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精神的支えは、心を治し、病気も治す!

今回の話は、学生のころころ受けた開頭手術後に、抗癌剤と放射線治療を受けていた時のことです。
 
放射線治療の副作用は、想像を遥かに超えていました食欲は全く無くなって、ほんの少し食べ物を口に入れるだけで、すぐに嘔吐してしまいます。

日に日に体力は衰えていき、動くこともままならない…まさしく正念場でした。(あの時ほど、自分はもうダメだろうと思ったことはありません)

最低限の栄養確保のため、抗癌剤以外に、吐き気止めや栄養補助の点滴が始まります。(その結果、いくつかの薬剤を入れ替わりで24時間点滴治療を受けていました

「辛島君ごめんね…今から吐き気止めの点滴に交換しますからね~」

そう言いながら、点滴用の薬剤が入った容器が殻になる頃に、次の容器を持って看護師さんが病室にやってきます。

僕は返事をする気力もなく、看護師さんが点滴台の薬剤を入れ替えているのを見つめます。

何の薬だろう…
何の薬だろう…

そんな時、ある疑問が頭に浮かんで涙が頬を伝っていきました。

(僕は今、治療を受けてるのか?それとも、拷問を受けてるのか…)

(体調は一向に良くならないのに、24時間点滴ばかりの毎日って何?…)

(自分の今がさっぱりわからない…先も見えない…)
 
「それじゃ~新しいのと変えたからね~また来ます!あれ?」
 
そう言いながら病室を出ようと、僕のほうを向いた看護師さんは、涙に気が付いたのか?一呼吸おいて笑顔でこう言われました。

「辛島君、どうしたの?何か困ってることとかあったら話してみてよ!」

僕は、体のことはもちろん、学校のことや、勉強のこと、部活動のこと、将来のことや、家庭のことなど…不安に感じていることを、思い当たるだけ看護師さんに愚痴りながら涙を流しました。

それを聞いた看護師さんは、僕を見つめたままベッドの手すりに手をかけて、このように言われたんです。

「そっか~…でもさ、辛島君は、そんな状況下でもしっかり生きてきているじゃない?素晴らしいと思うよ。私にはできないかもしれない…たぶんだけど、それは誰もができることじゃないよ!」

「辛島君なら、今の治療もきっと乗り越えられるよ!私たちも全力でサポートするから!」

お医者さんは、医学的なサポートで僕を元気にしてくれます。ところが、それだけで患者さん(特に長い闘病生活や辛い治療を強いられているような状態ような時)が十分に快方の道を進んでいくのかは疑問です。

その理由は、患者さんも人間ですから、入院生活の中で、精神的な不安や悩みが出てくるからではないかと思うからです。

そんな時、やっぱり頼りになるのは、常日頃傍にいて、笑顔で献身的にケアをしてくれる…時には親身になって話を聞いてくれて意見を述べてくれる看護師さんの存在は、本当に救われます

笑顔の看護師さんに救われます!
笑顔の看護師さんに救われます!

病気と向き合って、治そうと思える精神状態にさせてくれる

そうそう…

患者さんの精神的支えになって、お医者さんが全力投球できる環境づくりをしてくれている

そんな貴重な存在であることを再認識させてくれた、当時の看護師さんに感謝です!

それから約20年後、その看護師さんは、大病院の看護部長さんになっていました。

「私は、直接患者さんと向き合って、動いて駆けずり回るのが好きなのに、最近は事務処理(デスクワーク)ばかりで太ってしまって…」

そんなことを言われていたのを思い出します。

看護師さんへ…
 
僕は、おかげさまで元気にしています。
あなたを見習って、これからも…笑顔を絶やしませんからね!


いかがでしたか?

今回送った「僕からの手紙」が、何らかの形で、みなさんのプラスになれたら、とても光栄です!これからも、たくさん手紙を送りますので、どうか目を通してほしいです。

また、スキを押してもらったっり、コメントを書いてくれたり、フォローをしてもらえたら…僕にとって励みになりますので、どうかよろしくお願いします。

僕が書くすべての記事(手紙)は、長い時間かけて継続して書いてきた記録や、そうでなかれば得られないであろう考え方や貴重な体験を基にしています。いただいたサポートは、その評価だと捉えさせていただき、それを糧に今後も多くの記事を書いていきますので、どうかよろしくお願いします。