正月最後の晩御飯はすき焼きだ。昨日、いいお肉を買ったのでウキウキである。冷蔵庫には、白菜とエノキ、椎茸、にんじん、マロニーちゃん、木綿豆腐、卵がある。

ただ、白ネギだけがない。
個人的にすき焼きにネギは必須だ。

仕方なくスーパーに買い出しへ行く1/3の15:30。
チャリンコにまたがりレッツゴー。

＊

もうすぐスーパーに到着するところで信号に捕まった。目の前には二条城。
この信号を渡って、二条城の前の道を颯爽を駆け抜けると目的地のスーパーだ。

二条城は正月も二条城していた。受付の前は外国の観光客でいっぱいである。

赤信号を一緒に共にしたのは、中国か台湾の若いカップルだった。男性は、中学生から使ってるんかと言わんばかりに年季の入ったワンピースのリュックサックをしていた。168cmくらい小太り。

女性は、色褪せてほとんどグレーになってしまった黒のジーンズを履いていて、上はモンクレールのモコモコダウンを着ていた。下は寒そうけど、上だけポカポカなファッションだ。155cm小太り。

お互い20代だろう。
独特のセンスを持っている二人だった。

まだかまだかと信号を待っていると、男性がいきなり女性に対して、甘え出してきた。私の目の前で男性が女性に巻き付いている。女性も嫌な顔を一つせず巻きつかれている。

と見ていると、女性の方から男性にキスをし出した。ちゅっ♡ではなく、チュッ♡でもなく、Chu♡♡♡て感じ。

と見ていると、男性もChu♡♡♡。

何かおっぱじめかけたところで信号は青に変わった。

私は、何事もなかったかのようにチャリをこぎ出す。

＊

正月から、なかなかのものをみた。
見たというか、見せつけられた。
見てられへんものを見せられた。

私は、ただネギを買い出しに行っただけなのに。

彼、彼女は見せたかったのだろう。信号待ちは、カップルと私だけだった。あの場に私がいなければ、彼も彼女も発情しなかっただろう。

誰かに見られたい願望なのだろう。
誰かに見せつけたい願望なのだろう。
あのとき、私は彼らのおもちゃにされたのだ。

私は、ただただネギを買い出しに行っただけなのに。

＊

にしても、イケメンと美女のキスなら美しいし、綺麗な光景で見てられる。ドラマや映画のキスシーンやベッドシーンは見てられる。

いやはや、人のキスとは、不思議なものである。

なんてことない一般人同士のキスや発情のシーンは、見てられないものがある。一気に動物感が増すというか、グワーッとなる感じが、なかなかどうしてグロテスクというか。

ただただ、ネギを買い出しに行っただけなのに、なぜにこんな光景を目の前で見せられなければいけなかったのか。

見てられないものを見せつけられた私の身にもなってほしい。

こちとら正月から小さなテロを食らった気分だ。別に怒ってるわけではないが、少なくともnoteに書いて昇華しようと思った。

何度も言って申し訳ないのだが、私は、ただただネギを買い出しに行っただけのジャパニーズなのだ。