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最近の東京国立博物館はアートのエンターテイメントパーク。

面白い記事がありました。
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東京国立博物館はすごい!


1日かけても展示品を見て回ることはできない規模の、東京国立博物館です。

どれくらい巨大かと言うと、ジョサイア・コンドルが設計して明治15年に開館した本館のほか、平成館、表慶館、東洋館、法隆寺宝物館がそれぞれ独立した展示物を持っております。
その他、日本庭園に茶室、レストランもありますので、ランチを挟んでしっかり見て回ると、かなり足が疲れます…。

東京の田舎、葛飾区育ち。小さい頃から東京国立博物館に連れてこられていた私。
大人になってからは、自分の子供を連れて遊びに行っていた馴染み深い場所です。
40年以上のおつきあいを経て思うのは、

東博の進化はすごい!

この一言です。
昔は文化財の保管施設、研究機関としての色が強くて、薄暗く冷えた館内に展示が並べられていて、今思えば味気なかった…。
今は間接照明でライトアップされて見やすく、ソファや休憩所の設置が増えて、ゆっくり過ごすことができるようになりました。
昔はほんと、寒かった笑

そして、大きく進化して東京国立博物館の価値を高めたと強調したいのは、3つ!

1つは「オープンソース化」


オンラインで収蔵品を公開し、誰でもアクセスできるようになりました。
オンラインなら施設のスペースは関係ないので、画期的なことだと思います。

2つめは「企画力」


東京国立博物館の特別展示は練られた企画が多く、大変見応えがあるのですが、時々とんでもない構想、とんでもない規模の大展示をやってのけることがあります。
例えば2012年、

日中国交正常化40周年 東京国立博物館140周年 特別展「北京故宮博物院200選」


北京の故宮の至宝「清明上河図」が初めて中国国外へ出たという大ニュースに、連日上野公園に行列ができる盛況ぶり。入場制限がかかり、やっと絵の前にたどり着いても人だかりで頭の隙間からチラ見するのが精一杯だったそうです。
あまりの人出に心が折れて、上野まで出向いたのに入場は諦めたのを覚えています。

個人的にインパクトがあったのは、2013年の特別展、
日中国交正常化40周年 東京国立博物館140周年 特別展「書聖 王羲之」

書道を愛好する人にとっては名品中の名品、蘭亭序(らんていじょ)が出展されたので、日本の書道関係者が騒然となりました。
書をたしなむ友人から
「一生に一度の機会だから、絶対に見に行って!」
と詰め寄られてちょっとした事件でした笑

この企画の主催は東博なのですが、日中の民間の書道関係者、それもかなり重い立場の方達の尽力があって実現したと聞いています。
蘭亭序を展示するのであれば、格を吊り合わせる必要があるので、日本からは天皇の宸筆や正倉院由来の仏典、空海や橘逸勢といった三筆三蹟の書を並べたので、日中の文化遺産がずらりとならんで素晴らしかったです。

2012年、2013年は日中国交正常化の節目だったので、文化交流にも追い風があった時期で、中国の文化財がつぎつぎと公開されていますが、それにしてもピンポイントで大物を獲得して展示を仕切った手腕はさすが東博です。

そして、

3つめは「キュレーション力」


収蔵数約12万件、常設展示は3,000件ありますので、毎週どこかの展示室で収蔵品を入れ替えています。
限られたスペースで来館者の興味を引き、新しい気付きを与えるための工夫がされていて目が離せません。
わたしのオススメは、
「特別展」
と、
「東洋館」
展示を見ながら品物の文化的価値や製作された当時の時代背景まで、しっかりと掘り下げて理解できるテーマ性のあるセレクションが素晴らしいです。
品物に添えられた説明書きも丁寧、映像による解説もあります。
そしてなんと言っても、東洋館!
アジア諸国から集められた資料性の高い収蔵品を、ただ並べるのではなく、なるべく当時の姿に近づけた形で展示してあってこだわりを感じます。
展示と来館者の距離が近いのも嬉しくて、グッと顔を近づけて細かいところまで観察できるのもいい。

まとめ

「東京国立博物館で、もっと遊ぼう!」
展示数が多いので、1日で全て見るのは大変です。
ピンポイントで、

お気に入りの作家
興味のある時代
特別展

を選んで、そこだけじっくり見る。
できれば、音声ガイドや観賞ガイドアプリを利用するのがいいと思います。

美術品を好む方はもちろん、友人同士やカップルでも楽しめます。
特に、小さいお子さんがいる方はぜひ、散歩する気分で来館されるといいと思います。
一緒に見て回るのも家族のいい思い出になりますし、お子さんが大人になった時に東博を訪れ、記憶に残っている収蔵品に再会するドラマを用意してあげるのはいかがでしょうか。

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