親愛なる...

今月一つ歳をとります。
誕生日を迎えるたびに思い出す

12年前の誕生日にあの子がくれた
「SUPER BEAVER」というアルバム。
彼女との出会いは、ライブのチケットが一枚余ってしまってmixiで一緒にどうかな?って誘ったのがきっかけ。

そこから数年。きっかけのバンドも活動休止して
私もなんとなくライブに足が向かなくなって半年くらい。

「絶対好きだから。ドラムとベースがいい音だし。
歌もギターも歌詞もいいよ!
気に入ったら、対バンやる時は一緒に行こうよ!」
といわれてCDを渡された。

彼女の気になっているバンドとツーマンでやった時にコレは!と思ったって渡された。



あの子が遠くにお嫁に行くことになって、
気軽に会えなくなる日が近づいてきて、
お互いに人生の岐路ってやつに立っていて。

幸せだけど、不安な気持ちとか、心細い気持ちとか
複雑な気持ちを奮い立たせて、お互いに日常を頑張ってたあの頃。

スマホがあるし!
メールとかできるし!
ライブがある時は上京するからお泊まり行こうね!とか。

未来への明るい指切りを繰り返してた。

あの子が花嫁になって、数ヶ月後
気に入ってたバンドと一緒にライブをやる
予定が発表された。
「チケット取るよ!久々に2人で行けるね!
終わったら夜通し話そう」
と言ってくれていたのに…

震災でライブは延期になった。
それと同時にあの子とも会えなくなった。
そして、すぐわたしの妊娠がわかって。
色んな事が同時に起こってしまって、追加公演を諦めた。

私自身、何に怒りをぶつけたらいいのか
どこにこの気持ちを持っていけばいいのか
わからないまま
悲しむことも、怒ることも、悔やむことも
何にもできずに、薄ぼんやりとした悲しみを抱えたまま
出産を迎えて新生児に振り回される日々に突入した。



「バンドのライブきっかけで知り合ったけど
ライブと関係のないところでも、お互いに楽しいことを探して離れてても沢山笑っていよう。
かずが笑って幸せでいてくれる事が私の願いです」

彼女からもらった最後のバースデーカード。
あの日から12年が経とうとしてる。


私はずっと送り先のないメッセージを心の中でつづっている
届いてるかな?


あのバンド活動再開したんだよ。
トリビュートを彼らが歌ってるよ。
びっくりじゃない?

ねえ
あなたと一緒にこの日を迎えたかったよ…




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