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【観劇レポート】2018/05/18『ヘンリー5世』@新国立劇場 中劇場

研究の都合上、新国立劇場が主催している公演をたくさん観る必要があるので、今年度は手始めに『ヘンリー五世』を観てきました(4・5月の『1984』はチケットを取り損ねた)。

席は1階の前から6列目下手寄り。U-25なのでこの良席で4000円。ありがたいです。

概要は公式サイトにて。www.nntt.jac.go.jp/special/henry5/

英国の歴史劇だから、日本人の観客にとっては分かりづらいことを考慮してか、劇場ロビーには年表や関係図が掲示されていた。公式サイトのストーリーも明快で親切。

恥を忍んで言いますが、本作の戯曲は未読かつ世界史に非常に疎い私でも分かる物語なので、そのサービスはやや過剰かなとも思ったけど。

全体的な感想としては、正統派で優等生な印象。だけど私としてはちょっと物足りなかったかな。

国旗や衣装の色彩が象徴的で、本当に「わかりやすい」。でもそれ以上の感動は私は得られなかった。

突飛なことすればいいって訳じゃないけど、こんな解釈するんだ?!というような、鳥肌が立つような鋭さを私は好むので。

でも、ネタバレになるので詳しくは言えませんが、最後に掲げられた国旗は、一見大団円的な結末の背景に何があるのかを彷彿とさせていたように思います。

俳優さんに関しても、観てて萎えるような人はあまりいなかったけど、身震いするほどの演技はこの作品にはなかった気がする。

主演の浦井健治さん、役柄はかなり合ってると思いました。でも滑舌が気になる部分があったのは残念かな。容姿が良いので、もっと滔々と台詞が回せたらますますかっこいいと思います。

後ろにいた観客の夫婦がちょくちょく私語してたのも今回の舞台を楽しめなかった原因かも。作品はエリザベス朝だけどここは現代の日本だからね。現代の日本のマナーに従って観劇しようね、と思った。

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