ばなな

おかし戦争

大好きな叔父と叔母の話。

私の母親の姉夫婦である叔父と叔母には、子供がいない。

だからか幼い頃から私と弟をすごく可愛がってくれる。

年にお盆と年末年始くらいしかちゃんと会える機会はないけれども、

私にとっては大事な大事な叔父と叔母である。

4月から社会人になるとなかなか会いに行けないだろうと思い、

夜行バスに乗って会いに行ってきた。

叔父と叔母の掛け合いを見ていると、すごくほっこりする。

お互いのことを大事にしている。

2人で助け合って生きているのがわかる。微笑ましいかぎり。

一緒に過ごしている中で、叔母の奇妙な行動が目に入った。

叔母が家の至る所にお菓子を隠している。

カバンの中、棚の奥、本の後ろ、などなど。

叔父に食べられないようにするためだ。

なぜそんなことをするのか。

叔母がお菓子を独り占めしたいからではない。

全ては叔父のためであるようだ。

叔父は甘いものには目がない。でも、血糖値が高いらしく甘いものは控えなければいけない。甘いものを過剰に摂取しないようにお菓子を隠しているのである。

全て隠しているわけではなく、叔母も一応1日分の食べていいお菓子は目に見えるところに置いている。が、その他にもお菓子を食べてしまうらしい。

だから叔母は、こんなところにお菓子置いとくの??と思うような場所にもお菓子を隠している。簡単な場所だと叔父がすぐ見つけてしまうらしい。叔母が2~3日留守にしている時は確実に隠しているお菓子が減っているという。叔母は叔母で最近物忘れがひどいらしく隠したお菓子のことを忘れて賞味期限切らすこともしばしば。。。

大の大人がお菓子を巡る攻防を繰り広げていておかしかった。

叔母は叔母でここなら大丈夫かな〜とお菓子隠すのを楽しんでいた。

叔父の身体を大切に思っているのが伝わってきてほっこりした。

「おじちゃんには先に死んでほしくないから」「まだまだ元気に生きていてほしいから」と私に語ってくれた叔母。叔父は一時期病気もしていたため確実に体力が落ちているらしい。本人が一番悔しいと思っていることも叔母は分かっていた。私には見えない何か、絆でこの2人は繋がっているのだと感じた。

どうして叔父と叔母が結婚したのかは知らない。恥ずかしくて聞けない。

でも、叔父と叔母は2人一緒だから今を生きることができている。2人とも1人では心地よく生きていくのは難しいだろう。叔母は「私は幸せ者だよ」と言っていて、叔父と一緒になって本当に良かったのだと思った。

別れ際、「社会人になったら忙しくて会いに来れないかもしれないけど、またいつでも来てね」と寂しそうに伝えてくれた叔母。

社会人になったらなかなか会いに行けないと思い今回会いに行った。

しかし、忙しいっていうのは言い訳で機会は絶対に作れる。

大好きな叔父と叔母。いつまでも元気にいてねとはいかない。

絶対いつか別れが訪れてしまう。

社会人になっても、叔父と叔母に刺激と元気を与えるべく、また会いに行こう。

おわり。

私の将来のささやかな夢は愛のあるほっこりエッセイ本を出すことです。サポートしていただいたお金はエッセイ本を作るための費用にあてさせていただきます。