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【体験談】台風19号・備えと避難

洋裁師として自営業をしているAN(アン)です。
いつもの仕事とは切り離して、youtube投稿やブログ投稿などしてます。

あまり縫物に関連しない内容かなと思うのでnoteに投稿してみます。

まずは、台風19号で被災された皆様にお見舞い申し上げます。
一刻も早く日常生活に戻れるよう、お祈りしております。

令和元年の秋口に発生した先の台風15号により、アトリエは屋根が飛んで中身がビチャビチャになるという被害を受けました。
その時の内容はこちらにまとめてあります。当noteはその続きです。

台風15号により被害を受けてから約1か月…
史上最強クラス!?の台風19号「ハギビス」が発生して、関東に直撃するというニュースを見て

「今度こそ屋根が全部飛ぶんじゃ…」

と不安のあまりに備えた事と、避難所への準備について書きたいと思います。
避難所への持ち物に関しては、地震の時の避難について書かれた記事は多いものの、台風の時の避難について書いている物はあまりないっぽいので
もしかしたら役立つかもしれません。

■アトリエの備え■

前回の台風で空いた穴は修理されて塞がれているとはいえ、屋根のほかの部分も見えないダメージを受けている可能性があります。
飛んだのは風よけになるような建物が無い側で、飛ぶとしたら同じ場所かその付近であると予想して、屋内でありながらビニールシートで養生することにしました。

千葉県南部の本格的に被害があった場所でも、同様に養生されてる方が多いようでしたが…屋内なのに濡れてもいいようにって考えた事が無いので
どの程度までやればいいのか…。
とりあえず濡らしたくない物はプラスチックケースに入れた上で、蓋のないものはゴミ袋で覆うなどしました。
それらをなるべく近い場所に固めて置いて、床から離して置き、上からビニールシートを被せて、テープで固定。

窓は雨戸なんてありません。
窓全体の半分の数に日焼け防止フィルムを以前より貼っていました。商品の保護の為でしたが、飛散防止になるのでそこは何もせず。
貼れてなかったスリガラスの窓だけ養生テープを米印に貼りました。

これでダメだとしたら強い風が吹き込んだということで、屋根どころか窓も割れて壁が無いかもね…ってレベルなので、もっと頑丈な建物に荷物を避難させる等の対策しかしようがないと思います。

あとは保険!
以前見積もりをお願いした保険会社は高いのがわかっていたので他社に問い合わせ。
よくあるネット保険みたいな、ネット上で手続きが完了するような感じではなく、問い合わせて見積もりを取って、担当者と打ち合わせて…という面倒な感じ。
時間が無いのになかなか返事が来ず焦っていると、
USENの「お店のあんしん保険」というのが目に留まりました。

念のため電話して、ウチの条件で補償されるのかとか、こういう場合はどうなるのか…などなど聞いて申し込み。
翌日から適用されるとのことで一安心。
最初に見積もりを貰ったところの半額近い金額で、本当に補償されるのかどうか謎ですが、急いで入りたい人には良いかと。(回し者ではないです)

因みに問い合わせた他社からの返事は「台風が来てるので新規受付は休止してます」でした。なんじゃい。

■家の備え■

前回の台風の時に安心感が段違いだったので、雨戸を閉めたり外の物を中にしまったり、物干し竿を地面に下ろしたりといった程度で良いと判断。

あとは停電しても良いように、数日前から冷蔵庫と冷凍庫の中身を消費する事を考えつつ料理。
パンがスーパーで品切れだったので、家にあった強力粉と自家製ジャムでパンを焼いておきました。

■避難開始■

うちには小さい娘が居り、私自身も妊娠中なので避難指示が出ても機敏に移動することが出来ません。
住まいの方は建物の構造が頑丈ではあるものの、ハザードマップを見たら近くの川が氾濫や決壊したら水没するとなっていたので、早めに避難することに。

アトリエの近くの避難所が水没する可能性が低かったのでそこに決め、車で移動しました。
もし車が止められなかったら、私と娘と荷物を避難所で下した後に運転手の夫がアトリエに車を止めて徒歩移動する考えです。
なので荷物はリュックに入るだけ!と厳選する必要がなく…かといって多く持っていくと邪魔だし、本当に悩みました。
人生初の避難所なので何が必要かネットで調べるも、地震の時の避難の情報ばかりで台風の時の一時避難についてはほとんど情報がなく、持って行ったけど必要なかったなと思う物も…
近々キャンプに行く予定がありキャンプ用品を買い集めていたので、それも早速使うことにしました。

◎持って行ってよかったもの
・床に敷くジョイントマット
 アウトドア用とかではなく、いつも家で使っているクッションマット。
 小さい子供のいる家庭ではだいたいあるカラフルなアレです。
 避難所では敷物の支給がありましたが、分厚いものは先着順。
 それが無くなったら薄手の物しかなく、
 殆どの人たちは持ち込んでないようで辛そうでした。
・寝袋
 コストコで購入してた二人用と、独身時代から持ってた一人用の二つ。
 どちらも封筒型で、ファスナーをあけたら敷物代わりにもなるし、
 夜は当然ですが寝具として使用。
・電源マルチタップ
 停電する可能性はありますが、それまではなるべく充電しておきたい。
 早く避難所に行ったおかげでコンセントの近くに場所取りが出来ました。
 みんなが使えるようにマルチタップを刺し
 「空いてるところ お使いください」とメモをつけておきました。
・USB充電器
 2セット持って行き、ケーブルは予備で1本追加。
 接触不良で充電できない人に貸したりしました。
・バスタオル
 畳んで枕に、広げて娘のタオルケットとして。
・トイレットペーパー
 最初は良かったのですが、
 時間が経つと備え付けのトイレットペーパーが無くなりました。
・子供用の娯楽アイテム
 タブレットとトランプ、いつも遊んでいるお気に入りの玩具
・お弁当
 冷蔵庫のありものではありますが、昼・夜の分のお弁当、
 翌朝分として焼いたパンを用意。
・お菓子
・使い捨て食器
・水など飲み物
・ティッシュ
・ウェットティッシュ
・洗面道具
・レジ袋などゴミ袋になるようなもの
・イヤホン
・モバイルバッテリー
・ランタン
・着替え(一泊分)
・頭痛薬、絆創膏など
・保冷バッグ
・ペンやマジックなど
・ハンガー

〇一応備えたもの
 もし1泊だけで帰れなかった時の為に用意した物。
 車の中に積んでおいたのですが、
 もし水没してたら車も沈むわけで、どのみち使えなかったかも
・レトルト等の食品
・カセットコンロとガス
・キャンプ用の鍋類
・高密度ポリエチレンの袋

 120度まで耐えるので、湯煎調理に使えます
・着替え(2泊分)
・テント

 キャンプ用ので、ガチで長期だと必要かな~と思いました。
 公園とかに持ち込むようなポップアップテントでも良いですね。
 でも今回は1泊だったので他の人もテントは持ち込んでおらず。
 場所が狭かったりすると迷惑になりますし、状況次第かなと思います。
 気持ち的にはパーソナルスペースの確保にすぐ広げたかったですが…。

△要らないなと思ったもの
・ヘルメット
 避難時に徒歩だったら必要だったかも。使わず邪魔なだけ。
 娘は車の中で被って気分を高めてました(かわいい)
・スリッパ
 避難所にありました。子供用は無いので別途用意しても良かったかも。

■避難所にて■

車は、広い校庭に問題なく停められました。
避難所は体育館で、私達がついた時は館内の壁3辺に沿って1週、場所が無くなっていたという程度でガラガラ。
コンセントのある場所を確保でき、マットを広げて過ごしました。
見渡すと、高齢者や赤ちゃん連れ、障害のある方が主に避難しているようでした。うちと同じで、何かあってからではすぐに行動できないからでしょう。
夜になるにつれて徐々に増えていったとはいえ5~8組程度。
TVとかは無く、物凄く暇だったのでAbemaTVのアプリをダウンロードしてイヤホンをして情報収集してました。
スマホはUQモバイルの2ギガプランで、節約モードにしていれば通信速度は遅くても使い放題なのです。
画質が悪くてモザイク状態でも音声は問題なく聞こえます。
あとは市のサイトや、水位の情報ページ、twitterを巡回してました。

親としては昨日から準備してた疲れが出てぐったりしてるのに、娘は元気いっぱい…
隣に来た家族の、9歳の女の子が一緒に遊んでくれて助かったので、お礼にジュースやお菓子を分けました。

よく、長期で避難所に居るとプライバシーが保たれずストレスになるので衝立や仕切りが必要…といった話を聞きますが、1日でも結構ストレスでした。
避難所には色んなタイプの人が来ます。
場所はいっぱい空いているのに、横になってゴロゴロしているとはみ出て来るのか、こちらのマットの上に侵入されるなど、パーソナルスペースの確保がされないのもストレスでしたが、自分の子供が騒いでしまって周りに迷惑を掛けるんじゃないかというストレスもありました。
二泊目になったらきっと、ソッコーでテントを立ててますね!

台風のピークが過ぎて風が止んできた夜中、夫がアトリエの様子を確認しに行こうとしてくれましたが、吹き返しの怖れがあったので引き留め、朝まで寝る事にしました。
しかしなかなか寝付けず…2時頃に寝れたと思ったら4時過ぎに起こされました。

利根川が氾濫危険水位に達したので、校舎の2~3階に移動の指示が出たのです。
あわてて荷物をまとめて移動。
当然ながら2階より3階の方が安全なので、3階に人が集中。
いつのまにか避難民が増え、蒸し暑くなりました。
情報が出てからすぐに人が集まりだしたので、皆さん準備はされてたのでしょう。
ペットを連れたグループが多かったように思います。
近くにある別の避難所も開設されていました。

日が昇り始め、校舎の窓から不安そうに利根川を眺める人が多く居ました。
お年寄りが「あんなに水がいっぱいになってるのは見たことがない」と口々に話しており、今回の台風の凄さを感じていました。

それから水位上昇は止まり、避難勧告は解除されてなくても「もう大丈夫でしょ」と帰っていく人がちらほら。
ウチも自家製パンをかじりながら情報とにらめっこしつつ、水位が下がり始めてしばらくしたら撤収することにしました。
正直、一刻も早く帰りたかった。もう疲れが限界でした(早い)

帰りにドキドキしながらアトリエに寄ると、屋根は無事で被害は一切なく。
家も無事でした。

本当によかった…。

帰宅してシャワーを浴びて、馴れたベッドで泥のように眠りました。
娘も夫も、夕方過ぎても寝ていたくらいで…避難中はちょいちょい仮眠してましたが、みんな疲れてたんだなと思います。

■振り返り■

1泊でこれなんだから、長期間避難所生活を余儀なくされたら耐えられなさそう…。
これを書いている今現在でも、川の氾濫や決壊により家が浸水して避難所に泊っている方達が多くいらっしゃいます。
ニュースで「3泊目です」と答えている老夫婦を見て、やるせない気持ちになります。

今回、停電が無かったので情報収集も容易でしたが、情報も断絶されていたら…
水道も止まっていたら…
台風はまだ予測できるから良いけど地震だったら…
考えるほど、災害の備えは大事だなと強く思うようになりました

今回やった備えは結果的に無駄だったかもしれませんが、こればかりは運なので、備えるに越したことは無いと思います。

ところでウチには20代の女子スタッフも居て、別の避難所に居たのですが、
彼女はキャンプが大好きな為、避難所に行くのに備えすぎて(?)
「麺作ろうと思ってバーナーとか持ってきたのに火気厳禁だった」
なんてアホなLINEが来てました(汗
…うん、屋内はダメだろうね…外だと台風来てる最中は風が強いから使えないよね…。
備えは大事ですが、すぐ帰れる可能性もある場合はほどほどに…。

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