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エアポケット

1年前。


2022/8/14

八方塞がりだ。子どもたちのことを考えると、現状維持しかない。苦しみは続き、何とか自分で自分を励ましながら歩いて行くしかない。限界を迎えてはまた立ち上がり、歩き出してはまた倒れる。そうやっていくしかない。自家発電だ。それもきつい。


夫婦関係がどん底だった。
この翌週、私は問題解決に向けて
相談機関を訪れている。



1年後。


2023/8/14

今、めちゃくちゃエロい動画をまた送って来た!見ちゃった。もうとんでもなくエロかった。鏡の前でこういうのしたい、って言ってる笑。ああ、でもいいな、このプレイ。会えなくても、彼に犯されてる感じがする。彼に「こういうのして」って言われてるみたいで興奮する。


今の私の関心事は、
彼とのセックスだ。




振り返ると
このふたつの日付の間に
ぎっしりと
いろいろなものが
詰まっていた。

夫について、
それから
現在の恋愛について、
それはnoteで
散々書いているので省略。


改めてこの1年の日記を
読み返してみると、
「これって今年だったんだ」
「あれからまだ
 1年経ってないんだ」
って思うことだらけだった。

いろんなことがあり過ぎて、
それが全部、
この1年の中に詰まっているなんて
自分でも信じられなかった。

そしてそれらが全部、
私の身に起きたっていうこと、
こんな歳になって、
結婚・出産・子育てを経た、
その先の私に起きたっていうこと、
何よりそれが信じられなかった。


1年前はそんな状態だったが、
彼とは結局、昨年中に出会っている。
出会ってから先は、
日記も彼で埋め尽くされている。
恋愛についての日記なんて
どれも似たようなものなのでは。
ちょっとしたことから
彼の気持ちを推し量って一喜一憂。
あんなこと言われた、
こんなこと言われた、
それだけでその日のページが埋まる。
私もご多分に漏れず
そんなものを書き散らかして来た。


彼と出会った衝撃で
私はぐらぐら揺れていた。
だけど最近
揺れが収まって来たかな、と思う。
アップダウンを繰り返して
その波が段々小さくなって
今は凪いでいる。

何があったというのでもない。
特別な出来事はない。
でもこうして振り返ってみると
私が落ちているときも、
気持ちが途切れそうなときも、
全部諦めたくなったときも、
私をそんなふうにしたのは彼のくせに、
そこから私を掬い上げたのもまた
彼自身の手だったんだなあ、
と思う。

そうやってここまで歩いて来て
それでやっと、
少しだけ、
信じられるようになったのかな。
というか、
信じることに決めた。
そういうことなのかな。


騒がしかった街を抜けて
私は今エアポケットみたいな
静かに凪いだ場所に居る。
その先を曲がればまた
喧騒の中に戻るのかも知れない。
でも今は、
とても静かなところに居る。

いいことも
いやなことも
何も心に浮かばない。
真っ白になっている。

1年後の私を
ここに連れて来てくれて
本当にありがとう。

この景色を見せてくれて
本当にありがとう。


次はどんなプレイしよう?
そう言い合える人が居る
2023年8月15日。

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