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お笑い『ウルトラマンレオ』…「その顔はなんだ?!その目はなんだ?!その涙はなんだ?!」

第二期ウルトラシリーズで、私がまともに評価しているのは「帰ってきたウルトラマン」の11月の傑作群と、「ウルトラマンレオ」の特訓編だけである。「ウルトラマンエース」はなんだか設定から路線変更まで、すべてが中途半端であり、「ウルトラマンタロウ」は一部の頭のおかしい人たちが評価しようとしていますが何回見直してみても「まともに評価できるシロモノではありません」。

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というわけで、「帰ってきたウルトラマン」の11月の傑作群については、有名な特撮評論家の方々が解説なさっておられますので、私は「ウルトラマンレオ」の特訓編について、考察を深めたいと思います。レオの「特訓編」は第一話〜第二十一話まで続いているというのが定説です。では、とくに過酷な特訓に解説を加えていきます。

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■第一話「セブンが死ぬ時!東京は沈没する!」、第二話「大沈没!日本列島最後の日」

第一話と第二話は「前後篇」です。おおとりゲンは、空中に吊るされて、クルクルときりもみさせられて、キックを繰り出す特訓を受けます。そして必殺の「きりもみキック」を編み出します。必殺技といっても「使い捨て」で次回以降は別の技を編み出さねばなりません。もっと詳しく説明しますと、まず天井にぶら下げられた装置で空中回転を習得、次にトランポリンなどでジャンプして空中回転するスキルを体得し、その後、外でジャンプして回転降下し、両足キックで巨大な岩を砕くというもの。文章ではイマイチ想像しにくいと思います。書いている私もこんがらがってきました。映像がユーチューブにあったので観てください。

病室から飛び出して走っていくゲンを「こっそりと待ち伏せ」して、ゲンが来たら「つえで殴りつける」モロボシ・ダン。いまの時代では、絶対につくりだせないパワハラ行為です。MACはブラック団体です

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■第三話「涙よさよなら・・・」

ゲンが働くスポーツクラブの生徒であるトオルと妹のカオル、その父親が、当時流行っていたフィンガー5の「恋のダイヤル6700」を「リンリンリリン♬」と歌いながら楽しく夜道を歩いています。と、突如、あらわれたツルク星人が子供ふたりの目の前で、父親を「真っ二つ」にして殺してしまいます。これはもう完全に「トラウマ」になりますね。皆さん、お父さんが目の前で真っ二つにされて正気が保てますか?

孤児になったふたりをMACの鈴木隊員が引き取りますが、鈴木さんもツルク星人に惨殺されます。宅間守のような悪質さ。ツルク星人は完全に狂っております。

この事件を知ったダンは、ゲンにこう言います。

「滝の水を切れ!」

そういわれても、困りますよね。細かい説明をしないのがダン隊長の信条、ほかは何も言いません。

ゲンは「できないぃぃぃぃ!!」と途方に暮れます。そら、そうでしょう。

弱音を吐くゲンの前にダンが現れます。何がアドバイスをくれるのかな、と期待してると、

「その顔はなんだ?!その目はなんだ?!その涙はなんだ?!」

怒鳴るだけでなく、ゲンを杖で殴りつけます。虐待です。暴力です。

「おまえがやらずに誰がやる!おまえの涙で奴が倒せるか!この地球が救えるか!みんな必死に生きているのに、くじける自分を恥ずかしいと思わんのか!!!」

まあ、正論といえば正論ですが。心が弱っている人間を更に追い込むなんて「戸塚ヨットスクール」の戸塚宏のようです。

まあ、ゲンはダンをこれ以上怒らせると「マジ、やばい!」と思い、再び、特訓へ。滝の流れに流れてきた「花びら」を見つけ「目標があったぞ!」と滝の水を斬り、必殺技「流れ切りの技」を会得し、レオに変身。ツルク星人を倒します。

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■第六話「男だ!燃えろ!」

宇宙ステーション勤務の白土隊員がひさしぶりに地球に戻り、友人のゲンや恋人の洋子と会います。話ははずみ、夜になってしまいます。白土隊員はゲンに「洋子さんを家へ送ってくれ」と頼みます。(なぜ、白戸さんはゲンに頼んだのでしょう?ゲンがムラムラして洋子さんを・・・と考えなかったのでしょうか)

ゲンは洋子さんの護衛をしますが、カーリー星人が突然あらわれて、ゲンがいるにもかかわらず「洋子さんを惨殺」します。ゲンはレオに変身しますが、叩きのめされ、星人に逃げられてしまいます。

当然、白土隊員は怒り狂います。友情も崩壊します。白戸隊員は復讐を誓い、MACに入隊、射撃訓練に励みます。

で、当然のごとく、ゲンは特訓します。大木の上から吊るした二本の丸太棒をスイングさせて、空手の蹴りや突きで攻撃します。丸太棒をカーリー星人の日本のツノに見立てたんですね。さらに、丸太棒の先を鉛筆のように尖らせて、さらに実践的な特訓を。不規則に揺れて突っ込んでくる丸太をかわす訓練を重ねます。

まらもやカーリー星人があらわれて、黒田隊員と青島隊員が重症を負います。

ゲンは特訓の効果があらわれません。と、金属の杖が丸太を吊っていたロープを切り裂き、丸太がゲンを直撃しそうになります。ダンの仕業です。精神がボロボロになっているのに、ダンはゲンを杖で激しく殴りつけます。「時計じかけのオレンジ」のアレックスの超暴力を超えました

ダン「その腕では、まだ無理だ。白土隊員の射撃の腕のほうが上だ」

と言葉の暴力でゲンをさらに追い込みます。比較しながら「けなす」上司、絶対にやってはいけない行為です。こんな組織、私なら、とっくに辞めています。コンプライアンスも何もあったもんじゃありません。

で、何を思ったのか、ダンはジープに乗ってゲンを追い回します。

「ゲン!逃げるな!逃げるんじゃない!!」

いや、普通、逃げるでしょ。死にたくないですから。

で、ゲンにおいつくと、金属の杖でゲンを殴りつけ、さらに追い込みます。約二分間、このイジメが続きます。

ゲン「お願いです!やめてください!隊長おぉぉぉぉ!」

ダン「ゲン!クルマに向かってこい!向かってくるんだ!!」

最後に、ゲンは飛びます。そして崖から転がり落ちます。

ちなみにこのとき撮影に使ったジープはブレーキが壊れたけていたとか。本当に真夏竜は殺されてたかもしれないのです。だから、このシーンの真夏竜の目が血走っているのです。監督は「怪獣使いと少年」の東條昭平さんです。

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■さいごに

はじめは、もっといろんな特訓を紹介するつもりでしたが、あまりに内容は「非情」なので書いていて辛くなりました。このへんでいったん筆を休めます。続きは、またの機会に。

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