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これからの学級経営では子どもの実態を踏まえた効果的なリーダーシップをとる。

 今回のテーマは「子どもの実態を踏まえた効果的なリーダーシップ」に関してです。今回私がこのようなテーマで執筆しようと思い至ったのには理由があります。初任校から2校目への転勤における出来事です。初任校は比較的落ち着いた学校で、日々の学級経営を充実させて過ごすことができていました。しかし、2校目の転勤を経験し、児童の実態が大きく異なることから「今までの学級経営が通用しない」という経験をしました。今まで通りの方法を実施しても、それで子どもが納得して行動することがなかったのです。そこで現在起こっている学級経営に関する諸問題は「教師のリーダーシップ性と児童の実態のミスマッチから起こることが原因ではないか」と考えるようになりました。いくら教師に強いリーダーシップがあったとしても、その型が子どもたちにマッチしなければ通用しないのです。このような経験から子どもの実態を見極めた上で教師は自身の方向性を定めていかなくてはいけないと感じるようになりました。逆に言えば、子どもの実態と自身のリーダーシップ性をマッチさせれば充実した学級経営が行えると感じています。

①まずは児童の実態を知る。

 4月の当初は「さて、今年はこんなクラスにしよう」なんて心躍らせて子どもたちと出会い、様々な取組をしていくことかと思います。しかし、そこで少し待ったをかけたいと思いうのです。そこに「児童の実態はあるのか」という点です。子どもと出会う前に今年のクラスの理想像を描くのは無理があります。子どもの実態を知らずして教師のリーダーシップ性だけが独り歩きしているような感覚です。この時点のミスマッチが学級崩壊につながっていく可能性を大きくしているとさせ思うのです。まずは児童の様子を観察する。クラスの特徴を理解する。そんな診断期間が必要なのです。お医者さんだって、患者さんの様態を観て治療方針を決めます。それは至極当たり前なことですが、教師は自身の想いに関する比重を重くし過ぎているように感じます。

②実態を知ればリーダーシップの型を決める

 児童の実態を把握すれば、次に教師のリーダーシップ型を定めていきます。『今年のクラスにはこのような児童が多いので、教師はこのようにリーダーシップをとっていこう』と方向性を定めます。

A:指示型
 リーダーは具体的な指示を与えて自らやって見せ説明し、頻繁にフィードバックを与えていく。
B:コーチ型
 具体的な指示は与えるが、その理由については説明しながらも子どもの意見を吸い上げ、意思決定に取り入れていく。
C:支援型
 リーダーと子どもが共同で意思決定を行う。基本的に教師はファシリテーターとして機能する。
D:委任型
 そのほとんどを子どもたちに任せる。
        (SL理論より)

 教師のリーダーシップをカテゴリー分けし、子どもの発達段階に応じてその型を使い分けていくのです。4月当初はAの型は有効になることが多いです。しかし、6年生であればBの型から始めても良いかもしれません。このように教師のリーダーシップ性と子どもの見極めを行い、具体的な行動を決めていく必要があるのです。

③そして、子どもと関わっていく

 子どもの実態を知り、教師のリーダーシップ性を定めることができたらそれに応じて子どもと関わっていきます。例えば教師が主体となる指導行動が4月当初は多いとします。しかし、徐々に子どもたちは変化していきます。その変化に合わせて子どもの主体性を重んじた指導行動やファシリテーターとしての教師の役割りを増やしていくのです。目の前の子どもをよく観察し、教師の方向性も徐々に変えていくわけです。時には少し後退することもあるかもしれませんが、それで構わないのです。そこのミスマッチが生まれることが、子どもの不信感を抱くきっかけとなっていくのです。子どもと自分自身をよく見つめ直し、取り組んでいくことが必要なのです。

④終わりに

 私はこれからの教師は「リーダーシップ性を変化させていくことのできる人」が求められていると感じます。もちろん、教師としてぶれない部分は必要です。しかし、変えなくてはいけない部分も同じくらい大切だと思うのです。これからは間違いなく変化が求められる時代です。その変化に対応できるように。まずは子どもの実態把握と教師のリーダーシップ性を見つめ直していくのはどうでしょうか。



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