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【おススメ書籍】東大卒、農家の右腕になる。 小さな経営改善ノウハウ100

4月から新しいチャレンジを行うにあたって『農家』についてちょっと勉強したいなと思い、近所の本屋に行きました。ふと思いついただけだったので、そもそも農家の何を勉強すればいいのかもよく考えずにとりあえず本屋の中を歩いてピンとくるタイトルの本があれば読もうかなとブラブラしていたところに『東大卒、農家の右腕になる(著:佐川友彦)』というそそられるタイトルが目を惹きました。
※『右腕(参謀)』って言葉はそそられますよね(笑)

本のタイトルを見るに「農家って(勝手な思い込みですが)家族経営が多くて一般的な会社のロジックとはかけ離れたところに位置しており、属人的な経営をしているところが多そうだから、きっとこの東大卒の方が参謀役として入り込んで様々な経営手法を教えていくって本なんだろうな」と予想してパラパラめくってみたところ(良い意味で)ほぼ予想通りの内容。期待通りの内容に加えてその中身がしっかり順序だてて書かれており、さらにその文章から『血の通ったリアルな現場』の話が頭に描けるように入り込んできたので「これは面白そうだ」と速攻購入してしまいました。

とても面白い本だったのでぜひ購入して読んでほしいのですが、ざっくり概要を説明すると「東大卒の佐川氏(著者)が一般企業での就労で体調を崩してしまい、栃木の阿部梨園にインターンで参加。3代続く家族経営の梨農園ではこだわりの梨を作っていて商品としては優秀だったものの、経営や業務フローなどがまったく整備されていなかったため、さらにこの農園を良くしていくために参謀役となって数々の改善策を実行していく」というもの。まるで漫画やドラマみたいな物語です(笑)。

本の構成は大きく分けて「先述の物語(前半)」と「実際に行った100の改善ノウハウ紹介(後半)」の2つ。前半の物語は面白くて一気に読み終えてしまいましたが、単なるキレイごとの話ではなく農家の現状って本当にこうなんだぁ・・という衝撃と、それに対する数々の適格な改善策とその効果が矢継ぎ早に放たれて少しずつ経営が浸透していくところに僕自身もまるで当事者のように感じてしまいました(笑)。代表の阿部さんとのやりとりも素晴らしいし、佐川さん自身の葛藤や弱さなんかもリアルに描かれていて本当に面白かった。
※全権委任する阿部代表の姿勢は本当に素晴らしいな、と感心しました。

その物語を読んだ後の後半の100の改善ノウハウの紹介。一般的な会社に勤めていれば当たり前のことも書いてあったりもするのですが、農家というある意味閉じた世界ではおそらく非常識な施策だったことでしょう。100の施策のひとつひとつが具体的でヌケモレなく網羅されているなぁと感心してしました。これは農家とか関係なくどの業種でも通用するでしょうし、いまから起業を考えている人からしてもとても参考になるノウハウだと思いました。また、その施策のひとつひとつが前半の物語のどこに使われたものだったのかが気になって再度物語を読み返してしまう行為を生み出し、まるで辞書を引いているような感覚(笑)。この構成は新しいなぁと思いました。

はじめは農家のことをちょっと勉強しようというところから入ったのですが、それに追加で参謀的役割の面白さだったり、具体的な施策の勉強だったりと予想以上に多角的な勉強ができて、「よし、自分も負けずに新しいチャレンジを頑張ろう!」と自身のモチベーションも上がった本でした。僕は農家のことは全然わかりませんが、こういう方がもっと増えると農家の未来はもっと明るいものになるんじゃないか、実は余白の多い世界なんじゃないかって思えました。

普通の読み物としても十分面白い本ですので、おススメです!

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