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歯の生え方と食事③(全3回)【乳幼児期】

全3回シリーズの最終回となりました。
2歳ごろに犬歯(糸切り歯)、3歳前には最後の臼歯(奥歯)が生えて、乳歯の歯並びは完成します。いよいよ、食べられるものの幅が広がっていく時期です🤗

奥歯をしっかり使おう

乳歯が生えそろったら、より噛みごたえのあるものを噛む経験をしましょう。生えそろった奥歯をフル活用して、噛む練習をするのに最適の時期です!

[噛みごたえのある食品の例]
あたりめ、昆布、きのこ、干し芋、ハードグミ、魚介類、肉など

※グミはむし歯のリスクが高いので、量とタイミングに気を付けて

練習には「噛めば噛むほど味が出る食品」が楽しい

とはいえ、成人の平均的な噛む力は約50~70kgほどあるのに対し、3歳児の噛む力は10kgにも満たないくらいです。

噛む力が弱いので、分厚い肉など食品によっては噛んでもスジの塊が口に残ってしまうこともあります。そんな時は無理せず口から出せばOKです👌

そのうち、奥歯で上手に噛んで飲み込めるようになった時には「食べられるようになったね!」とたくさんほめてあげましょう。

「骨・皮・種付き」を積極的に

乳歯が生えそろったら、「骨・皮・種付き」の食品に挑戦する機会を増やしましょう。
骨や皮が付いた魚や、種付きの果物
を食べると、口の中で異物をより分ける際に舌や頬がフル活用されます!

種付きの果物といえば?

近頃は骨がすでに取ってある調理済みの魚など便利な食品が豊富ですが、ぜひ本人が工夫して骨や種を口の中で処理する経験をさせてあげてくださいね。

適応して育つ

歯の生え方によって舌の動きや食べ方が変化するのは、歯の位置が変わることで食べ物を効率的に咀嚼できるようにするための、自然なことです。
ただし、それまでと同じやわらかいものばかり与えていると、自然な成長も促されません。

一般的に舌の動きは、前後の動き→上下の動き→左右の動きーーの順で習得されると言われますが、これはそのような動きを必要とする形態のものを順番に与えた場合の話で、早い段階から固形の食品に触れると、トロトロ状の離乳食からゆっくりと段階を踏む方法に比べて、早く舌の左右の動きがみられるようです。
食べるものによって機能が育つ!と言っても過言ではありません。

重要!舌の動き

舌は正しい発音や呼吸にも役割がありますが、食べる動きをしっかり身につけられるとそれらの機能も一緒に育ちます。その後の「おくちポカン」や口呼吸、鼻づまりなどに悩まされずに済むかもしれません。

食べる動きを身につける過程を大切にすると、食べること以外にもいいことがあります。

「お口ポカン」
舌が正しい位置にあると口は自然に閉じます

まとめ

歯や舌の機能を活用させることで、食べる動きが育ちます。

そのため、乳幼児期は、子どもが食べやすいもの、欲しがるものに限らず、大人が適切なものを選んで与えることが大切なポイントです☝

はじめは食べることに時間がかかるかもしれませんが、大人と一緒に食べる過程で真似し、試行錯誤しながら上達していくのが楽しみな時期です🎶
幼児期以降、大人と同じように食べられるようになるためにも、歯の生え方も見ながら食べ物もステップアップさせ、お口の発達を促しましょう。

そのために大人ができることは…
挑戦する機会を用意してあげること
・見守ること
・一緒に同じものを食べてお手本となること

3回にわたり、歯の生え方と食べるステップについてお伝えしました!
歯が生えているからといっても、①、②のステップを踏まずいきなり③のステップはできません。ぜひ、前から順番に試していってくださいね。

お子さんの試行錯誤して食べることを家族で応援して、楽しい食事を過ごせることを願っています! きっとそれが一番の「お口育て」です。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。
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「歯の生え方と食事」は管理栄養士・もりこが書きました🌻
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参考文献
・平成19年厚生労働省「乳幼児歯科疾患の診療ガイドライン」
・Sakai T et al. Sex-specific differences in the effect of occlusal support on bite force. Odontology. 2016

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