイングマネージャーとして生涯を終えるっていうのが若かりし頃に考えていた理想像でした。

実際にプレイングマネージャーを経験している人はその大変さを痛感していることと思います。現場をやりながらマネジメント(実際にはマネジメントの一部であることが多いと思いますが)をやっていく大変さといえば尋常じゃない苦労だと思います。
おそらく現場のエースが出世してプレイングマネージャーになっている人が多いと思うので、自分が率先して数字を稼がないと事業が成り立たないという状況におかれてしまっている人も多いことでしょう。
※このため、マネジメント業務の方が疎かになりがちではないかなと。


組織のなかではもっとも大変なポジションのひとつともいえるプレイングマネージャーですが、もちろんネガティブな部分もあるものの、僕としてはポジティブな要素の方が上回っていたので魅力的なポジションとしてとらえていました。

僕らのようなクリエイティブ系の仕事に携わっている人は特に現場が好きな人が多いと思います。自分で手を動かしてなにかを創りあげる人ならなおさらでしょうね。このため、創作活動自体に仕事の喜びを感じているのであればやはり現場からは離れたくないもの。もちろん現場追及型の『エキスパート職』として生涯を終えようと思う人もいるでしょうが、年齢を重ねたときのことを考えて「このまま現場を続けることができるだろうか?」と不安になる人もいると思います。
僕もその辺の考えがあったので、自身で行う現場案件は少しずつ数を減らしていき、メンバーをマネジメントすることで『自分だけで成果を上げる以上の結果』を出せるようにすれば一石二鳥だと思っていました。
※他人を活かして結果をだす、というスキルは年をとっても使えるスキルですしね。

『マネージャー』職はそもそも組織に人数がいないとポジション自体が用意されないし、さらにその組織のなかでもマネジメントを経験できる人って一握りの人たちだけだと思うんです。そして新卒でいきなりマネージャーになれることがないように、なにかを経験して結果をだしたうえでなれるポジションのため、そこにたどり着くまでの道のりも長いうえに今まで経験したこととは全く違うスキルが必要。このように簡単に誰でもなれるポジションではないからこそ、機会があるなら一度は経験した方が良いと思います。
※仮に失敗したとしても「自分には向いていなかった」ってことが理解できる成果を得られるので。

弊社でも最近プレイングマネージャー(チーフ)になったメンバーがいますが、彼から「メンバーの評価者になったことで現場の頃では考えていなかったことを多く考えるようになった」という言葉をもらいました。
立場が人を創る』という言葉がありますが、そのポジションになって初めて見える景色というのがあるものです。


この『プレイヤー』と『マネージャー』の両方の良さを同時に体験できる『プレイングマネージャー』のポジションって自分には魅力的に映ったんですね。いわゆる『いいとこどりできるポジション』だなと。

『プレイングマネージャー』の良さはなんといっても現場感覚が優れていることです。このため、現場と乖離しない戦略・戦術が描けます。
※現場と乖離しなさ過ぎて飛躍的な成長を遂げるような戦略を描きづらいという欠点もありますが。
そして、おそらくは現場での実績をもっともあげている人材でしょうから、メンバーへの影響力も高いでしょう。このため、経営層からは経営と現場をつなぐ役割としてもっとも期待されるポジションになります。

そして『プレイヤー』と『マネージャー』の両方の役割をもっていることから、今後どちらの道を選択するかを考えられるポジションになります。
さきほど記載したように『マネージャー』の職は簡単になれるものではありません。『マネージャー』の業務を経験してもいないのに自分にとって合うか合わないかを判断することは難しいと思うので、このプレイングマネージャーの期間を経て自分の今後のキャリアを考えれば良いと思います。
※もちろんプレイングマネージャーのまま終える、でも良いでしょう。

完全に現場を離れてマネージャーを数年経験した人が現場に戻るのはけっこう大変だと思います。時代の流れが速いため、自分が現場で活躍していた頃に通用していた知識はそのまま使うことはできないでしょう。このためいちから勉強する気持ちで取り組まないといけません。心身ともに現場モードに戻すのも苦労するでしょう。しかしプレイングマネージャーだったら『現役』なので何の問題もなくすぐに現場一本に戻ることが可能です。このため、ある意味リスクヘッジができている状態で将来を考えることができるポジションだといえそうです。

プレイングマネージャーをやっていくうえで気をつけなければいけないことは『現場目線になりすぎないこと』です。どうしても稼働の多くが現場業務に寄ってしまうため、意識も現場寄りになります。これでは『マネージャー』としての機能は果たせていなく、大事なマネージャーの経験もできていないことになってしまうので、稼働は現場に寄っていたとしても意識はマネージャーとしての職務の方を強めに持っていた方がいいでしょう。
※よく『自分の置かれているポジションの1~2つ上の意識をもて』って言いますね。


・・ということで、プレイングマネージャーはすごく大変なポジションなので稼働がひっ迫したときなどは「なんでもやらされて損な役回りだ」とか思ってしまうときもあるかと思いますが(苦笑)、逆転の発想で「なんでもできる得な役割だ」ともいえると思うので、うまくその役割を使いながら自身のキャリアを実のあるものにしていってもらいたいと思います。

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