完璧な自然のタイマー:夏の訪れと秋の訪れは、虫たちの声が教えてくれる

9月9日。今日は重陽の節句。五節句の中のひとつで、「菊の節句」とも呼ばれていますね。

1月7日●人日の節句(七草の節句)
七草粥を食し、その年の健康を願う。

3月3日●上巳の節句(桃の節句)
雛人形を飾り、ちらし寿しやはまぐりのお吸い物を食ベて、女の子の健やかな成長を願う。

5月5日●端午の節句(菖蒲の節句)
五月人形やこいのぼりを飾り、男の子の健やかな成長と立身出世を願う。

7月7日●七夕の節句(笹の節句)
短冊に願いを書き笹に吊るし夢成就を願う。

9月9日●重陽の節句(菊の節句)
菊の薬効により健康を願う。また、「後(のち)の雛」としてお雛様を飾る。

やさしい漆ウェブサイトより)


ひとつの節目の日なのですが、最近は暑さも随分とやわらいで、初秋の風が心地よく感じられるようになってきました。

そんな時に聴こえてくるのが、鈴虫の鳴き声。


私は東京都内に住んでいるので自然が多い場所とは言えないのですが、それでも毎年夜になると、どこからか鈴虫の鳴き声が聴こえてきます。

梅雨明けと共にセミの大合唱が毎日聴こえてきて、「夏だなぁ」とその声に聴き入っていたのですが、バトンタッチするかのように今度は鈴虫が登場します。


何気なく過ごしてきた夏の訪れと秋の訪れ。よく考えたらすごいミラクルが起こっているんだな、と思いを馳せてみました。

誰に教えてもらう訳でもないのに、梅雨の終わりを感じてセミたちが活動し始める、その短い生涯を終え、「次よろしくね」と言わんばかりにバトンを鈴虫に渡して、秋に移り変わる。

毎年繰り返されるこの自然タイマーの完璧さに、改めて感動しました。マザーアースの、見事な生の表現と言いましょうか。


そして、目の前で起こる奇跡に「あぁ、夏だね」「あぁ、秋だね」って、心を動かされる私たち。


以前は気にも留めなかったけれど、ようやくこういった当たり前の奇跡に気づくことができるようになってきました。


情感そそられる虫たちの声ですが、どうやらそう感じるのは日本人特有のものなんだとか。つらつらと、したためてきましたが、日本人以外の人はそう思っていない!というのもまた一興。

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