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「今が大きな転換点」CSOの目に映るYOUTRUSTのこれから

現在はYOUTRUSTのCSO・事業開発本部長として、全社戦略を担う金子さん。YOUTRUSTのプロフィールにも“「戦略」を軸に生きています”とあるように、戦略に重きを置いてこれまでのキャリアを歩んできました。そんな彼がなぜYOUTRUSTに入社したのか。そしてこれから、YOUTRUSTでどんな戦略を描いていくのかを聞きました。

執行役員CSO / 事業開発本部長 金子 彰洋
早稲田大学法学部卒業後、2012年株式会社サイバーエージェントに入社。クリエイティブとしてキャリアをスタートしたのち、データやテクノロジー、メディアの専門職を経て、ブランドマーケティング部門の立ち上げや戦略局長、DX事業責任者を歴任。2021年10月に株式会社YOUTRUST入社。2022年1月キャリア事業責任者就任、同年4月執行役員就任。2023年CSO就任。全社戦略、ビジネス部門の管掌、ファイナンス、LLM Innovation Center等に従事。

「今飛び込まないと後悔する」数ヶ月迷った末に決意したYOUTRUSTへの入社

――YOUTRUSTに入社するまでのキャリアを教えてください。

早稲田大学の法学部を卒業後、新卒でサイバーエージェントに入社。それからYOUTRUSTに転職するまで10年勤めました。

入社時の配属はクリエイティブ職で企画制作に従事し、その後、テクノロジー部門やメディア部門でも企画専門職として経験を積みました。そんな中、社内でデジタルマーケティングを中心としたブランド広告領域に挑戦しようとの機運が高まります。「次世代ブランド戦略室」というチームが立ち上がることになり、スタッフサイドの企画職の責任者に任命されました。サイバーエージェントでの核になる経験ですね。

マーケティング部門や戦略部門と呼ばれるチームの立ち上げに携わり、事業売上もかなり伸ばすことができました。さらにコロナ禍以降は、DXに関する新規事業責任者も兼務。所属していたのは広告事業部ではあったものの、最適アロケーション分析や配信プロダクトの開発、商圏分析や位置情報データ活用など、いわゆる広告制作以外の仕事にも幅広く取り組んできました。専門は戦略であるものの、とにかく手広く取り組んできたのでジェネラリスト寄りのキャリアだと認識しています。

――YOUTRUSTとの出会いのきっかけについて教えてください。

サイバーエージェントの同期でもある大前が(YOUTRUSTに)所属したことがきっかけです。同期がいるとはいえ、まだ最初は次のキャリアの候補のひとつに過ぎませんでした。

10年間サイバーエージェント一筋だったので、転職を考え始めたばかりのころは世の中にどんな会社があるのか、ちゃんと知らなかったんですよね。他のスタートアップを含めてさまざまな企業の話を聞きました。仕事を手伝わせてもらったり、座談会をひらいてもらったり。でもやっぱり最終的に一番ピンときたのはYOUTRUSTだったんですよね。

――ピンときたとはいえ、10年勤めた会社を辞めるのには勇気がいったのではないでしょうか。

「YOUTRUSTに行くか、このまま残るか」の2択で数ヶ月かなり悩みました。サイバーエージェントは本当にいい会社だと思っていましたし、転職の相談を周囲にしても「サイバーエージェントって、とてもいい会社なのに本当にいいの?」と聞かれることも多かったので。不安というよりも、今よりも楽しい会社なんて本当にあるのだろうか、今以上に楽しい仕事ができるのだろうか、という気持ちが大きかったです。

――そんな迷いの末に、YOUTRUSTへ入社しようと決意した決め手は何だったのでしょうか。

最終的に背中を押したのは、「今このタイミングで飛び込まないと後悔するかもしれない」という感情です。サイバーエージェントで働いて丸10年、そして年齢も35歳。次の挑戦をするのにいいタイミングかなと。

40歳までの5年って脂の乗ってくる時期だと思うんですよね。その大事な5年の期間をどこに投資すれば、自分の人生が面白くなったり、キャリアの可能性が広がったり、一層成長できたりするのかと考えてみて、ここでチャレンジした方が自分らしいなと決断し、YOUTRUSTに行こうと判断しました。なんとなくですが、一番自分っぽい場所なんじゃないかと感じたので。

――具体的にYOUTRUSTのどんな部分を面白そうと感じられたのでしょうか。

大きくは3つあって、まずオファーの内容が「抽象的」だったこと。例えば、他社さんからはCMOとしてマーケティングをお願いしたいといった依頼をいただいていたのですが、YOUTRUSTからの依頼は「ビジネスを伸ばしてほしい」ととても抽象度が高いものでした。その抽象度の高さが逆に魅力に映ったんですよね。

プロダクト開発をしてもいいし、自ら営業してもいいし、新たに組織を創ってもいい。数ある手札のなかから最適なものを選んでいく総合格闘技のように仕事ができそうだなと直感しました。ジェネラリスト的なキャリアを歩んできた自分にも、それが合っていると感じたので。

2つ目はプロダクトが「SNS」だということ。これも大きなポイントでしたね。シンプルな副業マッチングや転職マッチングのプロダクトだったら僕は入社していなかったと思います。

ご存知の通り、SNSが極めて大きな力を持つ時代です。そんななかでYOUTRUSTは社会に大きなインパクトを与えるプロダクトになりうると感じました。また、サイバーエージェントでも広告事業で何度となくSNSを活用したマーケティングに助けられてきたので、自分がSNSプラットフォームを創る側になれたら楽しいだろうなという期待もありましたね。

時代の流れとして、転職者が増えていたり国としても副業を推奨していたり、人生100年時代を迎えるにあたってキャリアプランの多様化が進んでいます。その時代の波に乗れる可能性を秘めたプロダクトに魅力と期待を感じたんです。

3つ目は人の良さ。代表の岩崎をはじめ、みんな熱量が高くて一生懸命で気持ちのいいメンバーが多いなと。このメンバーなら、仮にうどん屋さんを始めたとしても、きっと成功すると思える面々が揃っていて、「これは飛び込むしかないんじゃないか」と感じたんです。

広く弱い繋がりを通じて、キャリアビルダーを作る

――入社してまず、どんなことに取り組まれましたか。

ビジネスサイドの目標と体制を根本から見直し、今後の成長を見越した組織構造で規模の拡大を進めました。プランの種類やプライシングにも取り組んで、半年ほどで月次経常収益が約2.5倍になるという成果を残せました。成果を出せてホッとしたのを覚えています。

入社当初はビジネスチームはあるものの、組織として体系だっておらず、プロダクトを広めていくための正攻法も見つかっていない状態でした。人数も少なくて、チーム全体で6人で新規営業とCSがそれぞれ3人ずつでしたので、基盤を整えて一気に規模化を図りました。正社員採用が主軸ではありますが、副業やインターンの方々の力も借りて、半年後にはエンジニア含め自分のチームに60人程いました。

そして、営業ルールやヨミ管理の見直しや、マーケティングおよびインサイドセールスのチーム立ち上げ、セミナーやカンファレンスなどの広報活動。さらに、開発チームにも関わっていたので新しい機能開発のPdMも担いました。とにかく、やれることは全部やりましたね。成果が出るならと動きまくっていました。

当時のYOUTRUSTはユーザー数も順調に伸びていてチャレンジしやすい状態でもありましたし、このタイミングでアクセルを踏むことでさらに伸びると確信していたので。採用も大きく動かして、とにかく変化を起こしてコトを進めました。

――事業を成長させるために全力投球されていたんですね。金子さんがYOUTRUSTというプロダクトを通じて目指したい世界観を教えてください。

YOUTRUSTはキャリアSNSであり、転職サイトではありません。とにかく転職すればOKではないビジネスモデルが特徴です。ジョブホッパーではなく、自分のキャリアを自律的に選択して可能性を広げていくキャリアビルダーが増え、そんな人たちが新しい企業に入って“強くてニューゲーム”状態で、組織のモメンタムを上げる。成長企業が増えていくことで、日本のモメンタムが上がっていく、そんな流れをつくるプラットフォームにしたいです。

まったく知らないところに飛び込むってすごく勇気のいることですよね。僕自身も転職するのはすごく不安でした。ホップ・ステップ・ジャンプではないですが、まずホップできる飛石があれば、転職できる人は多いと思うんです。転職でいえば、共通の友人知人などです。

そしてそのホップを作る上で、YOUTRUSTを通じて作られる広く弱いつながりは、今後高まりゆく人材流動性の高い世の中で必ず価値が出てくると考えています。

キャリアを伸ばす手段が転職なのか現職に残ることなのか、副業なのか複業なのかプロボノなのかは人それぞれです。志向性や価値観、その時にあるチャンスによっても変わってくるでしょう。YOUTRUSTというSNSを日々使ってもらい「常に今あるチャンスに接続できる状態」を作ることでキャリアビルダーが増え、企業に貢献する優秀な人材が集まる。そんな流れをつくって市場全体を盛り上げていきたいです。

――その目標を叶えるにあたって、課題は何だと考えていますか。

人材流動性の低い大企業に勤める人達にも利用してもらえるかが肝だと考えています。

現状、大変有難いことにスタートアップには浸透してきており、いいプロダクトだと評価していただけることも多くなってきました。ただ弊社のミッションは「日本のモメンタムを上げる偉大な会社を作る」なので、スタートアップや自分たちに近しい業界だけに留まっていてはいけないんですよね。

例えば、大企業からスタートアップの道を選んだり、スタートアップから省庁にキャリアチェンジしたり、福岡在住で東京のスタートアップの役員に就任したり、そういった「変化差分」の大きなうねりを後押しできるのが理想です。

新しいことに向き合うことで人間的な成長ができたり、個人の成長分だけ企業が伸びたり、それが日本全体のモメンタムを上げることにつながっていくと思っています。そのためにも、YOUTRUSTをスタートアップやベンチャー以外の多くの人たちにも利用してもらいたいんです。

ただ、日本のモメンタムを上げるための核となるのはスタートアップだと思っています。この芯はブラさずに、足りない部分を強くしていけるかどうかがポイントですね。

――さらにプロダクトを広めていくフェーズということですね。

そうですね。第二創業期とまで言うとちょっと大げさですが、転換期であることは間違いありません。

「このチームで絶対にプロダクトを伸ばしていくぞ」と改めて決意を固めたのがちょうど年度末のタイミングです。新規事業のスタート、プロダクトのコンセプト策定、直近2年の開発戦略、マーケティングやビジネスサイドの方向性など、あらゆる今後の指針を固め直しました。

YOUTRUSTが偉大な企業になるために、次なる一手をどうするべきかを改めてみんなで考えられた機会だったと思います。今はちょうどギアが切り替わるタイミングですね。

――次なる一手という意味では、LLM Innovation Center(LIC)を立ち上げています。

ChatGPTが話題になる前から、AIタレントサーチなどの機能開発においてAIの活用は粛々と進めていました。ただ、直近の不可逆的な時代の大きな流れと、社内ハッカソンを通じて改めてGenarative AIやLLMがHR領域と相性が良いと確信したことから組織設立を決めました。立ち上げの狙いはシンプルに「サービス体験の向上」です。研究開発というよりは機能開発や実装をメインとした組織にしようと考えております。

採用において、応募する側も募集する側も長文のES(エントリーシート)や職務経歴書を書くこと、ジョブディスクリプション(職務記述書)や募集要項を検討することなど、一定の面倒な作業を受け入れる前提があったように思います。YOUTRUSTでもスカウトメールの送付はなかなか大変な作業であるとしばしば耳にします。

こういった面倒な作業の効率化は現時点でも進めていけると考えていますし、将来的には内容が個人に合わせてブラッシュアップしていくような高度化も視野にいれています。ユーザー様に対してもクライアント様に対しても、すでに多くのアイデアがありますので、とにかくサービス体験を良くしていきたいなと考えて進行中です。

――今後、新たな事業も生まれていくのでしょうか。

代表の岩﨑もよく発信していますが、弊社はあくまで「キャリアSNS」であり「転職サービス」ではありません。もちろん、弊社にとって転職市場や採用マーケティング市場は最も重要なドメインではありますが、私たちはもう少し広く市場をとらえています。

FacebookやTwitterなど、いわゆるSNSの売上の9割以上は広告事業で成り立っていますし、Linkedinは採用以外にも教育ビジネスを展開しています。YOUTRUSTというSNSをプラットフォームに見立てて、事業開発をしていくつもりです。

有難いことにスタートアップやメガベンチャーのご利用者様は増えておりますが、一方で、大企業や中小老舗企業、官公庁などトラディショナルなユーザーやクライアントにはまだ大きな余地があると思っており、新しい事業やプランを活用しながら接点を増やしていきたいと考えています。そうすることで「大企業からスタートアップへ」「ベンチャーから大企業へ」「IT企業から老舗企業へ」といったダイナミックな人材の流動性が生まれ、日本に大きな変化が起こっていくことを目指していきます。

YOUTRUSTの文化を紡ぐ若手が活躍できる会社にしたい

――今後どのようなことに取り組んでいこうと考えていますか。

新しく登録してくださる「ユーザー」と「企業」のバランスを意識して満足度高く拡大していきたいですね。わかりやすい見本はメルカリさんです。

僕たちはどこまでいってもtoCとtoBの2サイドプラットフォームで、ユーザーとクライアントがいて双方のマッチングがコアな機能なのはおそらく変わりません。これはある種、メルカリさんと似たところがあると思っています。

買いたい人がいなければ売りたい人も出てこないし、逆に売りたい人がいないと買うものがなくなってしまいますよね。YOUTRUSTも同じで、ユーザーがいないと企業にとって魅力が薄いですし、逆に企業が使っていないとユーザーにとって価値が薄くなってしまう。どのタイミングでどちらを伸ばすかを考える上で、メルカリさんの事例は非常に参考になります。

たとえば、短期で本を売る文化をつくったり、大型の招待キャンペーンをやったり、参考になる事例はたくさんあると認識しています。そうした理解の上で、何をすればどんな人やどんな企業が生態系に入ってくれるのかをいかに計画立てて進めていけるかが、今後の成長戦略の肝にはなると考えています。

YOUTRUSTの強みは、マッチングするのが個人と個人であること。等身大の生の声が聞けるカジュアル面談だったり、一個人としての熱量がこもったスカウトだったり、そうした個人の想いを届けやすくすることでマッチングを最大化することが今のミッションのひとつです。

加えて、YOUTRUSTというSNSの上に複数の事業を載せていくプラットホーム戦略をとりたいと思っているので、新規事業もどんどん作っていきますし、アライアンスも検討していきます。

YOUTRUSTは「キャリアSNS」を軸としながら、いろんなことを仕掛けていく会社になると思います。そのためチャンスはたくさん生まれてきますので、新卒採用にも力を入れ、若手が抜擢されて活躍していく会社にしていきたいですね。これは代表の岩崎も含めた経営陣全体の想いなので、新規事業と新卒採用は止めてはいけないと考えています。

――若手が活躍する会社にしたいという想いの背景にあるお考えをお聞きしたいです。

最初に勤めた会社は、良くも悪くもすごく本人に影響を与えると思っています。岩崎で言えばDeNAの遺伝子が刻まれているのを感じますし、大前や僕にはサイバーエージェントの遺伝子が刻まれています。これから転職が増えていくとはいえ、「社会とは、組織とは、仕事とはこういうものだ」という価値観の形成は、1社目の影響がものすごく大きいと考えています。

だからこそ、YOUTRUSTの文化や遺伝子は新卒が紡いでいくもので、一番純度の高いものだと考えていますし、その採用と育成には全力で取り組みたいです。若手の台頭は、中途社員や中堅社員の刺激にもなるので、そこでよい循環を起こせるのが理想的ですね。

僕のCSO就任をメンバーに発信したときにも、岩崎が全社員に向かって「メンバーのなかから金子さんのCSOを奪う人たちが生まれてくることを願ってます」と話していました。

役員やCXOというポジションは、結果を出せているかや、ポジションとしての役割が担えているかも重要ですが、会社のフェーズが変わることによって役割自体が変わっていくものだと認識しています。今は僕が戦略を担う立場ではありますが、その座を奪ってより良い戦略とともに会社を大きくしていくようなメンバーが生まれてくるのはすごくいいことですし、僕はそれに負けないように頑張っていきたいですね。もちろん簡単に負けないように精進していきます(笑)。

こういったチャレンジを賞賛するカルチャーなので、全員に大きな成長チャンスがあると考えています。若手に機会を与えられる会社であり続けるために、コトに向き合い、事業を成長させていきたいですね。


執筆:えなり かんな
編集:たかしお



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