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オンライン観劇レポート~ストレートプレイ編~

オンライン観劇レポートの芝居編です。ストレートプレイだと長時間が画面を見るのにけっこう疲れてしまいますが、字幕(英語)をつけたり、何回かに分けてみられるのもオンラインならではですね。有名な作品はストーリーを予習しておくのもおすすめです。

National Theatre at Home(ナショナルシアター)

いつも質のいい舞台を上演している、イギリスの国立劇場。前から公演を映画館で上映するナショナルシアターライブはありましたが、今はYoutubeチャンネルで毎週木曜日から一週間、過去の上演作品が観れるという豪華な企画です。オリジナル作品やシェークスピアなどバラエティに富んでいて見逃せません。今のところほぼ制覇しています。(「アントニーとクレオパトラ」だけは見逃しました…日本語で予習もしたのに 泣)

「ジェーン・エア」シャーロット・ブロンテの小説を原作。主人公のジェーンを一人の俳優が生まれた時の赤ん坊から演じます。彼女含め役者の身体性に驚かされます。3時間近くあった公演で体力と声をあれだけ持たせるなんて、プロだから当たり前なんでしょうが…舞台俳優はアスリートと言われるのにも納得。

「十二夜」お馴染みシェーイスピアの作品。舞台設定や衣装が現代的で、双子の一人、セバスチャンが(確か)バイクに乗っていたり、途中でライブハウスが出てきたりします。注目なのは、マルヴォーリオというこの作品で脇役なんですが、ストーリの複線の主役と言ってもいい人物(執事役)を女性の設定に置き換えていたところです。お嬢様(オリヴィア)の執事として周りのスタッフに傲慢に振る舞っていたマルヴォーリア(女性の名前に変更されている)が罠にはめられて、落ちぶれる様子をタムシン・グレイグ(Tamsin Greig)が演じています。ラストにマルヴォーリアが階段を上っていく後姿が印象的でした。コメディーなのですが、彼女の演じるマルヴォーリアが本当にかわいそうで、この作品はマルヴォーリア(オ)で決まると言えますね。

「フランケンシュタイン」イギリスの同名ゴシック小説を舞台化したものですが、主役の怪物役とフランケンシュタイン役をベネディクト・カンバーバッチとジョニー・リー・ミラーが入れ替わって演じる2バージョンありました。私はカンバーバッチが怪物役バージョンを見たのですが、怪物の体や声の使い方、究極でした。この作品のテーマも人は神(創造主)になれるのかという深いものです。

「欲望という名の電車」アメリカ人劇作家テネシー・ウィリアムズの作品。ヴィヴィアン・リーとマーロン・ブランドの映画でも有名。舞台が中央にあり、観客が周りからみるという構成。その舞台が回転していて、客は様々な角度から見ることができます。(初めはカメラが舞台の周りを回っているかと錯覚しました。そういう狙いもあるのでしょう)私は昔に映画版を見ましたがそれよりも、主役のブランチの狂い様が強調されていて、3時間の芝居でも飽きずに観れました。

その他にも、"One Man, Two Governors"(ジェームズ・コーデン主演)「宝島」(これも主人公が少年じゃなく少女に変更)や"Barber Shop Chronicles"(訳すと「床屋年代記」?、異なる6つの町でのアフリカン経営の床屋で男たちが政治、家族、スポーツなどを話し合う)がありました。今週は"This House"、今後はシェークスピアのコレオレイナス(トム・ヒドルストン主演)。

Shakespeare's Globe(シェイクスピアズ・グローブ)

ロンドンにある、もとのグローブ座を再現した野外劇場で、春から秋にシェイクスピア作品を上演しているそうです(冬は併設された屋内劇場)。舞台正面の客席は立見席で屋根はなく、周りは着席。当時を再現するために、音楽は生、照明や大がかりな舞台装置はほぼありません。ここもYoutubeチャンネルで、2週間ごとにシェイクスピア作品を公開、そこから2週間は見れます。今まで「ロミオとジュリエット」「ハムレット」「二人の貴公子」などがありました。特別版として学生向けの「マクベス」(90分ほどの縮小版)はまだ見ることができます(学校が再開するまではアクセスできるそう)。今は「冬物語」、次は「ウィンザーの陽気な女房たち」が予定されています。

Lincoln Center Theater

前回のミュージカル編でも触れましたがリンカーン・センターも芝居やバレエ、オペラも公開しています。6月からは"Broadway Fridays"ということで毎週金曜に一作品。このシリーズではないですが、先日観たものは"Pipeline" という作品。ニューヨークの公立学校の教師として働くアフリカンアメリカンのシングルマザーが、息子が学校で起こした事件を機にどうやって向き合っていくか。現在のアメリカを、人種問題も含めてジョークも交えながらよく描かれていました。

まとめ

全部見ていたらきりがないのですが、家でもお芝居が観れる最高の機会です。生の醍醐味にはかないませんが、劇場が再開するまで、できる限りのことはしたいと思います。演劇はイギリス発の作品が多いのでいつかウェストエンドに行って生で観たい!以下リンクです。

ナショナルシアターYoutube

シェイクスピアズ・グローブYoutube

リンカンセンターシアターYoutube








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