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服飾オタクによるレビュー・感想 Alexander McQueen 2022春夏コレクション

みなさま、遂に年度末となりました。
お元気でいらっしゃいますでしょうか。
私の住んでいる地域では、(プライバシーのため申し上げられません)。

早速、何時ぞやのコレクション紹介に移ろうと思います。(急)


Who is Alexander McQueen?

そもそものお話でございます。

Alexander McQueenとは、
デザイナーの名前を冠するイギリスのファッションブランド
です。

イギリスの労働者階級(イギリスは階級社会でして、労働者はまァ、アッパー/ミドル/ワーキングのワーキングにあたりますので、三段階に分けると最も低い階級にあたります)である、タクシー運転手の父ちゃんのもとに生まれた、6兄弟の1人。
その驚異的な発想力・実力はもとより、世間で物議を醸すという点においても、
右に出る者はいないほどのヤヴァイデザイナーとなります。(ダイスキェ)(スキェ)(オードリー若林さん)

そのヤヴァさの種類といえば、
「異端児」
GIVENCHYのクリエイティブディレクター就任時には、
"bad boy"
と評されたことさえあります。

私、彼がとっても大好き!CAN MAKE TOKYO!
I DAISUKI him a lot. (外国語大学3年の実力)

2022春夏コレクション

前提知識

2010年にマックイーンが他界してから、Alexander McQueenというブランドは、彼の右腕であったサラ・バートンさんがヘッドとなり、彼の世界を構築・展開していきます。

今回のショーも、サラ・バートンによる世界。
テーマは、"a show in the sky"
イギリス御用達の天気(?)でして、やはり、本番は曇天でございましたァッ‼️‼️‼️

解説

では、早速始めていきましょう。ウフフ。

Alexander McQueen - Spring 2022 Ready-to-Wear

サッッッ、もう20ルック目(20人目のモデル)なんですよね!!?

あなた「おい、さすがに1ケタ台1人は見せてくださいよォ…」
youjia「すみません、当店は私の選りすぐりのみなんです。」
あなた「そうですか。エァ」
youjua「はい。エァ」

youjia

エアリーで、ふわっと膨らむのが可愛くて、
それでいてジュエリー(ビジュー?ですかね)がきらきらと輝き、上品さを演出しています。
モデルさんと、履いているお靴を見ると、空を飛べそうなスポーティさも兼ね備えていますね。
ポイントは、上半身と下半身を繋ぐ(果たして本当に繋げているのか!?)何本も伸びる白いベルト(なのか!?)。
非常にロックで、愛いです。

Alexander McQueen - Spring 2022 Ready-to-Wear

続いてはこちら。

こちらのルックに関しましては、
今回のテーマであるskyが、暗めであることにポイントがあるでしょう。
とてもシックで優美な雰囲気です

ただ、私youjiaがこちらをセレクトした要因には、
モデルさんの雰囲気や、そのエレガントな身体の線が大きく関わっています。


〜〜〜急な注釈〜〜〜

昨今ルッキズムや見た目の言及を避けるべきという公共の共通認識がございます。
ここで触れるモデルさんの身体に関しての発言は全て、
Alexander McQueenの作品を着用し、
それに華を添える"モデル"という認識のみに基づいております。

アェ非常に、優美過ぎません〜〜〜⁉️⁉️⁉️
印象派(?)(にわか)(すみません)の絵でしか見た事ねェよと言わんばかりの
なだらかな首から肩にかける曲線、あえて形容するとすれば、
「柔な女性らしい」
というワードが最適なのではないでしょうか。

一方、口紅はその身体の色に映える真っ赤なのが、
成熟した美しさと色気を感じさせます。

Alexander McQueen - Spring 2022 Ready-to-Wear

妖精のような、ふわふわとしたスカートを揺らして歩く、
若干退廃的な雰囲気さえも纏ったモデル。
その姿はまるで巫女、神話的、女王とも形容し得ます。

非常にボリューミーでフェミニンな色合いのスカート、
そこから覗く上品なジュエリーが飾る足、
裾のアッシュが効いたヘアースタイル、
独立した強かなお顔が非常に素敵です。

Alexander McQueen - Spring 2022 Ready-to-Wear

アッッッッッッッッッッレェ⁉️⁉️マックイーンご本人ですかァ⁉️
と聞きたくなるほど、雰囲気がそっくりです。

こちらもフェミニンな色合いですが、よりロックさが強調されていそう。

Alexander McQueen

ウン、シミラー!!!(すみません)

Alexander McQueen - Spring 2022 Ready-to-Wear

本当に、美という漢字に愛されたような容姿です。
collectionの動画を拝見した時、衝撃で何度も巻き戻してしまったほど、
優雅なウォークながらも、すっくと歩かれており、
神々しいものです。

その身体の色と、白銀のジュエリーが、非常にマッチしています。
絵のようだァ…

Alexander McQueen - Spring 2022 Ready-to-Wear

衣装からもご存じの通り(?)
「オッ!?ヴィランズか?」
と言ってしまいたくなるほどに、成熟して、かつ表情に毒味が足されるのが
非常にあっぱれです。

このモデルさん、高貴ながらもロックの演出に長けている表情をされていると思います。
イイナァ。

Alexander McQueen - Spring 2022 Ready-to-Wear

こちらは、正真正銘最後のルックです。

会場では、この姿をした、豹のようにズシンとした重量感を感じさせ、
それでいて涼しげな表情を浮かべ、風を吹かせる
(イメージ)
黒人初のスーパーモデル、ナオミ・キャンベルのウォーク時には、
自然と拍手が巻き起こりました。


終わりに

さて、ここまでお送りしてまいりましたが、いかがでしたでしょうか…!
ロックで、それでいてフェミニンで、まさに芸術が爆発する世界でした。
ネ!!?(同意ハラスメント)

私には、Alexander McQueenに、個人的にかなり強い思い入れがあります。
幼い頃から芸術的な家柄や、恵まれた環境にいたデザイナーも多くいる中、
彼は労働者階級出身のデザイナーです。
フランス・パリの老舗ブランドのデザイナーに抜擢された際には、
批判の声も多くありました。

NewYork Timesはそれを
"a blow to French cultural pride"
(フランスのプライドを傷つける一撃)
と表しました。

彼は酒にドラッグにと、褒められない生活をしていたものの、
自分を曲げることなく、衣服を通じて自身の世界を構築しました。
最終的に、恩師が亡くなり、愛する母親が亡くなり、自身で人生に終止符を打つこととなります。

派手な服が大好き、着飾る自分が大好き、
けれど周囲を気にして、自信を持てなかった私youjiaは、
何度も周囲の人間に傷つけられては、救われました。
傷ついた時も、助けてくれる人間を探して、慰められに足を運びました。
時には、素敵な服を着たまま人前で大泣きし、
着ている買ったばかりのミニドレスのことを、
恥ずかしいと感じてしまったこともあります。

けれど、結局、自分の好きを守るために、自分を曲げることはできませんでした。
あんなに傷ついたのに!
普段、学習能力はかなり高いと自負していますが、まさか自分に、
こんなに譲れない世界があったとは。
まさに字にして、服飾を愛せずにはいられなかったと感じます。

世界の「普通」と異なる感覚を持って生まれ、育み、
それが「普通でない」と言われても、
それをパリという厳しい場においても、
自分の世界を守り、
表現した彼に。
その精神に。

彼にとってはそれがどうであったか、分かりませんが、
私は賛辞を送りたいです。


長らくお付き合いくださり、ありがとうございました。
またお目にかかれますように♡

どうぞ
よしなに、


youjia



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