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エピソード20 雷獣

20 雷獣

雷獣(らいじゅう)とは、落雷とともに現れる
といわれる日本の妖怪。

東日本を中心とする日本各地に伝説が残されており、
江戸時代の随筆や近代の民俗資料にも
名が多く見られる。

一説には「平家物語」において源頼政に退治された
妖怪・鵺は実際のところ雷獣であるともいわれる。

雷獣の外見的特徴は、体長2尺前後
(約60センチメートル)の仔犬、
またはタヌキに似て、鋭い爪を持ち、
尾は24センチほどで何本か生えている
という説もある。

激しい雷雨の日に雲に乗って空を飛び、
誤って墜落するときは激しい勢いで木を裂き、
人を害したという。

中国では『山海経』にこの名があり、
水に入ると風雨を呼び、声は雷鳴の
ようだとある。
その皮で作った鼓は五百里にまで
響くとされている。

雷獣はの正体はテンやハクビシンが、
落雷の影響で死に死体が発見されたりする
ことから出たという説もある。


20雷獣 オリジナルストーリー

ここは戦国時代の下野の国、
長い戦乱の世で世の中は乱れ切っていた。

まだ10歳になったばかりのハルは戦で父も母も
亡くなりひとりで何とか生きてきた。

ある山城から少しはなれた森の中に雷が落ちた。
そこはいつもハルが木の実を取ったり
ヤギたちとすごしてた場所だった。

ハルは森に急いでいた。

ハル:
あいつら大丈夫だったかな?
かなり大きな雷だったからケガとかしてないと
いいのだけれど。

ハルがその場所にたどり着いた時大木が倒れ、
ヤギたちはみな倒れていた。

ハル:
あ~お前たち、、、なんて姿に。
せめて子ヤギたちだけでも生きていないだろうか
、、、 おや何か動いたぞ。  

それは子犬ほどの大きさの動物だった。

ハル:
大丈夫か? お前ケガしてないか?

その動物は「大丈夫だよ」といった感じで鳴いた。
しかし元気のなさそうなその動物を
ハルは抱えて家に連れて帰った。

ハル:
お前ケガはないが元気がないな、
よしオレが何か食べものとってきてやる、
おとなしくしてろよ。   

そう言って家を出た。

すると家の前に二人の武士らしき男が立っていた、
ニヤリと笑った二人はハルに近寄り問いかけてきた。

武士:
小僧、お前は先ほど雷の落ちた森の中から
何らかの生き物をここに連れてきたであろう。
お前が森の中から何かを抱えて家に帰るのを
見ていた者がおるのだ白状しろ。

ハル:
だったらどうだっていうんだ!
あいつは弱ってるんだ、
あんた達に渡すわけないだろう! 
帰れ!

武士:
フフフ、元気な小僧だ。
我らが「ああそうですか」と帰るわけないだろう。

我が城の若君は今、珍しい生き物を集めるのを
趣味となさっておられる。
若君はこの生き物たちを保つ化けるモノと書いて
「ホケモン」と呼んでおり、この竹の毬に
捕まえてこいと我らに命じられたのだ。

今日お前が捕まえてきた生き物は雷神の使いと
される生き物「雷獣」というモノに違いない。 
さあ痛い目にあいたくなかったら我らに渡せ。 

ハル:
城に連れて帰ったらお前達のオモチャにされる
ってことだろう、 
だったらよけいお前らにはぜったい渡すものか!
オレの命に代えても!

武士:
言ったな小僧。
俺達はお前の命なんざこの毬の重さにも感じてねえ。
よし、お前のご希望どおり切り刻んでやる、
小僧覚悟しろ。

ハル:
ここは通さない!
オレの声が聞こえるか? 裏口から逃げろ~

ハルは連れてきた動物に向かって叫んだ。
するとその動物は家からハル達の前に出てきた。

雷獣:
少年ありがとう、弱っている私を助けてくれて、
守ってくれて。
たしかに私は雷の使い雷獣。
大丈夫だ少年、お前が思っているより私は強い!

そう言うと雷獣は武士たちの前に雷を落した。

武士:
お、おぼえてろよ

と捨て台詞を残して武士たちは一目散に
城に逃げ帰っていった。

雷獣:
いざとなると情けない奴らだ。
ところで少年お前の両親はこの戦に巻き込まれ
亡くなったのであろう。
私も農民たちを人とも思わないあの城の城主が
許せない、これからあの城にいってお前達の仇
を討てやるからな。

そう言うと雷獣は天に舞い上がった。

ハル:
あなたはなにもの。
もしかして本当に雷神様の使いなのかい?     

ハルの問いかけに雷獣は答えなかった、
しかしその間に空には黒い雲が押し寄せ、
城の天守閣のあたりには無数の稲光が走っていた。

そして (ドーン)  目のくらむほどの
イナズマが天守閣に落ち城は炎に包まれた。

その炎を身に照らされ雷獣は天に昇っていった。

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